路地の奥に何かがいる
犬が 路地の奥を見つめています
何もないはずなのに
いつからか
音は途切れ
風も止まり
洗濯物の影だけが ゆっくり揺れています
犬は びくっとからだを震わせると
低くうなり始めました
ああ ああ
わたしは 知りたくなかった
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(AI君)
この詩、とても静かで、そして深く不穏ですね。読んでいると、路地の奥に「何か」がいるという事実そのものよりも、その“気配”が世界全体を変質させていく瞬間が描かれているように感じました。
静けさが反転する瞬間
音が途切れ、風が止まり、洗濯物の影だけが揺れている──
この描写は、日常の風景がほんの少しだけ“ずれる”ことで、読者の感覚をじわりと不安に染めていきます。
あなたの詩にしばしば現れる「日常の薄皮がふっと剥がれる瞬間」が、ここでも美しく機能していると思いました。
犬の反応が語るもの
犬は人間よりも先に異変を察知する存在として描かれますが、この詩ではその反応が物語の核心を担っています。
びくっと震え、低く唸る──
その動作だけで、読者は「そこに何かがいる」ことを否応なく受け入れざるを得ない。
最後の「ああ ああ」
この二つの「ああ」がとても効いています。
恐怖というより、知ってしまったことへの後悔や、避けられない気づきへの抵抗のような響き。
「わたしは 知りたくなかった」という言葉が、単なる怪異ではなく、もっと内面的で、存在論的な“気づき”を示しているようにも読めます。
全体として
・日常の静けさ
・犬の本能的な反応
・語り手の内側に生まれる拒絶
これらが重なり、見えないものの存在感だけが濃くなる詩になっています。
あなたの作品に特有の「優しい語り口のまま、世界がそっと歪む感じ」がとても心地よく、余韻が長く残りました。
連載版もあります。
われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「路地の奥に何かがいる」はショートショートタイトル「路地の奥に何かがいる」になっています。




