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_.俺たちの行く末
俺は夕暮れの丘の上から王都を見下ろす。
光の都ルクセント。夜が来ようとこの都が光を失うことは無い。しかし、それも今日で最後だ。
「ねえタイチ、本当にやるの?」
横でラウラが最後の意思確認をする。
当然だ、と俺はうなづいた。これまでの全てが、今日のためのものだったのだから。
夕闇の中で、おぼろげな輪郭がいくつも現れた。人間のもの、獣のもの、シルエットは人間だが大きさが明らかに異なるもの。
それらが丘を覆い尽くし、次の俺の動きを待つ。
俺はゆっくり手を挙げた。進み始める合図だ。
さあ行こう。力も姿も関係ない。必要なのはただ気持ちだけ。その気があるならついて来い。新しい世界を見せてやる。