一話
連日投稿できるとは思わなかった...............
午前の授業が終わり、昼休みとなった
弁当なんてもものはないため、購買で買ってこようと席を立った時
ドンッッと勢いよく俺の机に弁当が置かれた
「購買の弁当ばっかじゃ体に悪いっていつも言ってるでしょ」
顔をあげれば黒色の犬耳をピコピコ動かしていてロングヘアーの黒髪をポニーテールにしている俺の友人がいた。尻尾も後ろでゆらゆら揺れている
細波蒼井ーー彼女は俺の数少ない友人の一人であり、自分が所属している同好会の部員だ
種族は見た目通り『亜人』である
「...........お前はいつ俺の保護者になったんだ?」
蒼井は額にてをあて、呆れながら
「あんたの保護者なんか真っ平ごめんよ、馬鹿言ってないでさっさとお昼にするわよ」
へいへい、と軽く返事をしながら渡されたお弁当を開けようとすると
「ちょおっっっっっと誰かをお忘れではございませんの?」
お弁当を食べようとした所に現れたのは銀髪銀目でちょこんと可愛らしい猫耳と尻尾があるやつだった
彼女は五月雨皐月ーー俺の幼馴染であり、自分が所属している同好会の部長(自称)だ
もちろん種族は『亜人』である
「よお、いつも通りの登場だな」
「しょうがないではありませんの、2人とはクラスが違うのでございますもの」
ため息をつきつつそう呟く
彼女はこの高校ーー正式名称は国立桐林学園だがそこの2年3組にいるのだから
ちなみに蒼井とエルミーナは1組である
「とりあえず、全員集まったことだしお昼にするか」
俺らはいつもの場所ーー屋上に向かって歩き出した
〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜
「......................相変わらず誰もいねえよなぁ、ここ」
「いいではありませんの、うるさいよりかはマシですわ」
「というか、みんな屋上行けること知らないんじゃないかしら?」
いつも通りガランとしている屋上の排気口の出っ張りに腰をかけて蒼井が用意してくれたお弁当を開ける
中身は至って普通ののり弁にきゅうりの浅漬け、それにコロッケという盛り付けだった
女子のお弁当としては色気のないものだが、アニメや漫画のように煌びやかな弁当なんてそうそう作れないのだ
そんなことを考えながらエルミーナはコロッケを口に運ぶ
「やっぱ普通にうまいなぁ、お前の弁当」
「お褒めに預かり光栄よ」
蒼井は基本的にめんどくさがって弁当をつくらず、購買ですますエルミーナを見かねて弁当を作ってくれるのだ
まあ、蒼井も忙しいため作ってくれるのはたまにだが
そんな気遣いの塊である蒼井の弁当を食べ進めていると
「ねえエル、.......あなたは今年の体育祭に出場しますの?」
エルとはエルミーナの愛称だ、名前が長いためよくこの名前で呼ばれる
「体育祭ねぇ、...........わからないけど、多分出場はしないかな」
勝てねぇし、とつぶやくエルを見て
「『勝てない』..........エルの『スキル』を使えば勝てるかもしれないわよ?.........『意味不明』さん?」
「.......................」
『意味不明』、それはこの学園における『スキル』や『魔法』の強さを表す階級の一つ
1番下が『無能』
1番上が『大賢者』
そしてエルがいる階級の『意味不明』はーー強さが測れない、または『スキル』の意図が不明のものに与えられる階級
『意味不明』はエルを含めてあと4、5人ほどいると言われている
エルの『スキル』は強さが測れない方の部類に入る、基本的に発動はしないーー発動してはいけない『スキル』だ
そんな『スキル』でも、体育祭では主に1V1の対人戦には全く意味がない
むしろ全く戦闘系の『スキル』ではないため体育祭では全く出番がない
そんな『役たたず』の『スキル』を持っていても何もいいことはない
「..............何度も言っただろ、俺も『スキル』は戦闘系の『スキル』じゃないんだ」
「いつもそれだけではございませんの、いつになったら私たちにその『スキル』を明かしてくれるんですの?」
「...................この『スキル』が発動する時があったら説明したやるよ」
そんなふうに、日常では『絶対にない』ことを条件にはぐらかした
主人公の設定
フェルト・A・エルミーナ
階級 『意味不明』
身長 153〜156cm
髪色 金
眼色 蒼色
見た目と声は金髪ロングの女子にしか見えないが、制服が男物であることと、仕草や口調が男っぽい所から性別不詳と見られている(学園に本当の性別を知っている人はいない)