表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神域のアーキテクト 〜世界が滅亡したので、スマホで自宅を絶対安全要塞に書き換えます〜  作者: kiro


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/35

真紅の魔石と『覚醒スキル』の秘密

「ぜぇっ……はぁっ……」


焦げたアスファルトと、燻る煙の匂いが鼻をつく。


メガ・マートの駐車場だった場所は、炎帝の『熱暴走』によって巨大なクレーターと化していた。

全身に重度の火傷を負い、スウェットがボロボロになった蒼太は、痛みに顔を歪めながらもゆっくりと身を起こした。


「……凛! 結衣ちゃん! 権田!」


蒼太はひきつる足を引きずり、半壊したスーパーの店内へ向かった。


そこは地獄だった。商品は炭化し、権田たち資源回収班は全身を黒焦げにして倒れ伏している。結衣は瓦礫の下敷きになり、そして――蒼太を守るために盾となった凛は、腹部を激しく焼かれ、虫の息になっていた。


「蒼太……様……。ご無事、で……」


「喋るな! すぐに回復ルールを適用する……ッ!」


蒼太は震える手で、ヒビの入ったスマホを操作しようとした。


だが、画面には残酷なエラーメッセージが表示されていた。


【警告:AP残量ゼロ。神域セーフゾーン崩壊状態のため、修復・回復コマンドを実行できません】


「くそっ……! 動けよ、俺の管理者権限だろうが!」


何度タップしても、システムは無情な沈黙を返すだけだ。炎帝のDDoS攻撃(熱量)を防ぐために、そして最後の一撃を耐え抜くために、蒼太は全てのポイントを使い果たしてしまっていたのだ。


このままでは、あと数分で凛たちは死ぬ。

ただ平穏に引きこもりたかっただけなのに、自分の力が足りなかったせいで、数少ない「日常(居場所)」が目の前で失われようとしている。

蒼太が血の滲む唇を噛み締めた、その時だった。


『ピロローン』


スマホの画面が、突如として禍々しい赤色の光を放った。


通知のポップアップではない。アプリ【アーキテクト】の最深部、いわゆる『開発者モード』からの直接のアラートだった。


【特級エンティティの消滅に伴い、ドロップアイテム『真紅の特級魔石』を検出しました】


蒼太が振り返ると、クレーターの中心――炎帝が爆発して消し飛んだ跡地に、ドクン、ドクンと心臓のように脈打つ、巨大で赤い宝石が転がっていた。


【解析完了。該当アイテムは、通常スキルの限界を突破した『覚醒スキル』発現者の体内にのみ生成される『概念コア』です】


「覚醒、スキル……?」


蒼太は痛む体を引きずり、その真紅の魔石を手に取った。信じられないほどの熱量と、膨大なデータ量が指先から伝わってくる。炎帝が人間離れしたバケモノだった理由。それは、彼が世界の理を歪める『覚醒』の領域に至っていたからだったのだ。


【提案:この『覚醒コア』を当アプリ【アーキテクト】のシステムに統合・吸収させることで、ホスト(相田蒼太)のスキル権限を次世代バージョンへ移行(覚醒)させることが可能です】

【現在バージョン:Ver1.0】

【上限覚醒段階:全5段階。現在、第1段階へのアップデート準備が整っています。実行しますか? YES / NO】


「……アプリ自体の、アップデート」


蒼太は迷わなかった。自分の体がどうなろうと知ったことか。


凛たちを救い、この理不尽な世界を、神をもねじ伏せる絶対の力を手に入れるために。


実行インストールしろ。俺の権限を、極限まで引き上げろ……ッ!」


蒼太が『YES』を血塗れの指でタップした瞬間、真紅の魔石が砕け散り、圧倒的な光の奔流となってスマホへと吸い込まれていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ