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空からUFOが軟着陸したので乗ってみる事にした  作者: くをん
第一章 空からUFOが軟着陸したので乗ってみる事にした
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いきなりUFOやって来た。

タイトルのまんまです。

 さて、夏合宿初日は見事無意味EXP0で終わり、このバカ四人組(川口、鳩ヶ谷、浦和、深谷)はアメリカ辺りにいる予定説信仰予言者が真夜中に見る謎の予知夢みたいな感じのドラマ的展開でUFO探索は未だ収穫が無いまま今日も地球は地軸を起点にして回っている。


 そんな自転、公転を繰り返し世界人類を闇の中へゆっくりと導いていた月が光輝くその夜。


 ある未確認飛行物体つまりUFOが高度約3000メートルを光の速度で飛んでいた。


 そのUFOは円盤形で、丸い窓が3つありその胴回りには円盤型の土星の環を想起させる黄色いお皿がまるではんだごてでぐるりと360度1周して溶接したみたいなちゃちな代物で出来ていた。シュールな光景である。


 ワンパク幼稚園児がアスファルトに落書きしたみたいなベタな形をしたUFOは静岡県の山奥――俺達フットサルサークル4人組が寝泊まりしているコテージの知名度も無い山の山頂付近――に目を付けると光速から音速へと切り替え、速度を徐々に落としていく。


 地上には日本どころか世界でも通用しそうにない高密度の発光ライトが樹々に照射され、やぶ蚊の様に不規則な動きをしてスピードを最小限にまで抑えたUFOはかなりの低空飛行でそのままにじり寄る。


 俺達がラリホーでも喰らったんじゃねーか的ぐ~すかアホ面こいて眠りこけてるコテージのあるその山頂に低空飛行を続けたまま遂に停止したそのベタベタなUFO。


 動きは完全にストップした訳ではない。地上2、3メートル付近に浮遊してフラフープの様にもしくはフラダンスを踊るみたいにゆらゆらと奇怪に揺れていた。まるでこの世の物では無いみたいに。


 これまで人類が築き上げてきた偉大な文明や文化。科学や思想をも踏破したその未確認飛行物体。要するにUFOは、正に誰がどう見てもUFOとしか言いようがないほどに見慣れた形をしていた。


 ――そう。その手のオカルト研究家。幽霊やら宇宙人やらを信じ込んでいるこの地球に蔓延る不思議大好きミステリーバカ。科学じゃ証明出来ない事なら何でもありーの軍団が諸手を挙げて拍手喝采して祝杯を傾ける程にUFO。


 無論、『聖コンヴァルテ大学』のオカルト学部オカルト学科に所属している俺達。フットサルサークルメンバーの川口、鳩ケ谷、浦和、深谷にとってもそれは同じ事。


 一般人にとっても遺憾なUFOだ。


 誰がどう見ても不可解極まりない事態が今、静岡県の伊豆の山頂で発生している。人類生誕以来最大の世紀の瞬間である。せっかくなら富士山を選べばいいのに……。


 UFOの中には――


「うーし! バックオーライ! バカ! そっちじゃねーよ! あかん! もうお前パイロット辞めろや! これ以上時間削ったら上司に怒鳴られるんは俺なんやで!? もっとな、こうもっと仕事に忠実になれや! ええ加減にせえ! ホンマに」


 ――これまでの怪奇怪談ミステリアス談議を全てぶち壊し、エセ大阪弁を話す謎の日本人がいた。

これまで同様アホな展開に付いて来てくれた人達に感謝。

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