鍵は図書館の中に…… そして、冒険の準備へ
何時も、誤字脱字報告ありがとうございます。
「魔法国の図書館ですか?」
「ああ、記憶データの中に魔法国の図書館があいつ等のお気に入りだと解った。その事からも、あいつ等の隠し施設に繋がる何かがあるはずだ」
「宝探しなどの遊びが好きな娘でしたからね」
あのサイボーグの少女から、ミニダーズが託された記憶データを解析した結果……
サイボーグの少女のマスターであるプレイヤーが、魔法国の図書館に〝新世界からその姿を消す〟まで出入りしていた事が判明した。
このプレイヤーと師弟の関係にあるエミリーとエナの見解から、魔法国の図書館に彼女の隠し施設についての何かしらの秘密を隠したと考えたのだった。
「次は魔法国ですね」
「でも、その前に旅の準備だな……」
「旅の準備ですか?」
「あの数のプレイヤー達が偶然で、モナ達の前に現れたと思うか?」
「また襲撃される恐れがありますね……」
「またあれをやるのぉ…… やだなぁ~」
あの戦場での生産地獄を思い出し、モナの顔に影か降りる……
「だからこそだ!〝コイツ〟をくれてやるから、お前達の脚にしなぁ」
「これは…… あの時の大型の可変タンク機神と謎の戦闘機?」
「謎の戦闘機って、フェアリーバードの事か? コイツは妖精型のシルフに小鳥型獣機神の機能を持たせた可変妖精型試作機、の先行量産機だ」
「可変型の妖精機神……」
「試作機は動力の問題で、ほぼ専用機扱いでなぁ」
謎の戦闘機ことフェアリーバードの試作機には、〝パイロットの魔力を変換して動力と攻撃の出力を上げる試作魔導コンバーター〟を積んでいた為、フル可動するには上位の魔法職と同等の魔力を持たないとならない欠陥があり……
その為、モナに譲渡された先行量産型には性能が下がる従来の〝周囲から微量な魔力を収束して動力に変換する魔導コンバーター〟を搭載された。
それにより先行量産型は…… 試作機の出力と攻撃を棄てる代わりに、乗り手を選ばなく可動持続力が高い機神になったのだった。
「近くで見ると…… やっぱり大きいですね」
そしてもう1つの機神は…… 機神祭でカタリーが買い占めた、〝あの35メートル級のタンク型機神〟だった。
「コイツは家の製品じゃないんだが…… 積載能力も中々で多少の悪路も苦にならないし、戦闘も可能な運搬車と思えば…… 旅の足に持って来いだろう?」
「つまり…… この2機を使って旅の準備をって、事ですか?」
「ああ、今のお前の力量を計るのに丁度良いから、好きにやって見なあ」
そう言われて…… モナは2機の機神を手に入れたのだった。
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~ 新世界運営開発室 ~
「なるほど…… その子が〝W.R〟の機神開発者で、機神の権利者なのね?」
『ええ…… W.Rの起業時に各パーツの権利は設計者にって、話し合いで決めた様です』
「そうねぇ~ 新世界での起業には、特別弁護士団にプレイヤーの不利にならない契約をしてもらっているし」
『でも、その権利とも言える機神の開発データをサポートユニットに託したのが、気になるんだよ。ねぇ…… 調べてくれないかな?』
「ふむ…… 確か、中学生の女の子だったよね? 受験で引退の可能性は…… 利権を棄てるには低いわね。私もちょっと気になるから、調査する事にするわ」
『お願いします…… 事件せいが無いと良いけど』
「ええ、早急に調査を依頼するわ。それじゃあね」
『はい、くれぐれもよろしくお願いします。では、また』
新世界から消えたサイボーグの少女プレイヤーについて、現実世界での消息についての調査が開始されたのだった。
「未成年者の有名機神メーカーの設計者か…… 彼女の保護者はどうしてるのかしらね?」
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「このフェアリーバードを使ったら…… カノンくんのリクエスト作れないかな? となると、大型の方は…… 各部を分離可変させれば…… カンナちゃんとツグミちゃんの機神も…… よし、がんばる!」
フェアリーガーデンの機神プラントの隅で……
モナが、大型タンク機神の前で設計データと睨めっ子していたが……
あのPKプレイヤー達との大乱闘で、実戦から獲た大型タンク機神の問題点を、サイボーグの少女から託された開発データを参考にしながら、分解して改修を始めた。
「このままだと加速力が弱い? スラスターを追加して…… はっ! その追加スラスターをブースターユニットにして…… それに強化アームユニットを内蔵すれば! あっ、でも…… コントロールできるかな?」
大型タンク機神を分割して、それぞれを武装メカに分離変形する様にしたが……
「アームズチェンジシステムを利用しての分離合体…… でも、一人で動かせるかな?」
何時もの妖精型の追加武装ユニットは…… せいぜい1.5から3メートルくらいしか無いが、大型タンク機神から分離変形した武装メカには、10メートルを超える物がある。
「オートパイロットシステムよりも、もう一人…… 武装メカのコントロールと合体後に、システムを制御する人が乗って欲しいかな……」
この時のモナの苦悩は、意外な方法で解消される事になる……
そして……
「それじゃあ、魔法国に向けて…… 発進!」
モナ達4人の子供は、魔法国へと改修した大型タンク機神を発進させた。
それぞれのバディ〝精霊獣〟を4匹連れて……
次は、モナ達が魔法国で〝あの方〟に会う!?…… かな?
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後……
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