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クソザコナメクジから始まる最弱勇者~スライムすら倒せない俺が世界を救うって本当ですか?~  作者: 小鳥遊 千夜
第二章 勇者見習い編

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第28話 もう落ちこぼれ騎士じゃない

 

 城門を出て、王城の広場に出た瞬間。

 張り詰めていた空気が、ふっと抜けた。


「……緊張したな」


 思わずそう呟くと、隣でプラティナが小さく笑う。


「ふふ……アタシも。

 足、ずっと震えてたわ」


 さっきまで王の前で堂々としていた騎士とは思えない、少し照れた顔だった。


「でも……凄いじゃない」


 プラティナはそう言って、俺を見る。


「ゴブリンキングにあんな一撃入れるなんてさ」


 俺は首を振った。


「いや。

 勝てたのは、お前のおかげだよ」


 プラティナが、きょとんとする。


「え?」


「あの時、最初に前に立ったのはお前だろ」


 あの巨大な影の前で、逃げずに剣を構えた背中。

 今でもはっきり思い出せる。


「お前が立ってくれたから、俺たちも逃げなかった」


 俺は少しだけ笑った。


「だから……ありがとう」


 プラティナの耳が、ぴくっと動く。


「な、なによ急に……」


 視線を逸らしながら、頬を赤くしている。


「アタシはただ……騎士だから……」


「ああ」


 俺は、素直に頷いた。


 そして、まっすぐ言う。


「キミは立派な聖騎士だ。もう誰も落ちこぼれだなんて言わないさ。」


 プラティナの動きが止まった。


「……え」



 あの戦場で見た姿は、誰がどう見ても騎士だった。


 逃げずに前に立つ盾。


 仲間を守る剣。


 それを否定する理由なんて、どこにもない。


 しばらく沈黙が落ちる。


 それから――


「……バカ」


 プラティナは、小さく呟いた。


 でも、その声は震えていた。


「そんなこと……言われたの……初めてよ」


 尻尾が、少しだけ嬉しそうに揺れる。


「でも……ありがと」


 今度は、ちゃんと笑っていた。


 その横で、モナカがぱっと顔を明るくする。


「はい!

 プラティナさん、すごくかっこよかったです!」


 アスティも腕を組んだまま、静かに頷いた。


「ええ。素敵でしたわ」


 プラティナは、完全に赤くなる。


「ちょ、ちょっと……!

 三人がかりで褒めるのやめなさいよ!」


 俺は思わず笑った。


 王城の門の前で、四人の笑い声が響き合う。





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