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大好物

作者: 噺 角蔵

消毒液を飲んだ。二本飲めば死ねるらしい。

苦い。ただただ苦い。

苦しい辛いやめたい。

まるで僕の人生のように。苦くて苦しくて、二本分だから量が多い。飲むのが辛い。小分けに飲んでも辛いだけ。それでも一気に飲むのは怖いんだ。

死にたがりが何をと誰かは嗤うだろう。とっととやれと思うだろう。

飲んでいるうちに泣けてきた。何でだ。何で泣いているんだ。

誰からも愛されなかった自分に対して泣いているのか、それともただの体の反応なのか。わからない。わからないけど僕は泣いている。

助けて助けて助けて。

生きていたくない。もう辛くて駄目なんだ。

「すぐに行く」

耳元でそう聞こえた。頬に当たる液晶画面。左指にかすかに当たるボタンの感触。


嫌いなトマトがうまいと感じたのは、これで何度目なのだろうか。

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