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詩と歌

作者: 日浦海里

変わりたいって思ってた

自分のことを話せる自分に


変われないって思ってた

周りの視線に恐れる自分は


誰かの視線を感じず済むなら

直接誰かと話さず済むなら


自分のことを語るだけなら

自分の心を形にするなら


出来るだろうか

変われるだろうか


自分自身を曝すことなく

自分の心を開け放ってみる




ほんの少し変えられて

結局ほとんど変わらなかった




自分をうまく伝えられるなら

周りを恐れることなんてなかった


自分がうまく伝えられずに

周りに溶け込めなかったはずなのに


どうして変われると思ったのだろう

誰かの視線を感じないだけで


どうして出来ると思ったのだろう

誰かに自分を伝えられると


変われなかった

出来はしなかった


結局自分は殻の中だった

思い上がりも甚だしかった




それでも声を上げる前よりも

少しは変わったことも気づかずに




また内側に籠もろうとして

諦めきれずに呟き続けた


曝すことなく

曝し続けて


吐いて

 吐いて

  吐いて

   吐いて


塗り重なった数多の言葉を

ある日一人の人が掬った


たった一つの

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あたしもです

って短い言葉


重なる言葉の感情で

真っ暗闇の底に灯った

小さいけれど眩い光


暗がりの中に慣れた私は

光を恐れて手を伸ばせなかった




変わりたいって思ってた

自分のことを話せる自分に


変われないって思ってた

周りの視線に恐れる自分は


だから目の前に灯る眩い光は

触れればきっと消えてしまうのだ


変われるかもと期待した時

幻のように消えてしまうのだ


触れてはいけない

望んではいけない


自分自身を曝すことなく

自分の心を放つことなく




なのに呟き続ける自分は

なにに期待をしてるのだろうか




光はそれからも灯り続けた

私はそれをただ眺めていた


私は自らを隠し続けた

一方的に曝し続けた


いつか変わる

いつか終わる

灯る光はやがて消える


そうすれば変わらず今まで通り

これからもそう今まで通り


それを本当に望んでいるのか

本当はそれを望んでないのか


自分自身にも分からないまま


吐いて

 吐いて

  吐いて

   吐いて


数多の言葉で唯一の光を

昏く黒く塗りつぶそうとして


一つだけだったアイコンが

一つじゃなくなってることを知った


あたしもです

って短い言葉は

たった一つじゃなくなっていた


こんなに昏くて暗い場所には

私が気づいていなかっただけで

私と同じで私ではない

たくさんの私がいてくれたのだ


あなたの言葉に救われたんです


最初の光が呟いた


あなたの言葉に救われたんです


暗がりの私も呟いた

始まりは

あなたにこの手を

引かれた日

気づけばこの手に

数多の繋がり

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― 新着の感想 ―
生きていると日々がこうした葛藤の繰り返しかと存じます。少し良くなったと思えば、もっと深い暗がりに落ちてしまったりと、そうした濁流の様な想いが巧く表現されていると思います。また最後に希望を感じさせるもの…
感想を書きたかったけど 言葉がみつかりません。 そのうちに みつかったら それは、「作品」として投稿しているかも・・・。 ありがとうございました。
 変わろうと思うことがまずひとつ。  行動してみることが、またひとつ。  ひとつひとつ積み重ねても、ひとりきりでは実感はなく。  誰かが聞いてくれること。  誰かが頷いてくれること。  それはとても、…
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