恋しちゃった...
ボチャン...
朱里「ああ!アタシのシャーペンがぁ!お母さんの形見の大事なシャーペンだったのにい!」
もぉ最悪。
お母さんの形見のシャーペン...
絵を描いてたらトブにおっこどしちゃった。
バカだアタシ。
朱里「もお帰ろっ...」
スッ
ヂャボン!!!
朱里「え」
この人ドブに手をいれて...
アタシのシャーペンをとってくれようとしてるの!?
朱里「あの...だいじょーぶです。落としたアタシが
悪いんで。手が汚れちゃいますよ。」
冬夜「手なんて汚れたっていいよ。それより君の母親の形見なんでしょ?このシャーペン。そんな大事なもの落としたのみて拾ってあげない人なんていないでしょ。」ニコッ
ドキッ...
冬夜「ほら。もー落とさないでね。」
タタタタ...
彼はアタシに背を向け去っていった...
てか...
今のひとヤバいよ!かっこよすぎ!
あんなイケメンであんな笑顔...
反則だよぉ…!
女子なら皆メロメロだよ。
「あああぁぁぁぁぁぁ!!
名前聞くの忘れてたぁ!ホント、アタシ
バカだ」
紺のネクタイってことゎ
高校二年生!
アタシのひとつ上の先輩か!
明日聞いてみよっ!
翌朝...
今、二年生の教室の前にいまーす。
キョロキョロ...
先輩どこだろー。
先輩女子『きゃーきゃー』
なんだろ...あそこ、やけに騒がしいな...
...ん?
朱里「あ!」
あそこにいるの先輩じゃん!
朱里「せんぱー...」
遥香「朱里!?何でここにいんの!!?」
朱里「は...遥香こそ!」
なんでここにいるのー...(泣)
遥香「私は二年二組の先生に部活の大事な話があるからって呼ばれたんだよ。」
チラッ
遥香がアタシの行こうとしてた先を見た。
そう...アタシの好きな先輩を。
遥香は感がいい。嫌な予感がする。
遥香「ははーーーんw
さては朱里...霜月先輩に恋したな?」
朱里「霜月先輩って誰?」
遥香「ええ!?霜月冬夜先輩のことしらないの!!?朱里...アンタちょっとヤバイよ...。
霜月冬夜...高校二年生。父親はUNICORNの社長。母親はプロの美術家。さらに霜月先輩本人は本校一の超イケメン。おまけに生徒会長。あそこで女子に囲まれてるのが霜月冬夜先輩。」
へぇ。そおなんだぁ。うんうん。...って
朱里「ええぇ!?あの人、霜月冬夜っていうの!?あの生徒会長の霜月冬夜!?」
普段生徒会長の話なんて長くて聞く気なくて
ずっと顔知らなかったけど...あの人が生徒会長だったんだ!?
朱里「...うん。アタシ冬夜先輩が好き。」
遥香「やっぱし~でもなんで?イケメンだったから?」
朱里「うん。それもあるけど。昨日ね、帰りにすごく綺麗な桜の木を見つけたから、お母さんの形見のシャーペンでスケッチしてたの。そしたら目の前にあったドブにそのシャーペンおっこどしちゃって…それを拾ってくれたのが、冬夜先輩なの。」
遥香「へえー。じゃあ行ってきな!
お礼、言わないとでしょ♪」
朱里「...うん!ありがと!」
遥香に連れ戻されると思ったけど...
良かった!
朱里「冬夜先輩!昨日はシャーペン拾ってくれてありがとうございました!あの、その、嬉しかった...デス。」
冬夜「あ!あのときの!」
朱里「は、はい!」
きゃー!!!
アタシ喋っちゃってるよ!
冬夜先輩と喋っちゃってるよ~!!!
朱里「一目惚れしましたぁ!!付き合ってください!」
なにアタシコクっちゃってんの~!?
冬夜「よろこん...」で。
さっ
なにこの女の人!?
いきなり私の目の前に出てきて!
姫華「そんな告白、しても無駄よ!」
朱里「なっ...!!!」
その女のひとは、
冬夜先輩に抱きついてこっちを向きながら言った。
姫華「だってぇ。姫華の...わたくしの、
婚約者ですもの~♪オーーッホッホッホッホ。」
姫華という人は気高く笑った.........って
朱里「ええぇ!?」
冬夜「ち...ちがうよ!おっ俺は姫華の婚約者なんかじゃ...」
姫華「もお!照れちゃってええぇ!」
冬夜「照れてなんか...!!!...んっ!!!」
チュッ
アタシは確かに見た。姫華という女のひとの唇が
冬夜先輩の唇に重なるところを...。
「キャーーーー!」
その場は混乱状態になった。
女子が皆騒ぐ中...
アタシはただ一人...頭の中が白くなってなにも考えられなくなった。
膝をついて、ペタンと座り込んでしまった。
嘘だと思いたい。
でも、今は考えられない。
あー。だんだん意識がーー。
遥香「朱里!ダイジョーブ!??
あか......!あ......り!.........り!….........」
遥香のの声が遠ざかってく。
神様...いるなら教えてください...
アタシは失恋したのでしょうか?
神様ーーーー......。