ダンジョンの大図書館にて…… クランの先輩プレイヤー【ユキ】参戦と天に向かって地下ドワーフ国を目指す?
何時も、誤字脱字報告ありがとうございます。
「もうすぐわん…… です」
「気を付けてにゃ……」
「二人とも、今は大丈夫よ」
「「ご主人様、申し訳ないです……」」
謎の組織が潜伏していたせいで、魔法国首都の地下ダンジョンが正常化したので……
マリーは、自分の守護騎士たる使い魔の〝人化した〟ベビーコボルトとベビーケット・シーを召喚したが、守護騎士としての教育を受けている二人は、語尾の矯正に必死の様だ。
「この先が大図書館の入り口よ」
「ちょっと待って…… 誰かいるみたい」
「あっ! 来たね♪」
「「「「マコさん!?」」」」
「あなた達が、カノン君にカンナちゃんとモナちゃん?」
「ユキさん!?」
「あの……」
「「「誰ですか?」」」
「ツグミちゃんとマリー様達以外には、初めましてかな? トイボックスのクランメンバーの【ユキ】です。よろしくね」
魔法国首都の地下ダンジョンの大図書館の前で待っていたのは、クラン【トイボックス】のメンバー、マコとユキだった。
「ここが…… 大図書館……」
「スゴい…… 壁、全部が本棚だ……」
魔法国首都の地下ダンジョンの大図書館の中は、常に増える知識を蓄える為に空間が拡張される仕組みで、その内壁は壁一面の本棚に隙間なく本が並ぶ。
「で、何を捜すの?」
「エミリー師匠の話では、金庫を捜す様にって言われたけど…… 図書館に金庫ってあるのかな?」
「禁書庫の事かしら? ゼロード様の話では、多種多様な禁書も集められてるらしいわよ」
「でも、その禁書庫って…… 何処?」
広過ぎる図書館に…… モナ達は何処を捜すのか?と、困り果てる。
「定番だと…… 地下かな?」
「本棚に隠し扉のパターンもあるよね?」
「ねぇ、あの中央の本棚って…… 螺旋階段じゃない?」
ユキが指差す図書館の中心では、螺旋の様な形状の本棚が回転していた。
「確かに…… 階段みたいだけど」
「下かな? それとも…… 上かな?」
「二手に別れましょうか?」
相談の結果…… 下の方には、モナ、マコ、カノンが調べに、上の方には、カンナ、ツグミ、ユキ、そして、マリー様と守護騎士達が向かう事にした。
「金庫だ! こっちが正解だったかな?」
本棚の螺旋階段を降りたモナ達は、巨大な金庫の扉を発見した。
「どうやって開けるの?」
「確かに、データの中にパスワードが…… ミニダーズ、お願い!」
『了解、パスワードを入力するよ♪』
モナの肩から分離した1体のミニダーズが、金庫の扉に張り付くと……
ガシュー…… ギイィー……
古びた金属音を立てて、金庫の扉が開き始めた。
「これは……」
「中にも金庫がいっぱい?」
『モナまま、どうやら…… 貸金庫らしいよ』
「貸金庫?」
「大事な物を預けたりする金庫の事だね。あの娘達が何かを預けてるのかな?」
『データの検索…… 貸金庫番号と一致するデータを発見…… モナまま、こっちだよ♪』
ミニダーズの案内で、モナ達は1つの金庫の前に来た。
『この金庫だよ♪』
「ここに隠し工房へのヒントが……」
「はやく手に入れて、みんなと合流しましょう」
「そうだね。モナちゃん、頼むよ」
「うん…… ミニダーズ、開けて」
『了解、パスワードを入力するよ♪』
ガッコン……
ミニダーズがパスワードを入力すると…… 音を立てて金庫の扉が開いた。
「これは……〝鍵〟?」
金庫に入っていたのは…… 大きな金属製の古びた鍵と1枚の紙だけだった。
「紙に何か書いてあるよ」
「あっ、本当だ! え~っと……」
紙に書いてあったのは……
【私達のデータを受け取ったあなたへ】
この金庫に入っていた鍵は、地下ドワーフ国の私達の工房の鍵です。
私達の工房は、地下ドワーフ国の外れにあるのですが…… ドワーフ国からは行けない場所なので、先ずは〝天界〟の龍に会いに行ってね。
その龍に工房への道を示す物を預けたから、受け取って下さい。
P.S、龍から物を受け取とるヒントは、データの中に……
と、書いてあった。
「次は天界で龍に会うのか……」
「と、とりあえず、合流しようか?」
「そうだね…… 行きましょう」
・
・
・
「で、何でカンナとツグミちゃんが正座してるの?」
大図書館の入り口に、モナ達が戻ると……
「図書館内で暴れたからです」
大図書館前で正座したカンナとツグミに、ゼロード様とユキがお説教中でした。
「だって……」
「あんなの居たら……」
「「ボス戦だと思うもん!」」
本棚の螺旋階段の上は、本当に禁書庫だった様で……
年齢指定の禁書があるからと、入り口のゴーレム禁書番に止められたカンナとツグミが、ゴーレム禁書番をボス戦と勘違いして…… 図書館内で大暴れした様です。
「図書館で静かにしましょう!」
「「ごめんなさい」」
ゼロード様とユキに絞られたカンナとツグミを連れて、モナ達はダンジョンを後にした。
「次は天界ですか…… 神国の霊峰を登らないと行けませんね」
「神国かぁ…… カノンとカンナは注意しないとかな」
「「僕たち(私たち)?」」
「なんでもないよ(とりあえず、カナエお姉ちゃんに連絡しとかないと…… かな?)」
カナエのストーカーの本拠地の神国を通る事に、一抹の不安を感じるユキだった。
図書館では、お静かに……
次は、霊峰に登る為に神国に…… かな?
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後……
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