原始の機神のコア…… はじめての戦いに歓喜する?
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『この野郎がぁ!!』
邪神機化したプロトワーカーこと【エボルシフトバース】の右腕部が鋭い刃を伸ばし、ドラゴニックギアに斬りかかる。
『喰らうと思うな! おかえしだ!!』
左腕部を刃の付けねに差し込む様にして、ドラゴニックギアがエボルシフトバースの斬撃をはね除けると…… 回転してドラゴンテイルを叩き付ける!
『ぐあ!?』
ラリアットの様な形で、ドラゴンテイルを叩き付けられたエボルシフトバースが吹き飛ぶ!
(フム…… これは…… カナエとモナに感謝しなくては、ならんな)
ドラゴニックギアのコックピットで…… 原始の機神のコアは、はじめての感覚に打ち奮えていた。
この星に流れる前……
月を超える全長の機体していた原始の機神のコアは、その巨体さ故に戦う事は無かった……
本人に戦ったと言う意識が無かった……
原始の機神は、この宇宙より遥か彼方の外宇宙で誕生した……
金属の大地とオイルの海の星…… その地に芽生えた意識集合体が彼だ。
その意識集合体には、異世界の知識が宿っていた。
その知識とは…… 機械の身体を持つ者達の記憶……
この世界の創造主から渡されたであろう知識……
その再現に長い時間をかけて、何時しか強大な鋼の機体ができた。
何かに導かれて……
その機体で生まれた星から…… 銀河を旅立つ。
銀河から流れ着いたのは、創造主達が作った蒼き惑星だった……
『この機体では…… この星にいられない』
人が小蠅や蚊を払う様にして、原始の機神が魔物を払うと……
惑星ネオアースから1つの大陸が大海の底に消えた……
現実世界のアメリカ大陸の東海岸から西海岸に届くほどの超巨体な全長。
その1歩や1振りが…… 地表に大きな痕を残す。
その痕に…… 原始の機神は、ネオアースから月の裏側に移動した。
創造主が話してくれた……〝少女〟と出逢う事を夢見て、長い眠りに就いた。
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モナの作った新たな機体で戦いながら、原始の機神のコアは……
初めての感覚に打ち奮える……
(この感覚は…… これが…… 歓喜と言う感情か…… なんとも言えん感覚だが…… 今、我の…… 生まれには、意味があると実感した)
創造主がとある少女の目覚めを信じ、我を生み出し……
その少女の弟子が我の機体から生まれた技術で、我の新たな機体を生み出した。
『これが存在意義と言う物か…… 今、我の長い時代は…… 無駄では無かったと答えを獲た』
『何を訳のわからない事を言ってやが!?』
反撃に出るエボルシフトバースの踏み込んだ右脚部に…… 狙った様にミサイルが撃ち込まれる。
『悪いが…… あの子等には、この後に大事なイベントがあるのでな…… お前は、我等が打ち倒す』
ドラゴニックギアの後方で、フリーアークBBがエボルシフトバースをロックオンして羽ばたく。
その構図は…… 2大怪獣対悪の巨大ロボの様な感じだ。
エボルシフトバースが遠隔誘導型攻撃兵器と捕食機関付きの触手で攻撃に出る。
『よくもまぁ…… ゲテモノ仕様にしてくれたわね』
フリーアークBBが遠隔誘導型攻撃兵器を撃ち落とし、ドラゴニックギアが捕食機関付きの触手を切り払う。
『離れてないで、殴りやすい距離に来い』
切り払いながら触手を掴んで、ドラゴニックギアがエボルシフトバースを勢いよく引き寄せると……
『スタンインパクトパンチ』
引き寄せられたエボルシフトバースの腹部に、ドラゴニックギアの紫電を纏った左のボディブローがめり込む。
『グギャア!? この…… クソがあ!!!』
巨大な蟹のハサミの様な外部武装を振り上げて、エボルシフトバースが反撃に出るが……
『遅い!!!』
エボルシフトバースの一撃を避けながら、ドラゴニックギア胴を回転させて……
『グハァ!?』
蹴り上げて、ドラゴンテイルで地面に叩き付けた。
『おのれ…… こいつでも喰らえ!?』
腹這いになったエボルシフトバースは、背面ブースターユニットから遠隔誘導型攻撃兵器を飛ばそうとするが……
『させん!!!』
ドラゴニックギアが踏み付けると、エボルシフトバースの背面ブースターユニットを掴んで…… 力任せに引きちぎる。
『があ!? 離しやがれ!!!』
エボルシフトバースが残った触手を振り回し、背面を踏み付けているドラゴニックギアを払い退けては、転がりながら距離を取る。
『む? 再生能力か?』
エボルシフトバースの引きちぎられた背面ブースターユニットや触手などの部分が…… 沸騰したマグマの様に泡立っては、再生を始めた。
『邪神機化の追加特性かな? ますますゲテモノ仕様になっているけど……』
『フム、それにしても…… なんとも中途半端な再生だな』
エボルシフトバースの破損部は、ブクブクと泡立っては…… なかなか治らない。
『エネルギーか素材不足なんじゃない?』
『ならば、再生する前に叩くとするか』
『やすやすとやらせるかぁ!!!』
エボルシフトバースが触手を盾にし、遠隔誘導型攻撃兵器を飛ばす。
『遠距離攻撃に切り換えた…… 再生するまでの時間稼ぎか?』
『このままでも、私達の方が有利だけど…… 待ちに入ったわね?』
『ああ、邪神星の最接近を狙っている様だ』
『なら……〝アレ〟をやりましょうか?』
『良いのか? 邪神星イベントに参加できんかもしれんぞ?』
『プロトワーカーを止められるなら…… それで良いよね? みんな?』
『『『『『『『おう(はい)!!』』』』』』』
フレディの問いに、フリーアークBBの乗組員が応え頷く。
『ならば、我も応えるが…… 良いか?』
『コアさんに任せるよ』
ドラゴニックギアの内部で、待機中のモナ達も力強く頷いた。
『よし…… ゆくぞ、我が兄弟機よ! ネオ・マギナゼウスエンジン…… リミッター解除…… 胸部装甲展開……』
『フリーアークBB! ドラゴンコネクト! 咆哮砲の全セイフティー解除…… 全フェザープロテクター起動!』
『ドラゴニックギアのマギナゼウスドラゴンカノンと、フリーアークBBのドッキングを確認…… 全動力部のフルコネクトを確認…… ネオ・マギナゼウスエンジン…… フルスロット!』
触手を盾に再生しながら、遠隔誘導型攻撃兵器を展開していたエボルシフトバースの前に……
胸部に蒼き鳥を連結した機龍が立つ!
『させるか!!!』
その動きから砲撃だと予測したエボルシフトバースは、遠隔誘導型攻撃兵器を飛ばすが……
『射線上に特殊空間湾曲フィールド形成……』
合体したドラゴニックギアとフリーアークBBの前面に形成させた空間湾曲フィールドが、その動きを空間に捕らえる。
『全艦、対ショック体勢! 全動力120%チャージ…… トリガーを預ける』
フリーアークBBのフレディの前に銃型の発射トリガーが現れると、フレディが両手で確りと掴み……
「ふぅ~……」
深く息を吐いて…… 構えた。
『龍鳥共鳴…… 咆哮砲…… フルブラスト…… ファイヤ!!』
フレディがトリガーを弾いた瞬間…… 龍と鳥を象った光が1つの閃光となって、エボルシフトバースを飲み込んだ。
その閃光は……
接近していた邪神星にも突き刺さった。
次は、やっと邪神星イベント本編の始まり…… かな?
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後……
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