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「 夢の続きが始まりました 」  作者: 石川善一
52/162

「 夢の続きが始まりました【第三十三章 (再会) 】」

2022/11/26

石川善一52才です。

バンド【O/D'S】 ⇒ 【第三十章】参照。


ひょうきんなパーカッションの刀川さんとは楽器屋によく行った。

おっちょこちょいなドラムのシンさんとは、祭りに行ったなぁ…。

真面目なトシちゃんは音楽を分析するタイプ。

こだわって妥協しないシゲちゃん。

梅さんは努力と謙遜の人。

リーダーの落合さんの影響は絶大で、

最初に買った車も落合さんと色違いの同じ四輪駆動車だった。

1つ年下のキーボードのアスちゃんは笑い上戸で妹のような存在。

ショッピングや遊園地に行った。


皆、仲良くて楽しい事だけしか想定していなかった矢先、

サックスの太ピーが不慮の事故で死んだ。


太ピーは岩手出身の私より2つ上の大学生だった。

リーダーの落合さんからの電話で知ったのだが

当時19才だった私には衝撃が強すぎたのだろう…呆然として、

涙が出たのは電話の後30分たってからだった。


太ピーは、ものすごく穏やかで、

一緒に居てホッとする兄貴分だった。

私はバンドの練習風景を録音したカセットテープと写真を岩手に送った。


家族から手紙が届き、年賀状のやり取りもした。

これからも頑張って下さい…の言葉に「はい」と答えたのに…。

ごめん太ピー。ごめん。

22年も音楽から離れていたよ…ごめん。

太ピーの分も頑張ろうと思っていたのに…。


壊れたシンセ、もう買わないかもしれない。

派遣て日々の生活には困らないけど貯金は増えないんだ。

あと8年で還暦だろ…どうしても老後の事を考えてしまう保守的な自分がいる。

でもね、過去の自分の曲を4ヶ月前から宣伝してるんだ。

情熱が蘇ったんだよ。


今の俺は太ピーが知ってるあの頃の石川なんだ。

俺は太ピーを、今も昔もこれからも兄貴と思ってるよ。

太ピーよく言ってくれたよね…

「ボーカルはバンドの顔だから頼むぞ石川」

「全力でバックアップするからね」って。


今、太ピーをたくさん思い出して涙が流れた。………

……俺たちは今日、【 再会 】したんだね。


しばらくぶりにデモテープオーディションやったよ。

【第二十六章】、【第二十七章】、【第三十二章】参照。

太ピー、これで許してね。

その代わり俺、音楽業界に対して

「どうか石川善一をお願いします」…ではなく

「俺の過去、俺の夢…いや…俺たちの音楽をサポートしろ!!」…って、

こびる事なく堂々と…そして

互いを認め合った俺たちの音楽性が安っぽくならないように、

強気な心構えでいくからね。


挿絵(By みてみん)


●↑画像をクリックすると曲のURLがあります。

それをクリックして聴いて下さい。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 音楽活動を共にした仲間との思い出がまるで自分のことかのように伝わる内容でした。太ピーさんを事故で亡くされて、石川さんとメンバーの方たちの悲しみは察するに余りあります。 しかしながら、石川さ…
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