第二十二話 戦闘について①
いきなりですが、アズ視点です。
シルフギルドの食堂。時計の針は1の数字を示していた。
太陽は空高く上り、部屋の中だと言うのにじっとりとした蒸し暑さが体を魔術オーブンのように温める。私はこういうムシムシした暑さが大っ嫌いだ。
汗が服を体にべたつかせ、言葉にならないジトッとした気持ち悪さ。今すぐシャワーでも浴びてきたい。
私は片手に魔術の本を持ち、ぐったりとして机に突っ伏しているカイヤを見る。
「あんた、フォスがいないと元気ないわよね。見てる私もぐったりしてくるんだけど。」
「すいません。なんかフォスさんがいると、どこかで見てくれてるみたいな感じがして元気が出るんですけど……。いないとなると気力が全然出なくて。私、フォスさんがいないとダメな体になってしまいました。」
カイヤはそう言って、手をプラプラと揺らしている。
「その言い方は止めなさいよ、気持ち悪い。あのフォスに渡されたメニューはこなしてるの?確かあいつが行く前にもらってたわよね。」
「それはもちろんですよ!フォスさんが帰ってきたら、すぐに修行を頑張ったってところを見せつけて褒めてもらいます。そして頭を撫でてもらって、ハグしてもらって、そのままベッドに連れ込みます。」
「あんた、それしたら本当にぶん殴るわよ。フォスのメニューをそれだけやる気十分でこなしてるなら、私の授業もシャキッとしなさいよ!ほらっ!」
私はそう言って、カイヤの背中を勢いよく叩く。
パシンっといい音が響いた。カイヤはその衝撃にピクっと反応して、背中をピンと正す。
「だってアズさん。教えるの下手じゃないですか?」
「あんたねえ……、もう授業しないわよ?」
「そ、それは困ります!下手でも教えては欲しいんですよ。分かり辛くても勉強にもなりますし……。」
「あんた本当に殴られたい訳?あんたの理解力が低すぎるだけよ。理解したらその日のうちに完璧にする。勉強の常識でしょ?」
「いや、そんな常識知らないですよ。私こう見えて、貴族界隈でも勉強はできた方なんですけど……。全員がアズさんみたいに、暗記力バグってないんですから。」
「はぁ、私の頭がバグってるみたいに言うのやめさない。」
「痛!?」
私がカイヤの脚を蹴ると、不満そうにカイヤが私の顔を覗いてくる。
大体教科書一回見たら、数日は忘れないのが当たり前。それに私はシルフギルドに入るとき、毎日三時間も勉強したのだ。努力せずに才能だけでここまで来たなんて思わないで欲しい。
「あんたが勉強できたとか……あんたの周りは間抜けばかりだったの?あんたは頭が悪いんだから、人より勉強をする、それだけよ。グチグチせずに勉強しなさい。それに座学だって頑張ったら、フォスが褒めてくれるわよ。」
「そりゃ褒めてくれるとは、思うんですが……じゃあ、アズさん。フォスさんをベッドに連れ込むの、許してくれますか?」
「それはダメに決まってるでしょ。けどそうね……しょうがないからあんたのモチベのためにも、一日デートするくらいは見過ごしてあげるわよ。」
「ええええまじですか!?じゃあ、頑張ります!超頑張ります!テラ頑張ります!」
「テラ頑張るって、何語よ……。」
「まあまあそういう細かいことは、気にしなくていいじゃないですよ!さあアズさんの授業を早速やりましょう。今すぐやりましょう。」
「あんた、分かりやすいわね。」
「アズさんは表に感情を露わに、しさなさすぎるんですよ。このままだと、一生フォスさんに振り向いてもらえませんよ。」
「あ!?なんか言った?」
「なんでもないですよ。さーて勉強勉強。ここは予習ちゃんとしときましたよ。回復魔法は補助魔法なんですよね。」
カイヤはそう言って、私が前に出した本に書いている回復魔法の術式を指さした。
「なんか綺麗に逸らされた気がするわね。けどそうよ、あんたの言う通り回復魔法は加速魔法やベクトル魔法、形成魔法とかと同じ補助魔法に分類されるわ。けど回復魔法だけ特殊なのは普通の補助魔法と違い、骨格魔法にも分類されることよ。理解できてる?」
「それはもちろん分かってますよ。骨格魔法は魔法の基礎となる、根本の魔術式のことですよね。骨格魔法に補助魔法を組み合わせていくことで魔術式が成り立つはずです。」
「そうね。魔術的な意味合い以外に、補助魔法と骨格魔法の違いは覚えてる?」
「え…えっと……、何でしたっけ?」
「はぁ……、属性の違いよ。補助魔法は魔力の属性関係無く、誰しもが組み立てられるけど……骨格魔法は属性によって適する魔方陣の形が違うわ。その例外が回復魔法。回復魔法は誰もが組み立てられる補助魔法の特徴を持ちながらも、魔術式の基礎にもなれる骨格魔法の特徴も持つってわけね。他の例外となる魔法は分かる?」
「たしか、魔弾魔法ですよね。」
「その通りよ。分かってるじゃない。今日はこれから回復魔法の歴史について知ってもらうわよ。一番最初に出来た回復魔法の魔術式は……って、何か近づいてくるわね。」
食堂の出入り口の扉から、十数人の人々が入って来た。全員が神獣グリフォンの姿が掘られた徽章を、首から下げている。あの形には見覚えがある。たしかカイヤと同じグリフォンギルドの模様のはずだ。
彼らは迷うことなく、自分たちのいる席にまで歩いて来た。
「うえ!?なんでグリフォンギルドの冒険者がここにいるんですか!ここにいることは誰にも言ってないのに……、私は帰りませんよ!アズさん、助けて下さい!」
「助けてって言われても、あんたグリフォンギルドの冒険者でしょ。そういえばあんた、ほぼ無断でシルフギルドに居座ってたんだったわね。お迎えが来たんじゃないの?」
「迎えだなんて、呼んでないですよ!それに私は将来合格するので、シルフギルドと言っても過言ではありません!」
「それは、気が早すぎでしょ。」
私は喚いているカイヤを横目に、私たちを囲むように並んできたグリフォンギルドの冒険者たちを見渡す。金等級が5人に、銀等級が5人…他は銅等級か……。
グリフォンギルドの規模を詳しくは知らないのだが、一般的なギルドの所属状況から鑑みると、人数が多いように見える。
金等級5人なんて、ほぼほぼ主戦力に近いんじゃないだろうか?カイヤの迎いにしては豪華すぎやしないか。
「カイヤさん、ギルドマスターからギルドに帰るよう命令が下りました。私たちと一緒にギルドに帰りますよ。」
グリフォンギルドの冒険者の一人が、そう言ってカイヤに手を差し伸べてくる。
金等級だし、こいつがこの集団のリーダー格?
「嫌ですよ!わざわざここまで来るとかどういうことですか!私がギルドマスターと来た後『シルフ街から出て行った様子を確認した』と言うデマを門番さんに流させたくらい、身を慎重に隠してきたのに……意味ないじゃないですか。アズさんも何か言ってやって下さいよ!」
カイヤはそう言って、私に抱きついて来た。
彼女の胸が私の腕を包む。こいつやっぱり、でかいわね……ずるい。
「だからぁ…あんたは、グリフォンギルドの冒険者でしょうが。他ギルドの事情を、私に突っ込まれても困るわよ。」
「ひどい!薄情!うんこ!貧乳!私は絶対、グリフォンギルドなんかに、帰りませんよ!大体、私のタイミングで帰りますから。帰るように命令されるとか、意味わかんないですけど。」
「あんた、聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど?」
「うっ……けど、それくらい帰りたくないってことなんです!」
カイヤはそう言って、グリフォンギルドの冒険者たちを睨んだ。
まあ冒険者と言うのは自由なことが売りの職業であり、基本本人の自主性に任せるのが一般的。
強制的に帰らせられるなんてこと、中々に稀なことではあるけれど……。
「そう言われても困ります。ギルドマスターの命令ですから。自主的に帰って頂けないなら、実力的な手段も取ることを辞さないですよ。」
「はぁ?何言っても帰んないって言ってるじゃないですか!べろべろバー。」
「なるほど、そうですか。では……、やれ。」
リーダーらしき男がそう言うと、二人の男がカイヤの背後に回ってくる。
彼らの手に魔力が灯るのが、感覚的に分かった。
「大体、実力的な手段なんて、そんなこと問題っ…………」
トンっ……
男たちの手刀がカイヤの首に入り、彼女は気絶して動かなくなる。
彼女の体重が私の体に、押しかかってきた。
散々に喚いていた、意外とあっさりとしているものだ。
「ちょっと。流石にギルドマスターの命令だからか分からないけど、気絶は不味いんじゃないの?」
私は何となく思ったことを口にするが、彼らは私の発現を気にする様子もなく、カイヤを抱きかかえる。
そして、そのまま彼女を背負うと、私に背を向けた。
「他ギルドには関係ないことです。さて帰るとしましょう。」
彼らはそう言うと、カイヤを背負ったままシルフギルドの出入り口用の扉へと歩いて行った。
ここまで雑な対応をされると、何かムカッとくる。
「ちょっと、待ちなさいよ!シルフギルドは一般ギルドの監視をする権利があるのよ!関係無いとは言わせないわ!」
だが私がそう叫んでも、彼らの返答は聞こえなかった。
彼らグリフォンギルドの冒険者たちは私を無視して、出入口の扉を開く。
何だろう……モヤモヤとした感覚を強く感じる。
別にこれは無視されたことへの、怒りの感情とかではないのだ。もっと違う感覚。
何故か、ここで別れたら一生カイヤに会えなくなるような……そんな感覚なのだ。
なんだろう、この感じは。
この嫌~な感じ、初めてではない。
そうだ!そう……
この感情を感じたときは確か、妹が殺されると思ったときだ。
何故あのときと、同じ感じなのだろうか?
妹が殺されそうになったとき、私はこのままじゃダメだと思った。ここで動かなければ、ここで歯向かわなければ、絶対に後悔する……そう強く心に訴えられた。
あの感覚と同じなんて……、最悪な気分だ。
なぜ今、カイヤがこのまま連れて行かれてはならないと……そう思っている理由は私には分からない。
これはただの私の勘。そして生まれながら持っている本能。
信憑性も確実性もそこには無い。だが、私はこの感を信じて後悔したことは一度もない。
ならば……、私はここで行動をすべきなのだろう。
私は足に風属性の魔力を一気に流す。
そして、椅子から飛び出し、机の上を走るようにして飛び出した。
一瞬でグリフォンギルドの冒険者たちに追いつくと、そのまま流れるようにカイヤを奪う。
「な!?貴様!?何をする!」
彼らが驚いて声を上げるも、無視してカイヤをお姫様抱っこで抱き上げ、そのまま食堂の中央にある机にまで走って逃げた。
机の上に仁王立ちして、彼らを睨みつける。
グリフォンギルドの冒険者たちは焦るような様子で、私を追いかけて来た。
周りで食事をとっていた一般人や、数人のシルフギルドの冒険者も、その異様な光景に興味を持ったようで中央の机に目線を向け始める。
「何故、こんなことをするのだ!シルフギルドの冒険者には関係ないことだろ!」
リーダー格と思われる男は、そう言って私を睨み返してきた。
「シルフギルドは、一般ギルドの監視をする権利があるって言ったでしょうが。聞こえてないとか脳みそ腐ってんじゃないの?それにね、私だって何でこんなことしてるのか分からないよ。」
「なんだと!?」
「私の勘が言ってるのよ、カイヤを渡すなってね。だから返さないわ。返して欲しいなら、私から実力でもぎ取って見せなさいよ。」
「そんな意味の分からない理由で、私たちの偉大な実験を頓挫されては困る。実力で…と言うならば、我々は手加減できないぞ。死んでも知らないからな。」
「何それ?手加減できないとかこっちのセリフよ。私、シルフギルドの金等級冒険者なんだけど。強者感振ってんじゃないわよ、この三下冒険者が。」
「貴様っ……。君たち!カイヤをどんな手段を用いてもいいので、取り戻しなさい!失敗したら、ギルドマスターにどれほど怒られるか分かったものではありませんよ。」
「ははっ」
その男の激を聞いて、グリフォンギルドの冒険者たちは一斉に剣を鞘から抜く。
そして、私に向かって剣を振り回しながら突撃してきた。
「そんな剣が当たる訳ないでしょ、ばーか。」
私はすぐに横の机に飛び移り、そのまま机を踏み台にしてジャンプしながら逃げる。
机からは皿やコップが落ちてガシャンガシャンと割れる音が、食堂内に響いた。それでも私は、机を飛び移り続ける。
「カイヤを傷つけてもかまわん!やりなさい!」
男の合図でグリフォンギルドの冒険者はとうとう、魔法を放ち始める。弓を引くものまで現れた。
武器を持った冒険者が走り回り、空中は矢や魔弾が飛び交う。
シルフギルドの食堂は、たちまちカオスな戦場になった。
「ひいいいいいい」
「逃げろぉぉぉぉ」
食堂にいた一般人の人たちは、我先にと食堂から外へと逃げ始める。
「げ!?アズがまたトラブル起こしたぞ!それも真昼間からだ。」
「早くギルドマスターに報告しに行くぞ!」
シルフギルドで昼間から酒を飲んでいる数名のシルフギルド冒険者たちも、他ギルドと戦い始めたのは初めての出来事であり、かなり動揺している様子である。
そんな中に一人、アズには見覚えのある人物がいた。
整った顔立ちに、珍しい黒髪の男。
首からは金色に輝く徽章を下げ、隣に座っている女性と何やら楽しくお酒を飲んでいる様子であった。そうウルツである。
混沌の渦となり混乱している状況の中、私はは机を飛び渡り、ウルツがいる机に勢いよく着地する。
机の上の酒類や食事類がダイナミックに吹き飛ばされ、地面に散乱した。
「ちょ、アズ!おい、お前何やってんだ!?」
「うっさい!いいから聞きなさい。あんた私に前ちっぱい悪魔って言ってたわよね?私まだそのこと許してないんだけど。」
「い、いや、それはもう時効ってことにしてくれ。そういう根に持つ女はモテないぞ。」
「は!?あんた、今ので私への借りが大分増えたわよ。」
「その借りメーター、ガバガバ過ぎんだろ。それに見るからにヤバそうじゃねえか。俺にそのトラブルを巻き込ませるな!見て分からない?今俺絶賛デート中だよ。」
ウルツはそう言って一緒に食べていた女性を引き寄せた。
私から見ても、外見は可愛らしい女性である。
「そ、そんなの知らないわよ。げっ!?……その一般人には悪いけど、あんたの借りは今すぐ返してもらうわ!」
私は素早く、また隣の机に飛び移る。飛んできていた魔弾が見えたからだ。
私を狙って放たれた魔弾は、ウルツとそのデート相手のいる机に向けて直線を描いて飛んでくる。
「おい、ふざけんな!」
ウルツは咄嗟に一緒にいた女性を庇うようにして、剣を抜くと飛んできた魔弾を真っ二つに斬る。
「くそ…、アズめ……。だが……俺の何よりも大事な女性に攻撃してきた野郎が、誰よりも許せねえ!ルリ、今すぐここから離れろ。俺がお前の仇、絶対取ってやる。」
ウルツはそう言うと、剣に魔力を込めて横の壁に斬撃波をぶつける。
食堂横に大きな壁穴が開き、中が外から完全に見えるようになった。
「え、えと、ウルツさん……あの方を仇だなんて、私思ってませんが……、」
「いいから、ルリ。早く逃げてくれ。ここは余りにも危険すぎるんだ!」
「わ、分かりました。ウルツさんもお気を付けてください!」
ルリと呼ばれた少女はそう叫ぶと、穴の空いた壁から外に出ていった。
私はそんな二人を俯瞰しながら、タイミングを見計らって再びウルツ近くの机に飛び移る。
すると私を狙って放たれた魔法や弓の攻撃が、再びウルツに直進していく。
「おいおい、俺に攻撃してくるとはいい度胸してるじゃねえか。その体三枚おろしにしてポン酢で食ってやるよ。」
ウルツはそう言って、飛んできた攻撃を全て一刀両断する。さらに勢いよく踏み出し一瞬で加速すると、弓を打っていた冒険者に近づき峰打ちした。
唐突に増えた敵にグリフォンギルドの冒険者たちは動揺している様子ではあったが、すぐにウルツも攻撃対象に加えたらしい。
私に飛んでくる攻撃が、少しだけ分散するようになった。
「利用しやすい奴で良かったわ……。」
私はつい、そう本音をこぼした。
★
アズとグリフォンギルド冒険者の戦闘が、多くの人を巻き込んで展開されていく中……
一人の少女が、食堂で起こっているトラブルを伝えるべくギルドマスターの部屋前廊下に滑りこんだ。
その少女はふわりと膨らんだ水色の髪は腰まで伸ばしており、白いベレー帽を被っている姿は少し幼さのような可愛らしい印象を受けさせる。
彼女はノックもせずに勢いよく扉を開けると、くつろいでコーヒーを飲んでいるギルドマスターのことを睨んだ。
「んぉ!?メノウ、いきなりどうしたんだい?」
「ギルドマスター!大変なんだよ!」
メノウと呼ばれる少女は息を切らしながら、扉も閉めずにギルドマスターに接近する。
そして勢いよく、机をバンっと叩いて見せた。
彼女の首から下げている金等級が、その反動で揺らりと動く。
「えーと、とりあえず落ち着こうか。」
「いやいや、落ち着いてられもいられないんだ!またあのアズが戦闘初めやがった…それも他ギルドであるグリフォンギルドの連中とだよ。どう考えてもヤバイよ!」
「へえ……、グリフォンギルドか。」
「何でそんな落ち着いてるの!僕の昼ごはんが藻屑になったんだよ、どうにかして!」
メノウはそう言って、再度机をバンバンと叩く。
するとメノウに続くように、他のシルフギルドの冒険者たちが数人ギルドマスターの部屋に入って来た。
皆やはりアズとグリフォンギルド冒険者たちの乱闘は予想だにしんかったようで、慌てている様子が見て取れる。
その様子を見て、ギルドマスターはニヤリと笑みを浮かべた。
「あはは、やっぱりアズは勘がいいな。みんな、そんなに慌てなくていいよ。」
彼は椅子を飛び出し机を飛び越えて、メノウの横に立った。
いきなりギルドマスターと距離が近くなったため、メノウ少し顔を赤くする。
「メノウ、アズの助太刀をしてやってくれる?君たちもね。アズが抱えている少女を絶対に守ってあげて。」
「え!?アズを僕が助けるの?僕以外はいいかもしれないけど……、僕がアズのこと嫌いなの知ってるでしょ。」
「まあまあ僕のお願いってことでね。どうメノウ?」
ギルドマスターはそう言って、メノウとさらに距離を詰める。
メノウは顔をさらに赤くさせ、俯かせた。
「え、えと……もう、分かったよ、けどその分、ご褒美頂戴ね!」
「りょーかい。」
「もうご褒美だよ!わかってる?用意しててよね!」
メノウは手うちわをしながら、食堂の方へと走り出して行った。
他に来たシルフギルドの冒険者も、メノウの後に続いて走っていく。
皆がいなくなり、ギルドマスターの部屋は再び静寂が訪れる。
誰もいなくなった部屋の中で、ギルドマスターはコーヒーを一口飲む。
そして一息。
「さてと……僕もいろいろしないとな。クリスタ……頼んだぞ。」
そう独り言を言うと、ギルドマスターの部屋にあった窓を開け……
そこから、飛び出した。
ここまで読んで頂き感謝申し上げます。
評価、感想頂ければ幸いです。
ここから視点が二転三転しますので、読みづらいかもしれません。
ご了承ください。




