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神域のアーキテクト 〜世界が滅亡したので、スマホで自宅を絶対安全要塞に書き換えます〜  作者: kiro


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18/35

真の忠誠と、残る六つの玉座

「蒼太……様……!」


完全なる回復、いや、以前よりも遥かに強大な力を得て立ち上がった凛が、涙を流しながら蒼太の元へ駆け寄った。


その後ろから、結衣や権田たちも信じられないものを見るような目で追ってくる。


「あんた、無事だったの!? あの炎のバケモノは……!」


結衣が泣きじゃくりながら蒼太のスウェットの袖を引っ張る。


「ああ、炎上対策(クレーマー処理)は終わったよ。ちょっと手こずったけどな」


蒼太はいつもの気怠げなトーンで笑った。

だが、凛たちは知っている。


彼が安全圏から一歩も出ない冷徹な支配者などではなく、自分たちを庇うために、自らの身を焦がして最前線に立ち、命がけで死闘を繰り広げてくれたことを。


「蒼太様……。貴方様は、我々のようなちっぽけな命のために、御身を危険に晒して……」


凛がその場に膝をつき、深く、深く頭を垂れた。


「これまでは、貴方様の理不尽なまでの神の力に恐れを抱き、狂信しておりました。ですが……今は違います。貴方様こそが、私の魂が仕えるべきただ一人の主君。この命、この剣、未来永劫、蒼太様のために振るうと誓います!」


「俺たちもです! 蒼太様ぁぁっ! 一生、地獄の底までついていきます!!」


権田をはじめとする生存者たちも、全員が号泣しながらアスファルトに額を擦り付けた。


これまでの「恐怖と打算が混じった服従」から、自らを盾にしてくれた王に対する「絶対の忠誠」へと、彼らの心が真に一つになった瞬間だった。


「……やめろよ、暑苦しい。俺はただ、自分の家と、俺の快適な生活を壊されるのがムカついただけだ」


蒼太は照れ隠しのようにそっぽを向いたが、その表情はどこか柔らかかった。


(まあ、悪くないか。こいつらがいれば、魔石集めも自炊も全部任せられるしな)


蒼太が改めてスマホを天に掲げると、要塞化したメガ・マートを中心に、新宿区全域をすっぽりと覆う『多重構造の絶対防壁ファイアウォール・マトリクス』が展開された。


第1段階の覚醒を経たこの防壁は、もはや七大帝の攻撃だろうと、システム・ゴッドのデバッグだろうと、そう簡単には破られない神の領域サーバーと化していた。


――しかし、世界は彼を放置してはくれない。

新宿から遠く離れた、東京の各所。

六本木ヒルズ、浅草寺、東京湾の海上要塞、そして池袋のサンシャイン60。


それぞれの場所で絶対的な支配を敷いていた『七大帝』の残る六人の王たちが、一斉に新宿の方角を睨みつけていた。


『……炎が消えた。あの戦闘狂が、敗れただと?』

『新宿の結界……先ほどとは次元が違う。あれはまさか、「覚醒」に至ったのか?』


『面白い。炎帝の領地ごと、あのイレギュラーを喰い尽くしてくれるわ』


覚醒を果たした引きこもりSEと、東京を分割支配する本物のバケモノたち。


そして、いずれ訪れる「世界の管理者(神)」による再起動デバッグ


真紅の魔石を手に入れ、最強への階段を一つ登った蒼太の前に、真の覇権戦争の嵐が吹き荒れようとしていた。

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