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「 夢の続きが始まりました 」  作者: 石川善一
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「 夢の続きが始まりました【第三十章 (自信) 】」

2022/11/6

石川善一52才です。

1988年の夏。厚木市のタハラというCDショップで、

17才だった私が見つけた宝物。


2階の楽器フロアに上がる階段には

バンドメンバー募集の貼り紙がたくさん貼ってあった。

個人情報など騒がれる時代ではなく、

リーダーの名前とTELが書いてある。


ボーカルを募集しているバンドを見つけた。

米米クラブのコピーバンドをやるという。


リーダーの落合さんから

「シュールダンスという曲を歌えるようにしておいて」と言われた。


顔合わせの日、私の前に現われた四輪駆動車。

私は何故か落合さんを高校生だと思い込んでいたのだが

5才年上の社会人だった。

そこに居たのはドラム、ベース、シンセ、サックスの4人。


私は高3だったが歌には自信があった。

それまで高校生同士で2つバンドを経験していたが

演奏のレベルが物足りない…と、すぐにやめる程テングだったのだ。

社会人バンドなら期待できそう…とスタジオに入り演奏を合わせてみた。


このバンド…テングだった私が圧倒される程の実力で、

そのクオリティーに対し、嬉しい…というより

私なんかで務まるのか…と、

一瞬で打ちのめされた感覚だった事を覚えている。

本物を目の当たりにすると、

自分の自信の大きさと同じだけ真逆に沈んでしまうという事を学んだ。


一曲終わると落合さんは「いいね合格(^o^)」。

…マジで!!!…と思った。

バンド名は【O/D'S】(オーディーズ)


オリジナルも作り始めた落合さん。

「歌詞は石川が書いてみて」

…不思議な事にプレッシャーはなかった。


メンバーは続々と増え、最大で10人。

落合さんは応募してきた人がダメだと思ったら

「うちが求める技術とは違うみたいです」…と、しっかり断った。

私には言えない事だが大事な事だった。

「ボーカルで失格っていたの?」

「石川は4人目だよ」

落合さんに認められたのは大きな自信になった。


こうして出来たスーパーバンド。

練習の後のファミレスで、皆は高校生の私に毎回、金を出し合ってくれた。

その代わりにスタジオの予約やメンバーへの連絡係をやっていた。

携帯のない時代なので大変だった。


落合さんはオシャレで、着なくなった洋服をたくさんくれた。

私にとっては兄貴のような存在だ。

メンバーは皆、仲が良くて、海に行ったりバーベキューをしたり、

かけがえのない時間を過ごした。


シンセサイザーを知ったのもこのバンドのおかげ。

ただデビューしたいと思っていたのは私だけだった。

メンバーは、私がソロで作った【You are shinning bright】を褒めてくれたが

「そんなに甘い世界じゃないから、

       今の仕事で地道にやったほうがいいよ」という意見だった。

確かにその通りだった。

なのに、今また目指したいと思っている自分がいる。


挿絵(By みてみん)


●↑画像をクリックすると曲のURLがあります。

それをクリックして聴いて下さい。



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