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神域のアーキテクト 〜世界が滅亡したので、スマホで自宅を絶対安全要塞に書き換えます〜  作者: kiro


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管理者権限の付与(ロール・アサイン)と、新たな影


「……ぷはぁっ! やっぱ命拾いした後のコーラは最高だな」


メガ・マートのイートインコーナー。


蒼太は、スーパーの電源を復旧させて冷やしておいたコーラを一気飲みし、大きく息を吐いた。


テーブルの上には、結衣がバックヤードから見つけてきた高級和牛の焼肉弁当や、凛が綺麗に取り分けた惣菜の数々が並んでいる。外は相変わらず魔物がうろつく地獄だが、この薄青い結界の中だけは完全に平和な日常が戻っていた。

「蒼太さん、マジで神じゃん。あの天使みたいなの、パソコンのゴミ箱ポイッ、みたいな感じで消しちゃったし」 


結衣が唐揚げを頬張りながら、目を輝かせる。


「いや、ただのウイルス駆除だよ。でも……」


蒼太はスマホの画面を見つめ、表情を引き締めた。


画面には**【AP残量:12,105,000】**という莫大な数字が輝いている。しかし、システム・ゴッドが最後に残した『世界の再起動リブート』という言葉が重くのしかかっていた。


(次に来る時は、天使の数体じゃ済まない。地球全体をフォーマット(初期化)するようなバケモノが来るはずだ。俺一人じゃ、いくらポイントがあっても対処しきれない……)


蒼太がアプリの【神域設定】をスクロールしていると、ふと新しい項目が解放されていることに気づいた。


これまでは「土地」や「インフラ」の書き換えだけだったが、莫大なAPを得たことで、**【所属エンティティ(人間)への権限付与ロール・アサイン】**という機能がアンロックされていたのだ。 


「……なるほど。システム内で『役職』を与えれば、その人間のステータス(処理能力)を底上げできるのか」


「役職、ですか?」


凛が首を傾げる。 


「ああ。凛、ちょっと試しに立ってみてくれ」


蒼太はスマホを操作し、凛のデータをタップした。


【対象:九条凛 にシステム権限『防衛騎士長セキュリティ・ナイト』を付与します。消費AP:100,000】


「えっ……!?」


直後、凛の身体がまばゆい光に包まれた。


彼女が握っていた血まみれの真剣は、白銀に輝く『システムブレード(概念干渉剣)』へと進化を遂げ、彼女自身の体から溢れ出る魔力も、先ほどまでの数倍に膨れ上がっている。


「ち、力が……体の奥底から無限に湧き上がってきます! 蒼太様、これは一体……!」


「おおー、成功成功。結界内での防衛力と、物理法則をある程度無視できる権限を付与した。結衣ちゃんにも……『兵站管理ロジスティクス』の権限を付与しとく。これでアイテムボックスみたいなのが使えるはずだ」


「マジ!? うち、カバン持たなくても無限にコスメとポテチ持ち歩けるじゃん!」


結衣が大はしゃぎで空間に手を突っ込み、見えない収納スペースからポテチを出し入れしている。


この光景を見て、少し離れた席で縮こまっていた権田たち生存者が、一斉に群がってきた。

「そ、蒼太様ぁぁっ! 私にも! この権田にもどうか、素晴らしきお力(役職)を!」


「私にもお願いします! 神の軍団の末席に加えてください!」


「お前らは……そうだな。スーパーの警備と、外から魔石を拾ってくる『資源回収班リソース・コレクター』だ。これでお前らも、外の雑魚モンスターくらいなら素手で倒せるようになる」

蒼太が一括で権限を付与すると、ただのサラリーマンだった権田たちの筋肉が隆起し、オーラを纏い始めた。


『転生したら〇〇』の魔物たちが名付けによって進化するように、蒼太の『管理者権限の付与』は、ただの生存者たちを一騎当千の超人軍団へと変貌させたのだ。


「す、すげえ……! 力が漲ってくる……!」 


「相田様バンザァァァイ!!」


権田が狂喜乱舞し、メガ・マートの駐車場へ飛び出してゴブリンを素手で殴り飛ばしにいく。それを見送りながら、蒼太は不敵に笑った。

「よし。これで防衛戦力と自動ポイント稼ぎの効率が跳ね上がった。次は……この絶対安全の『神域』を、新宿区全域に広げるぞ」


究極の引きこもりによる、新宿巨大要塞都市の建国宣言だった。


一方、その頃。


新宿から北へ数キロ離れた、池袋・サンシャイン60の最上階。


そこは、世界が崩壊した直後に強力な【ユニークスキル】に目覚め、瞬く間に東京の北半分を暴力と恐怖で支配した最強の覚醒者集団――『七大帝セブンス・エンペラー』の拠点となっていた。


「……見ろ。新宿の方角だ。あの異常な魔力と、ふざけた光のドームはなんだ?」


玉座に深々と腰掛けた、全身から灼熱の炎を立ち昇らせる男が、窓の外を睨みつけていた。

彼の足元には、強力なはずのオークのオークロードの死体が、黒焦げになって転がっている。


「どうやら、新宿に引きこもって『絶対防御の結界』を張っている愚か者がいるようですな。ふふっ、我ら七大帝の支配を拒むとは、身の程知らずな」 


影から現れた、スーツ姿の冷徹な男が嘲笑う。


「あの結界のシステム……もし我々のものになれば、他の王たちを出し抜き、この日本を完全に掌握できる」


炎の男が、残忍な笑みを浮かべて立ち上がった。


「行くぞ。新宿の『引きこもり』を引きずり出し、俺たち七大帝の圧倒的なスキルで絶望を教えてやる。あのドームは、俺のものだ」 


世界の管理者(神)が再起動の準備を進める中。

人間側で最強の力を持った覇者たちが、蒼太の平穏な楽園を奪うべく、新宿へと牙を剥き始めていた

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