その後…しつこい!
皆がそれぞれの道を歩み、ネメシアもあるべき場所へ向かいながらこれでまた穏やかに過ごせると思いやっと安堵していた。
だが…しかし…と言うものは突如起こるものである。
「ネメシアーー!」
「はぁ!?」
「え?君…なんで…」
一生を終えた後に魔力の高い者しか絶対に入れない筈の空間に何故か居てはいけない人が居て精霊と彼女は唖然としたがこのあり得ない事態に次第に二人の口許は引き攣っていた。
ディアンドロは人の道を選んでいる途中でネメシアの事が気になり始めてこれで最後にしたくないと強く想うと魔力が高まり別の道が現れた。
その先にはなんとなく自分が本当に望むものが手に入る気がした彼は迷わずその道を選び突き進んで行くと彼女達を見付ける事が出来たので内心では自分の選択を褒めていた。
「んー、なんかネムの気配を辿ったらここに行き着いたんだ」
「え?本当に自力で来たのかい?あり得ない…」
「嘘でしょ…」
本当にあり得ないぶっ飛んだ展開に二人は困惑を隠すことなく恐怖したが、この場所に入れるなら彼も資格を有する者なので精霊はどうするか迷いネメシアを見ると彼女は青ざめて呆然としていたが精霊の視線に気付くと首を振って全力で拒否を示した。
「…どうしよう…ここまで来たなら迎え入れるしか…」
「いやぁぁぁ…」
精霊の話は確かに尤もな話ではある。
しかしネメシアにとって彼の溺愛は恐ろしく甘くて恐怖の対象で思わず絶叫していてもディアンドロはそれを見事な脳内変換で都合良く解釈すると嬉しそうに蕩ける笑みを浮かべて彼女の悲鳴を無視して抱きしめて素早く横抱きにした。
「さて精霊殿。勿論私も案内してくれるよね?」
「わ、わかりました…」
「いやぁぁぁ…なぜ?何故なの?やっと落ち着けると思ったのにぃぃ……」
「一緒に落ち着こうねぇ」
青ざめながら叫び続け、もうわけがわからず混乱していたが彼はそれをまたもや綺麗に無視して照れているのだと彼女にとって迷惑な解釈をすると精霊と共に向かった先はとても穏やかで心地よい雰囲気の森の中だった。
「へぇ…いい場所だね。これからも一緒にいようねぇ」
「何故ここまで案内したのよ!」
「だって無理だよ。君もわかると思うけど彼の思いの強さは変態級だし」
「…」
確かに認めざるおえない事ではあるが認めたくなかった。
この場所はとても力の強い者のみが入れる精霊の聖域となる場所で普通の精霊でも入れる者は限られている場所だったのだ。
そんな理由でネメシアと精霊はディアンドロは来れないと確信していたのに何故か来てしまっていて、しかもこの場所にいても平然としていたのでその執念に近い想いの力に驚愕していたのだった。
「諦めてね?」
「嫌ぁぁぁ……」
「ネム?照れなくていいから」
「照れてません!何をどうすればそうなるのよ!私はのんびりとしたかったのに貴方は四六時中ベッタベタで自由時間なんてなかったじゃない!」
「俺は先に宣言してたからね」
必死に訴えながらキレてもそれは彼には届かなかった。
彼の言う宣言は最後の巻き戻りの前に勝手に誓った内容で「俺はネムと一緒になってベッタベタでイチャイチャするんだ!」と言うものでネメシアにとってはとてつもなく迷惑な宣誓を彼は有言実行して暴走してベッタベタでイチャつきまくっていた。
「それにしても限度ってものがあるでしょ!もう嫌なんだけど…」
「だからと言って私を巻き込まないでほしい」
精霊は完全にとばっちりを受けていた。
「巻き込みます!」
「…君まで面倒な宣言をしなくても…」
精霊は困惑していたが彼女はこの際だからと彼の記憶をそのままにした精霊にも責任はあると感じて思いっきり巻き込む事にした。
最後のやり直しで彼と一緒になってから少しは落ち着いて穏やかな時間を過ごせるものだと思っていたネメシアの予想は見事に外れてしまっていた。
彼は結婚後から完全に暴走して「夫婦だからと」言う口癖と共に常にベッタベタでオーロラがいても、社交の場でも、彼は変わらずやたら仲良しアピールしていたが、エルシアレネーの出席する社交の場では彼女の目がギラリと光り彼に近付いて軽く声を掛けて睨むと唯一その場だけは大人しくなっていてこの時だけはネメシアも安堵したが他では暴走が凄かったのだ。
そんな様子を見ていたオーロラの婚約者が溺愛の酷い彼に引いていたのを察したネメシアはいたたまれず困惑していると今度はネメシアのその様子を不憫そうに見て同情していた。
そんな彼を見てネメシアは気付いてしまった。
『オーロラのタイプがこのベタベタ旦那なら彼女は絶対に可笑しい…』
ネメシアの中では一人の時間が長すぎたのでこんなにプライベートがない人と過ごす事自体があり得なかった。
そして結婚後のオーロラも旦那にベッタベタで彼も次第に疲弊していて偶に彼とネメシアが二人で話す機会があるとお互いの伴侶についてのダメ出しがかなり深刻で同じ悩みを持つ者同士で仲間のような関係となっていた。
するとオーロラとディアンドロが仲良しだと勘違いして嫉妬してネメシア達はお互いの伴侶のダメ出しを本人達の前で披露するという妙な事になったのだが全く効果がなかったのでネメシア達は仕方なく互いの伴侶の改善を諦めた。
しかし愚痴のためだけにネメシアとオーロラの旦那様と二人で会うのは宜しくない。
そこで二人はお互いの伴侶も一緒にお茶会を開いて本人達の前で愚痴る事でストレス解消するようになると何故かそれが恒例となり、皆で楽しくお茶をするようになると以前の蟠りもなくなり自然と仲良くなっていたがやはりベッタリは改善されないどころか逆に開き直られてしまい困る日々を送っていた。
その精神的疲労がこの世を去った後も続くとなれば話は違ってきていて彼女にとってはある意味で終わりのある巻き戻りよりもかなり質が悪いようにも思えた。
来てしまったものは仕方がないので、その後は完全に逃げる事が出来ないので嫌がる精霊達を巻き込みながら賑やかに過ごす事になると彼女の望みだった静かに過ごす事は出来なかったが日々賑やかで楽しく過ごす事が当たり前になり次第にこれはこれでアリだと思えるようになると楽しんで過ごした。
ここまで読んで下さった皆様へ。
お付き合い下さって有り難うございました。
完結しましたがなんとなくネメシアに対するディアンドロの執念はこんなものではない筈…と思いオマケで書かせて頂きました。
彼はどこまでもネメシア大好きっ子なので人だとしても精霊として召喚してそうな気がしますがなんとなく彼ならこんな事をしてもおかしくない…筈?
そしてここまで来ればネメシアも諦めて受け入れて皆で楽しんでる内容にしたくて書かせて頂きました。
これで皆が本当のハッピーエンドになったのかな?
何気に酷い精霊の一言など…書いてて一番楽しかったのがこのオマケの話だったのでなんとなく書きたくなった時には密かに追加してると思いますのでまた読んで頂けると嬉しいです。
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