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クソザコナメクジから始まる最弱勇者~スライムすら倒せない俺が世界を救うって本当ですか?~  作者: 小鳥遊 千夜
第一章 旅立ちの冒険者編

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第25話 絶望を断ち切れ!格上殺しの一撃

 

「行くぞ!!」

 仲間と共にゴブリンキングに立ち向かう。


「グァァァッ!!」


 ゴブリンキングの一撃が、地面を抉る。

 叩きつけられた衝撃で、砂と血が宙を舞った。


「きゃっ……!」


 プラティナが吹き飛び、岩に背中を打ちつける。

 鎧越しでも分かる。相当な衝撃だ。


「プラティナさん!」


 モナカが駆け寄ろうとするが、別のゴブリンが進路を塞ぐ。


「ヒール、ヒール……!」


 必死に回復魔法を飛ばすが、追いつかない。


「ホーリー・ライト!!」


 アスティの魔法も、キングには決定打にならない。


「ハハ……」

「ヨワイ……ヨワスギル……」


 ゴブリンキングは、片言の人語で嘲笑う。


「キサマラ……ココデ……オワリ……」


 巨大な棍棒が、ゆっくりと振り上げられる。

 狙いは――倒れたプラティナ。


「やめろぉっ!!」


 俺は飛び出そうとして、足が止まった。


(……間に合わない)


 距離がある。

 今から走っても、確実に間に合わない。


 頭が真っ白になる。


 ――その時。


 背中に、冷たい布の感触を思い出した。


(……そうだ)


 イバールから渡された、もう一つの礼。


「……賭けるしかない」


 誰にも聞こえないように呟き、

 俺はマントを引き寄せる。


 ――ステルスマント。


 深く被った瞬間、世界が、少し遠のいた気がした。


 音が、薄れる。

 自分の息遣いだけが、妙に大きく聞こえる。


「……?」


 ゴブリンキングが、動きを止める。


「ヒト……キエタ……?」


 俺は、全速力で走る。。


 足音を殺す意識なんてない。

 ただ、必死に。


 見えないまま、横から回り込む。


 ゴブリンキングの死角である

 ――巨大な背中。


(今度こそ……!)


 剣を構えた瞬間――


 まただ。

 

 あの感覚――


 身体の奥が、すっと軽くなる。

 疲労も、恐怖も消えないのに。


「――できる」


 理由のない確信だけが、胸に灯る。


 視界の端が、妙に冴え呼吸が、自然に整う。


 ほんの一瞬、表示が輝く。


 《スキル発動条件達成》

 《弱者補正:極限状況》

 《下剋上等――起動》


 本人には、何も聞こえない。


 俺は、ただ――踏み込んだ。


「グォ……!?」


 突如、背後から現れた俺に、ゴブリンキングが振り返る。


 だが遅い。


 ほんの一瞬だけ隙が生まれる。


 狙いは、首ではない。

 心臓でもない。


「……ここだ!」


 ――膝裏。


 ――ズバァッ!!


 深く、鋭い手応え。


「グギャアアアアア!!」


 悲鳴が、森を震わせる。

 巨体がバランスを崩し、前のめりに倒れ込む。


「今です!!」


 モナカの声。


「プラティナさん!!」


 光が走り、プラティナの身体を包む。


「……っ!」


 彼女は歯を食いしばり、立ち上がった。


「……やるじゃない……!」


 アスティの魔法が、追撃として炸裂する。


 ゴブリンキングは、完全には倒れていない。


 だが――明らかに、流れが変わった。


 俺は、荒い息を吐きながら剣を構え直す。


 

 追い詰められた時。

 誰かを守ろうとした時。


 その度に、

 自分の中の「弱さ」が――

 なぜか、力として噛み合う。


 (理由は分からない。だが、

 奇跡だろうとなんだろうと可能性があるなら俺は諦めない。)




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