御産養(おおんうぶやしない)
「道長様も、北の方様も、それはそれはお喜びで、お祝い事も、とても盛大になさいました。
なんといっても、帝のお子様で、道長様は、皇子のおじいさまになられたのですからね。」
あのお父様が、皇子様あいてに溶けてしまいそうな笑顔を浮かべていらっしょる様は、本当に想像もできなかったわ。
「臍の緒を切る儀式、お湯殿の儀式、三日の御産養、五日の御産養と、それぞれに位の高い方々がいらっしゃり晴れがましく執り行われました。その様子は、余すところなく記しておりますので、書き著したのちにご覧くださいませ。」
それは、読むだけで疲れそうね。
「七日の夜は、おおやけの御産養で、帝から皇子様に贈られる品々が、柳の枝で作られた箱に入れられて届けられました。一段と盛大で、もったいないご様子でした。九日の御産養は、東宮様の権の大夫がいらっしゃり、こちらは白い御厨子が一対あり、お祝いの品が載せてあり、当世風でしゃれていました。」
なんだか、聞いているだけで疲れてきました。ずいぶんはではでしく、儀式が執り行われていたのね。私は臥せっていたので、知らずにいてよかったわ。
「まったく、何もかも素晴らしく、この様子を書き著すのが楽しみです。」
そう。。。。




