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3話 女神への誓い

文が消えたり、リアルで忙殺されてみたり、説明をどの程度にするか悩んで書いてみました。

場面の切り替えと大人数の扱いがまだ難しいです。

愚かな女神を思う。

敵対すべき堕天使に自らの力を与えた女神を。

彼女は誰も真似出来ない唯一無二の力を、規則を破り2つも与えた。

何故そんな事を・・・いや、分かっている。

我を愛してしまったのだろう。

妖艶な眼差しが、甘いささやきが、女神を惑わせてしまったのだろう。

堕天使であるこの身は神への復讐の為に有る。

この力は、彼女をも滅ぼす、分かっている筈だ。

分かっているだろうからこそ。

あの女神は、誰でもない、この手で殺める。

しかし、必ず出会う事になる。

身勝手なものだ。

自らの死と引き換えに、我との再会を望んだのだ。

それ故に、堕天使はその力に溺れる事は無い。

誇る事も出来ぬだろう。


その力は『楔』であり、『毒』であり、『残酷』であり、悲しい物だ。

しかし確かな『女神と堕天使の繋がり』であった。


彼女は我の腕の中で安らかに逝けるだろうか?

頭の中が女神に埋め尽くされている事に、堕天使はまだ気付かない。




そう、ヨシオは。

頭の中で、女神に愛されてしまい、勝手に悲しい恋物語が繰り広げられていた。

「女神・・・せめてこの腕の中で逝かせてやろう・・・」

使えば使うだけ悲しくなるスキルを授けてくれたヒロインに対して、非常に物騒な内容だ。


今、ヨシオは城の主と面会する為、長い赤絨毯が端まで伸びる廊下をダッカードに連れられている。

数メートル間に壁に掛かっている燭台の火が、ヨシオの顔を照らし、装飾が施された高い天井を仄かに浮かび上がらせていた。


ダッカードと老婆が死にかけていた間に、日は既に落ち、窓から覗く森は怪しさを醸し出している。

その怪しさと、これから城の主と会う事にヨシオは緊張していた。


「どうだ、この城は。言った通りだろう?」

ダッカードが口を開く。


ダッカードから聞いた所、この城の主はヨシオと同じ日本人らしく、日本人が思うファンタジー世界の『城らしい城』をイメージして作られたらしい。

見渡してみると確かに、見るからに『城』だ。

「確かにザ・城って感じ。初めて城を見るけど、新鮮さが無いかも?もちろん凄いんだけどさ。」

「俺が初めて見た時は目ん玉引ん剝いたもんだ、こんな馬鹿デカいもんが、お前らの世界の当たり前かと思ったよ。」

感慨深そうに言うダッカードはニヤニヤ笑っている、平均的な答え・・・なのだろうか?

「さあついたぞ、まあ、気楽にな。」

長い廊下の突き当たり、大きな扉の前に突き当たる。

ダッカードには緊張を隠せていなかったようだ。


「まあ、善処するよ・・・」

「はっはっはっ!別に取って食いはされん。」

そう言ってダッカードは扉を開く。


「本日最後の来訪者、ヤマダヨシオをお連れしました。」

そう言って部屋に入ると、部屋に居る人達から視線を向けられた。

扉の先は、一際明るく、奥に長い長方形のよう。

そこにクロスが敷かれた長いテーブルが置かれ、等間隔にイスが並んでいる。

そのイスにヨシオと同じ、日本の服装をした数人の少年少女が座っており、扉を潜るヨシオの正面、テーブルの先には、豪華そうな金の刺繍が入った白いローブを纏う黒髪のまだ若い男性が座っている。

ローブの男が城の主だろう。


その全員の視線中、ヨシオは自己紹介したくなった。

ク、クソ・・・静まれ!病は我を何処まで苦しめるのだ!

と、厨二病と緊張を抑える為に、苦しそうに腕を抑えてハアハアしていた。

視線が生暖かくなったのは気のせいだな。


「やあ、いらっしゃい。僕が城の主タケナカ ナオミツだ。とりあえず座ってくれ、君達の話をしよう。」

はつらつとした人のようだ、整った顔をにこにこさせる姿は王子にも見えなくない。

「ハッ!はい。」

現実がフォールドアウトしかけたヨシオが近いイスに座ると、扉の向こうでダッカードが軽く手を振り、引き返していった。


タケナカさんの話を聞くと、この世界は『イルダール』と言うそうだ。

そして女神がこの『イルダール』に若い人を送るのは、『魔王』を倒して貰う為とか。

『イルダール』に来る時にどんなスキルを獲得するのか送る女神にも分からないので、下手な鉄砲をバンバン撃って、『魔王』を倒す可能性を上げている。

そう女神から聞いた人も居たそうだ。


そして現在『勇者』だの『賢者』だの『剣聖』だの『聖女』だの、仰々しいスキルを持った方々が既に魔王討伐の旅に出ており、その人達が滅茶苦茶強いから、別に魔王討伐とか考えなくて良いよ!タケナカさんは、はっきり言い切った。


それを聞いたヨシオ以外の今日『イルダール』に来た男の子3人と女の子2人も唖然としていた。

もちろんヨシオが一番面白い顔をしていた。

折角来てもらったけどやる事ないよ!と突きつけられたので、唖然とするのは当然か。


しかし半世紀は探せど『魔王』はみつからず、本当に居るのか?と言う声も上がっているらしい。


そしてヨシオ達の今いる城は毎日新しい来訪者が来る為に、3日程の滞在で屋敷から出て行く、それまでにこの世界で何をするかを決めてくれ、との事だった。


「3日しか滞在を許せないんだけど、この世界の事が分からない時は何でも聞いてくれ。」



ヨシオは冒険しか頭になかった。

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