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花山院のこと

 この出家なさった花山院は、よほど忯子様が忘れられずにいらっしゃったのでしょうか、出家の身でありながら忯子様の妹の四の君のもとに通われだしたのです。

 ところが、お父上の兼家様の長兄の伊尹様の後を継がれた伊周様が、三の君のところに通っていらっしゃり、三の君を花山院にとられてしまうと思い込まれました。仲が良く、腕に覚えのある弟の隆家様に相談遊ばします。隆家様は、脅かしてやろうと闇に紛れて院に弓を射かけられました。ところが、脅しすぎで、衣の袖を射ておしまいになりました。

 院はたいそう驚かれましたが、なにしろ外聞の悪いお忍びでしたので、『このこと散ちらさじ。後代の恥なり。』(この出来事は、世間に言い散らさぬようにしよう。後代までの恥である。)とおっしゃいましたが、すぐに都中に広まってしまいました。

 太政天皇を矢で射るなど、あってはならない大罪です。中宮の定子様は、ご自分の兄弟の不始末に心を乱され、ものもお食べになれないご様子です。まあ、この一大事のことは、しっかり記しておかなければと思います。」

 私はまだ幼くてよくわからなかったのだけど、それは大変な事件ね。歴史のお話は、とっても怖いから、もういいわ。何年かたってから、ゆっくり読ませていただきます。

このあと、定子の出家、出家の身で一条帝の一の皇子の出産、二の姫の出産と死亡、定子の悲劇が続きますが、ここには書きません。

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