怪奇!? 魔法国のダンジョンに潜む邪悪!!〝神の戦士〟怪人カメレオンアントとスパイダーバット登場
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「またやったのね」
「「「「また?」」」」
門に吊るされたミノムシめておんを見て、マリー様が呟く。
「あれは、〝めておん限定刑罰の吊るし法台の刑〟よ」
モナ達にマリー様が説明していると、遠くから此方に飛んで来る群が見えた。
「あれは…… ワイバーンかしら? 丁度良いわ。どうゆう刑罰か見ていれば解るから」
マリー様がめておんを指差すと……
「お~い、めておん。仕事だ」
城壁の上で、ガイがめておんに声をかける。
「あの群か…… ワイバーンの群…… なら、素材で減刑できるかも♪ メテオレイン!は…… ダメだよね…… ならば、ライトニングブリザードストーム!」
めておんが呪文を唱えると、魔法国の首都に向かっていたワイバーンの群を〝雷と氷の嵐〟が襲う!
「おっ? ちょっとは考えたかな…… だけど、魔力の込め過ぎ…… あれじゃあ素材がズタボロだよねぇ……」
ガイの横で、めておんの魔法を見ていたチャドが呟く。
「はぁ~…… まだ暫くは、めておんの監視が続くなぁ……」
めておん限定刑罰〝吊るし法台の刑〟
吊るし法台の刑とは、めておんが魔法国内で殲滅魔法を放ち大規模な損害を発生させた時に、その損害分を労働で還元する刑罰である。
この刑罰の労働とは、擂り鉢状になっている魔法国首都はダンジョンの一部に作られた都市である為に、そのダンジョンから発せられる魔力等で……
時より、強力な魔物が外部から現れたりするので、その魔物達を〝吊るし魔法砲台〟として、門等に吊るされためておんが撃退するのが主な労働である。
なお、この刑罰は…… めておんが出した損害分の魔物を倒すか損害分の労働日数が過ぎるまでは、めておんは門に吊るされたままである。
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~ 時間が少し戻って、モナ達が盗賊団討伐に来た魔法機兵団と盗賊団の戦闘に遭遇した頃…… ~
「あの3機…… フェアリー工房製? いや、まさか…… フェアリーガーデンの機神!?」
モナは、マリー様が乗る妖精型機神とそれを守護するガール型機神が複製量産型では無く、フェアリーガーデン製のオリジナル量産型機神の特別カスタマイズ機である事に気付いた。
マリー様の乗る妖精型機神は、マリー様の魔法の師でもある御先祖の初代魔法国国王【ゼロード・フール】の願いで、ゼロード・フールの愛機だった【ウィザード】の改修機神【ジャンヌ・ワイズマン】を基にした追加武装ユニット【ストライカーウィザード】を武装しており、その見た目は魔女っ子の様な姿をしていた。
護衛の守護ガール型機神2機は、追加武装ユニットは通常の【騎士】の推進装置を追加したカスタムタイプだったが、基本機神に追加の〝犬ミミと猫ミミ〟のセンサーユニットがそれぞれに追加されて、それに合わせた〝尻尾〟…… テールユニットが追加されていた。
「チィ、こいつらの相手は後だ! あの戦艦を奪うぞ!」
幌無しのホバートラックに乗った盗賊達が、モナ達の大型タンク機神改修戦艦に向かって来たが……
「盗賊達が来たよ!」
「了解、睡眠煙幕弾発射!」
モナ達が乗る大型タンク機神改修戦艦から、煙幕弾発射されると……
「くそぅ、煙幕…… か……」
「うっ…… 眠気が…… まさか! この煙幕が……」
煙幕に入った盗賊達の意識が眠りに引っ張られて、動きが鈍り出すと……
「続けて、電気捕縛網発射!」
「ぎゃあ!?」「がぁ!?」「いっ!?」
こうして、モナ達の戦闘を奪おうとした盗賊達が一網打尽になった頃……
『エレメントショット!』
マリー様の一撃で、最後の盗賊機神が倒れた。
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「盗賊討伐のご協力、感謝します」
モナ達は電気網で捕まえた盗賊達を引き渡すと、犬ミミが生えたマリー様の護衛騎士と同じ様に猫ミミの護衛騎士が頭を下げた。
彼女達は、カノンとカンナの匂いを覚えていたのだ。
それを見て、マリーアンは確信する。
〝カナエとジノの子供達〟だと…… マリーアンと護衛騎士のベビーコボルトとベビーケット・シーは、赤ん坊だったカノンとカンナに会った事がある。
その時にマリーは誓った。自分が助けられた様にカノン達の力になろうと……
そして、モナ達から魔法国の図書館を調べたいと事情を聞き、首都に連れて来たのだった。
「話に聞いた限りだが…… そのサイボーグの少女が出入りしていたのは、地下の〝大図書館〟じゃな」
首都に着いたマリーは、初代魔法国国王ゼロード・フールに図書館ついてたずねると……
「彼処には、ダンジョンの魔力を使い新たな知識を常に集める機能がある。マスター権限で利用者を遡ったが…… 同じ時に二人のサイボーグの少女が通い詰めて居った」
「では、地下ダンジョンを攻略する事になりますか?」
「うむ…… このところの邪神星の影響でダンジョンが活性化しておる。わしの知らぬ魔物が居ても不思議では無いからの…… 気を付けよ」
初代魔法国国王ゼロード・フールの忠告に、みんなが頷くと…… 大図書館を目指して、魔法国首都地下ダンジョンに入った。
「ここが…… 魔法国のダンジョン……」
「おかしいわ……」
「マリー様?」
「狂った魔導兵がいない…… このダンジョンで1番遭遇する魔物なのに……」
「ダンジョンが変化してる?」
「でも、ダンジョン自体が変化したなら、いくらなんでもゼロード様が気付かないはずがないわ…… きゃ!?」
「マリー様!? マリー様が糸に!」
「糸? 蜘蛛の魔物!」
「いや…… コウモリの羽がある人型の魔物だ」
「ねぇ…… あれって……」
「仮面のヒーロー!?」
蜘蛛の糸の様な物でマリーアンを捕まえたのは、コウモリの翼を持つ人型だった。
そして、その人型が向かう先には、仮面のヒーローの姿があった。
「見事だ。スパイダーバット」
「ふっ、目的の物は手にした…… 後は、目撃者の始末を頼むぞ仮面のヒーローよ」
「くっ…… 何で、仮面のヒーローとマリー様を拐った奴が仲良く話してるのよ!」
「知らないけど……」
「けど? けど何?」
「あのヒーローって…… 怪しくない?」
「言われて見れば……」
「「「「怪しい……」」」」
「くっ、五月蝿い! 死ねぃ!? な、身体が動かん!」
モナ達に怪しまれた仮面のヒーローが、モナ達に襲いかかろうとした時、仮面のヒーローの身体が凍る!
「カメレオンアント!」
「へぇ~、偽者ヒーローはカメレオンアントって言うの」
「なっ、何者だ!?」
仮面のヒーローとスパイダーバットと呼ばれた〝怪人〟の後ろに、白いローブのフードを深々と被る人物が現れた。
マリー様を捕らえていたスパイダーバットが、突然現れた人物に叫ぶ!
「ただの通りすがりのクマカジャーよ……〝もうじゅうチェンジ!〟」
白いローブの人物の姿が、【クマカホワイト】に変わるのだった。
次は、二人は、クマカジャー…… かな?
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後……
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