いつもと同じ朝
目を開けるとそこにはいつもと同じ真っ白の天井があった。ここは俺の部屋?
「...あ、起きちゃったのか。」
充電器に挿しっぱなしのまま寝てしまっていたスマホの電源をつける。もう7時。
「歯磨きするか。」
今日は不思議な夢をみたな。顔をバシャバシャと洗いながら夢であったことを思い返す。夢なのに目が覚めた今でもはっきり覚えている。
「悠真、おはよう。朝ご飯つくってあるから顔洗ったら食べてね。」
「うん。ありがと。」
朝食を食べ終え、学校へ向かう準備をする。シャツに腕を通し、ネクタイを結ぶ。ズボンを履き替え、ベルトを締める。スクールバッグを肩にかけてスマホを握り、玄関の鍵を開けた。
「行ってきまーす。」
今日は金曜日か。明日の休みは何しようかなー。そんなことを考えながら少し浮ついた足取りでバスに乗った。
ガラガラ
「おっ西田おはよう、昨日ぶりー。」
教室のドアを開けると真っ先に山崎が話しかけてきた。
「あぁ山崎おはよう。」
それから少し山崎と昨日の夜の話をしてからチャイムが鳴ったので席に着いた。
「朝礼。ホームルームを始めます。」
「着席。それじゃあ、一時間目の準備遅れないように。」
担任の先生が教室のドアを開けた瞬間にクラスメイトは皆話し出した。
俺は今日を出て、職員室へ向かった。
コンコン
「失礼します。先生、昨日出た課題終わったので先に提出しに来ました。」
昨日の授業の、生物の先生は提出期限よりも早く提出すると少し評価があがるのだ。
「おぉ西田、早いな!クラスで一番だぞ。評価加算しとくな。」
「はい。ありがとうございます。失礼しました。」
職員室のドアを閉め、教室へ戻ろうと前を向くとそこにはエイデ、じゃなくて結城が立っていた。
「あ、おはよう結城。」
「あぁ、おはよ。」
挨拶だけ交し、早歩きで教室へ戻った。
びっくりした。変な夢見たあとだからなんか気まずい...。間違えてエイデって呼んじゃいそうになった。気をつけないと。
授業が終わって家へ帰るために筆記用具を片していたとき、俺はものすごく動揺していた。何故なら――
「...これ。落としたよ、西田。」
「あ、ごっごめん。ありがとう結城。」
なんと今度は消しゴムを落としてしまい、またもや結城に拾ってもらったのだ。あぁぁほんとに俺は馬鹿すぎる、学ばないやつだ...。ただでさえ俺は変な夢をみて気まづいのに二日連続で落し物を拾ってもらうなんて...。
「じゃあまたな、西田。」
そう言って結城は昨日のようにそそくさと教室を出て行った。またなって...また月曜にってことだよね?
今日もまた変な夢をみないといいけど...
帰宅後夕飯を食べ、昨日と同じようにお風呂に入って歯磨きをしてすぐに眠りについた。
――ん…?
目を開けるとそこには派手な模様でいっぱいの見知らぬ天井が広がっていた。
「...嘘...またか...。」
昨日と全く同じ天井に同じベッド。まさか二日連続で同じ夢をみるなんて...