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すれ違う恋

帥の宮様も、妻のある身、そうそう出歩いてばかりはおられません。たまの訪れを泣きながら待つような心細い日が続きます。


そのころ宮がおいでになったのですが、私は、寺に参ろうと心身を清め、俗事を慎んで過ごしておりました。朝、お帰りになってから、帥の宮様より、


いさやまだ かかる道をば 知らぬかな

 あいてもあわで あかすものとは

(いやまあ、こんな恋の道があるとは知りませんでしたよ。せっかくお会いしたのに、何事もなく夜を明かしてしまうとは。)


私からのお返しは、


 よとともに もの思う人は 夜とても

  うちとけて目の あう時もなし

(まあ、毎夜物思いに沈む私には、夜だからと言ってくつろぐことなどありません。瞼があって眠ることも、目と目を合わせてどなたかを見ることも、全くないのですよ。)


そのまま寺参りに出かけたのでした。寺から帰ると、その日に、帥の宮がしのんでいらっしゃったのですが、まさかいらっしゃるとは思っていなかったので、うとうと眠っていて、気がつかなかったのです。宮さまは、ほかの男が来ているのだとお思いになり、そのまま帰ってしまわれたのでした。

そのまま長い間、帥の宮さまは私を訪れてはくださらなかったのです。


(このようなすれ違いは、物語で読んだことがあるけれど、本当に起こるのね。私は同じ内裏に暮らしているから、こんなことは起こらないけれど。)


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