激戦!? 獣の女王VS鬼女の姫武者
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『む、その動き…… 同じ操作システムか?』
クイーンが目の前に立つ妖精型機神の動きを見て、他の機神との違いに気付いた。
「同じかどうかは知らないけど…… 私達の機神は特別なのよ」
機械的では無い滑らかな動きで、刀を構える妖精型の侍機神の背に……
『うむ、やはり……〝あの方〟の匂いがするの』
クイーンには、妖精な混沌神の幻影が見える様な気がしていた。
「あの方? モナの事?」
『モナ? なるほど…… あの方の加護を受けた蒼人が作りし機神か、ならば!』
クイーンの機神の特殊武装装甲ユニットが展開する!
『ライガーの真の力を…… 見せるに値する相手だと言う事じゃ!』
展開した武装装甲から伸びた〝鋼の爪〟が、ツグミ機を襲う!
『くっ!? ちょっ、凶器攻撃じゃない! プロレスなら反則でしょう!』
迫り来る鋼の爪攻撃を刀で弾きながら、ツグミが抗議するが……
『リング上で無いから、プロレスのルールは関係無いの。それに、刀持ちに言われる筋合いは…… 無い!』
『チィ!』
クイーンの両手足から繰り出される爪撃に対し、刀1本で挑むツグミ機が、徐々に装甲に傷を付けられ始める。
『ふむ…… 通常の量産型と武装以外の違いは、あまり無いようじゃの』
ツグミ機の鎧甲冑型の武装装甲ユニットを削り取る様にして、クイーンの猛攻が続く!
『関節などの可動域も量産型と変わらぬか…… ふむ、あの方の加護持ちとは言え…… まだまだ未熟者の様じゃな』
『この! モナを馬鹿にするな!』
『何!?』
クイーンの猛攻を掻い潜り、ツグミの刀が鋭い突きを放つ!
『…… その刀…… 中々の業物じゃの』
ツグミの放った突きを、クイーンが機体の胸部装甲にかすめては、バク転で距離を取り…… かすめた突きで刻まれた傷から、ツグミの刀を警戒している。
「モナは…… がんばってくれたんだ…… スキルのLvも低いのに、私達の無理に一人でがんばってくれたんだ…… そのモナが作ってくれたこの機神は……」
ツグミは、モナの手伝いをしたガルジとテッシンに注意されて、初めて知った……
初心者に機神の改良の難しい事を……
(だって、モナは…… 私が手も足も出ない装備を作れるんだから)
機神も簡単にできると、そう思っていた。
「いいか、ツグミ。機神を弄るには…… それ相応のスキルLvと知識と経験が必要不可欠なんだ。儂等だって、ちょっとした改良に数時間かかる事もあるからの…… モナの嬢ちゃんには、ちゃんと詫びて感謝するんじゃぞ」
(うん、お父さん…… 感謝してるよ。だって)
『強いんだぁ!!』
ツグミ機の背面の装甲が展開して急加速する!
『な!?…… ぐう!!』
急加速してツグミ機のショルダータックルを受けて、クイーンの機神が弾かれた瞬間!
『まだまだ!』
空中に弾かれたクイーンの機神に向かい、ツグミの追撃斬撃が放たれた!
『くっ、やばいの!』
クイーンが両手足の爪で斬撃を防ぐも、空中に斬撃で弾かれては、急加速で距離を詰められて…… クイーンの方が防戦一方になりそうだったが……
『鋭い太刀…… じゃが!』
『くっ!?』
ツグミの斬撃をすり抜けて、クイーンの蹴りが放たれた!
『機神と自身の動きにズレがあるの』
ツグミ達の機神は…… イベントに間に合わせる為に、リクエストされた特殊武装など以外は、量産型をそのまま使用している為に……
関節部などの可動域が狭く、ツグミ達の動きを完全に再現する事できていない。
『惜しいの…… 機神の性能がもう少しだけあれば…… 今の攻撃で、我を倒せたかもしれん』
『それでも……』
『うん?』
(解ってる…… 私が1番〝下手〟なのは…… カノンやカンナみたいに機神を動かせないのも…… だけど!)
『モナが用意してくれた〝切り札〟で、私達が勝つ!』
ツグミの宣言と同時にクイーン向かい、地面から攻撃が飛ぶ!
『な!? これは……〝糸〟か?』
飛び退けたクイーンの居た場所に、機神サイズの糸玉ができる。
「行くよ……〝みんな〟」
ツグミが刀の切っ先をクイーンに向けると、地面から1メートル級の〝スパイダー〟達が現れる。
そのスパイダー達は……
モナが最初に放ったミサイルレインに紛れて、モナ機の格納庫から地面に放った〝土蜘蛛型スパイダー〟達だった。
「さあ、お母さん直伝の〝操糸術〟の力…… 特と見よ!」
ツグミ機の腕部武装装甲が展開すると…… 中から〝特殊スパイダー〟が現れる。
『その武装…… お主の母の名は?』
『千鶴だけど?』
『なんと!? 鬼の娘もまた鬼か……』
目の前に迫るスパイダー達とツグミ、その背後に映る千鶴の幻影に……
クイーンは冷や汗が止まらないと感じるのだった。
(これは……〝弟と妹〟に挨拶できぬかもしれんの……)
カノンとカンナに声をかけれずにイベントが終わる……
(それは…… 嫌だの……)
そんな事を考えながら、クイーンは構えるのだった。
次は、カンナVSキング…… かな?
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後……
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