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〈閑話〉王国守護騎士名誉顧問 アルバ

アルバ目線です よろしく


ワシの名は、アルバ…アルバ・ドラバーン


ナインアール王国の守護騎士だ。


年老いたワシは… 謁見の間で、頭痛を押さえていた。 


原因は… 城に現れた勇者だ。謁見の間には王を待つ勇者… セルフィナ王女と王室親衛隊数名、さらに王女の側近数名。

 

ワシの孫娘で王女の側近のイザベルが警戒心の籠った眼で勇者を見つめている。 


その姿に何故か?カナエ殿を思い出した… その日、ワシは… 動かぬ左手を庇いながら【旅人】迎える準備をしていた。


導きの泉に続く石段の前で、待っていると… 誰かがゆっくりと降りてくる。小さいな?子どもか?降り終えるのを待って声をかける。


「王都は初めてかな? 小さな旅人さん」


「はい、初めてです」


優しい声で、返事が返ってくる。うむ、賢い子のようだ。ワシの姿を見て…驚き固まる子どもに詫びながら名乗ると? 向こうも詫びながら名を教えてくれた。


子どもの名は、カナエ。


カナエ殿に、蒼のギルドへの道のりを説明中に… カナエ殿はワシの左手に気付く! やはり、賢い!


【神託】の対応に追われている間に、王は… 見習い騎士だけの低級討伐を強行!


運の悪い事に中級も多数いた… ワシらが着いた時には、かなりの被害で…ワシも見習いを庇い、左手に石化をくらった。


幸い死者はいないが、状態異常や重傷が多く出た。見習い達を優先して治療し、薬不足に…ワシは治療を先伸ばしにした。


それを聞いたカナエ殿が、ワシの治療を買って出てくれた。 


半信半疑で左手をカナエ殿に見せる。すると左手がぼんやり光った! 暫くして…光が消えたのを確認した。カナエ殿は…


「うん♪ 治療完了ですね。お大事に♪」


おお!左手が動く。カナエ殿に礼を言うワシに…城から知らせが来た!! 


ワシはカナエ殿に騎士の信頼の証である【エンブレムプレート】渡して騎竜を呼ぶ!


騎竜に驚くカナエ殿に、イザベルの幼い日を想い出し…頭を撫でた。撫でながら… 蒼のギルドの場所教えると、カナエ殿は戸惑いながら返事をした。その姿は、先より幼く見えた。


「また、逢おう」


騎竜に飛び乗り言うと、カナエ殿は…大きく手を振ってからお辞儀をした。 


その姿は幼子のようで愛らしかった。


ワシは手を上げて応えると!? 付き合いの長い騎竜も、カナエ殿を気に入ったのか? 一鳴きして城に急ぐ!


城に着くと… 騎獣などが使う為の中央離発着所で!? 騎士逹と勇者一行が睨み会っている。 


どうやら、勇者一行は無礼者の集まりらしい。緊急以外で王に、行きなり会える訳なかろ… 勇者は賢さが足りないらしい。


苛立った勇者が聖剣に手をかける! 場に緊張が走る。不味い! ワシが身構えた瞬間。


「勇者殿!王がお会いなります。どうぞ、こちらへ」


王室筆頭執事が勇者に声をかける。


「最初から、会わせろよ」


「申し訳ありません… 急な事で支度に手間どりました」


掴み掛かる勢いの勇者に、軽く礼をして執事が詫びる。どうやら… 王は勇者に興味を持ったらしい。先日の討伐など… 最近の王は、おかしい。


謁見の間で、王国の前途に一抹の不安を感じながら… 王を待つ。


視界に緊張気味のイザベルが見える。イザベルが見たら、気に入るだろうな… 


あの娘は小さな可愛い物に眼が無い。子猫のような、カナエ殿に。また、逢うために… この難局を乗り越えなくては!


あの優しい小さな【旅人】に、災いが降り掛からないように祈りながら…王を待った。


しかし、カナエ殿に比べて… この勇者は小者に見える。まるで…絵に描いたような貴族の馬鹿息子…気にいらん!!


はぁ~… カナエ殿に会いたいの~




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