他のプレイヤー達は…… 新世界にて夢を追う者達と乙女ゲー系聖女ヒロインプレイヤー?
何時も、誤字脱字報告ありがとうございます。
~ とあるクランの秘密工場 ~
「くっ…… 強度が足りない!」
「やはり無理か」
「フレームの素材を変更しては?」
「それでは価格が跳ね上がってしまって、量産化の意味が無くなるぞ」
「こうなると…… もっと小型化して材料費を削っては?」
「何度も言ったが、動力部の小型化はこれ以上無理だ! それよりも、変形機構を廃止するべきでは?」
「既に他にもあるただの35メートル級機神を誰が欲しがる? 輸送車としても使えるなどの多機能性は、運営に持ち込む営業部としては…… 絶対に必要だ!」
「とりあえず…… 一旦、まとめるぞ?」
熱く議論していた一同が頷く。
「先ずは…… 我々が開発した新型魔導動力部を運営に売り込む為に、それを組み込んだ量産型機神を製作する事にしたな?」
一同は、うんうんと頷いた。
「でだ、新型魔導動力部の大きさから…… 量産型機神のサイズが最低でも30メートル級以上になる事が判明、そのサイズならば通常の機神より可変型機神の方が良いと判断して…… 特殊車両に変形する変形機構を組み込んで試作機を製作した」
「で、今日完成した試作機の試運転時に強度が足りずに…… フレームが破損して大破と……」
その言葉に、一同が頭を抱える。
「や、やはり、試作機一機だけでも採算性を考えずに作って見ては?」
「その意見には賛成したいが……」
「素材の確保がなぁ……」
「俺達…… 弱小クランだから、自力で素材集めも無理だし……」
「買い集めるにも…… その手の素材は、専属のバイヤーが大手クランに優先的に流してるからなぁ……」
「もっと変形機構を簡略化出来ないか?」
「簡略化…… 人型を諦めては?」
「どう言う事だ?」
「例えば…… そう! 脚部を特殊車両のままにするとかは、どうでしょうか?」
「俗に言う…… タンク型って奴だな」
「しかし、それでは運用地形が限られるのでは?」
「その場合は…… 浮かしては、どうだろうか?」
「ふっ…… ホバータンクか…… 嫌いでは無い」
「私は! むしろ好きですけど何か?」
「では?」
「ああ、諸君! 我々の量産型機神は下半身をホバータンク型とする! 設計班はフレームの再設計を、残りは…… 素材の確保だ! 可能な限り集めるぞ!」
「「「「「「「おォォォォォ!!!」」」」」」」
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~ 十神学園のとある教室 ~
「どうしよう…… ディーン様とトッシュ君との予定がブッキングした~」
「だからぁ~ 一人にしとけって言ったよね?」
「だって…… せっかくの職業〝聖女〟で、称号が〝ヒロイン〟だよ! そうなったら普通は逆ハー狙うじゃない?」
「いやいや、ここまでリアルだったら狙わねぇよ。どう考えてもバッドエンドしか無いだろうがぁ」
とあるクラン一同が量産型機神開発に明け暮れてる頃……
十神学園の空き教室では、頭を抱えた女子学生と友人が居た。
「どうすれば……」
「もうさぁ~ どちらか一人にするか、両方諦めたら?」
「いや! この学園のイケメンは私の物よ! どっちかなんて選べない…… むしろ選ばない! 私は両方獲る!」
「はぁ…… あんたが聖女なのがそもそもの間違えね」
「言ったなぁ! 死んだら気を付けなさい。今度、あんたの死体をオークの巣に放り込んでから、蘇生してやるんだから!」
「ちょ、なに薄い本みたいな事しようとしてんのよ! この外道!」
「ふっふっふっ…… 聖女の私がパーティーにいるから、蘇生の制限時間が長いものねぇ」
「思い出した…… あんた、この前…… それを利用して、私のゾンビ作ったでしょ?」
「あっ、あれは…… アンデッド対策に聖魔法の練習したのよ」
「だからって、私をゾンビにするなぁ!」
「いや、あれは…… ネクロマンサーのスキルを使てみたいって……」
「あのクソメガネか!?」
「ふっ…… 気付いたか」
「出たわね! マッドクソメガネ!」
「酷いなぁ…… 僕はただこの世界の知識を深めたいだけだよ」
「その為に…… 何時も私で実験するなぁって言ってんのぉ! だいたいあんたは魔法使いだったでしょうが?」
「ふっ、魔法使いの基本は押さえた。今は聖職者からネクロマンサーさ!」
「聖職者から!? 闇落ちしてんじゃん! だから、私で実験するなぁって言ってんのぉ!」
「ふっ、だが断る!」
「はぁ!?」
「もう~ 相変わらず(好きな娘にはドS)なんだから……(いやならブラリに入れたらいいじゃん……)あんたもドMよね?」
「へっ!?」「ふっ……」
この3人は、中学校からの腐れ縁だった。
幼馴染みの男女二人に、その男女の女子に引っ張られて中学校から女子が一人加わる。
天真爛漫に思い付きで生きる聖女の【ユルルル】
その幼馴染みで知識欲に忠実な魔法使い系の【アイン】
その二人に振り回される魔法双剣士の【サリナ】
「ああ~ めんどくさい! 3人で冒険行こう!」
「ちょっと!? ディーン様とトッシュ君は?」
「ふっ、問題ない…… 既に二人は対策済みだ」
「えっ、マジで? 流石はアイン♪」
「ああ、ユルルルの本命はサリナだと広めて置いた」
「ちょっ!?」
「押しの好感度が!? おのれ…… アイン…… この怨みは本当にサリナとユリユリしてくれる!」
「「!?」」
ユルルルがサリナに抱き付くと…… サリナの敏感で弱いところを刺激し始めた。
「ちょっ!? あん…… だ、だめぇだって…… こらぁ…… あっ、あぁっん……」
「ユルルル……」
「何よ。アイン?」
「グレイトだ。二人の好感度を上げる手伝いは任せろ!」
「アイン…… 屈折し過ぎよ」
「ふっ、お前とは違い。僕は生涯の愛する伴侶は一人と決めているからな。その人のどんな一面でも僕は愛する事が出来るのだ。そう! 例えゾンビだろうとなぁ!」
「くっ、変態の癖に顔面偏差値超高くて超優秀なのがムカつくけど…… 将来的に世話になりそうなので(サリナとの事は)応援するわ」
「ふっ、先の働きに応じて、耳寄りな情報を提供しよう…… どうやら、機神に使える素材アイテムが高騰している様だ。冒険するならばその辺りの素材が狙い目だな」
「機神かぁ…… よし、決めた♪ 素材アイテムを集めて私専用の可愛くて強いの作ってもらうわ! そうと決まれば……」
ペチン!
「あぅん!?」
「サリナ! 何時までも惚けて居ないで、行くよ♪」
息も絶え絶えのサリナの尻を叩いて、ユルルルは走り出す……
その光景を見ては…… アインのメガネが鋭く光り親指を立てるのだった。
そのメガネの下で…… アインの顔はとても嬉しそうであった。
「さあ! 行くよ♪」
「こらぁ! ユルルル! 待ちなさい!」
「ふっ、羞恥に怒る姿も…… 良い」
3人は、賑やかに冒険へと向かうのだった。
次は、間に合えば…… エイプリル閑話かな?
ご意見、ご感想とレビューをお待ちしています。
後……
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