〔閑話〕カノンとカンナは、新世界…… 経験者? そして、ツグミは…… 〝ドワーフと鬼人〟の子!?
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくです♪
~ モナがフェアリーガーデンで生産してる頃…… ~
「此処が…… トイボックスのクランハウスの冒険屋か……」
「カノン…… 何かねぇ…… 変なんだけど……」
「カンナも?」
「「何か…… なつかしいよね?」」
カンナが吹き飛ばした迷惑プレイヤーに、モナが潰されたあの騒動の後……
コアの指示で、気絶状態のモナを冒険屋に運び込み部屋に休ませて、カノンとカンナは冒険屋を探索していたが……
「何だろう…… 見た事がある気がするの」
「ぼくも……〝この子達〟と遊んだ様な気がする……」
何時の間にか、カノンとカンナの回りには〝精霊獣〟達が嬉しそうに飛び交う。
「おいで…… すご~い♪」
カンナが差し出した手には、精霊獣が次々に挨拶する様にして、顔を擦り付けたり舐めたりしている。
「くすぐったいよ…… もう~♪」
隣にいるカノンの肩にも、羽の生えたリスとウサギが乗って、カノンの頬に嬉しそうに顔を擦り付けていた。
精霊獣達はカノンとカンナに……〝おかえり〟と、挨拶に来たのだ。
カノンとカンナが冒険屋に来たのは……〝始めて〟では無い。
カノンとカンナは…… 早産で未熟児として生まれた。
二人の母は…… 小柄な女性で、さらに〝ある事情〟から身体が少し不自由だった為に……
双子を普通に出産する事が困難で……
計画的に未熟児として、安全に出産する事にしたのだった。
そうして…… 未熟児として生まれた二人は、保育器の中で母とは別に育てられる事になるのだが……
「こんな事もあろうかと、VR機能付き保育器を開発していたのよ♪」
と、新世界の開発者が用意していた〝VR機能付き保育器〟を使い、新世界で母と父に保育器から出るまで育てられる事になった。
「カノン様にカンナ様…… 立派に成長されて……」
母と父に抱かれ、新世界に現れた二人は……
母と父の仲間であるフェアリーガーデンとトイボックスの関係者達に、たくさんの愛情を注がれて育てられたのだった。
だから、カノンとカンナは…… 記憶に無くても感覚的に〝なつかしい〟と感じるのだった。
「あれ? あの子は……」
まるで祖父母の家に遊びに来た様な感覚を覚えながらも、カノンとカンナは〝ある人物〟を追って、冒険屋を歩くのだった。
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「まったく…… カノンとカンナは勝手にもう~!」
和風な鎧甲冑に刀を持つ少女は…… 仲の良い双子の姿を思い出してから、その双子が連れて来た人物の下へ急いでいた。
母の友の子供の双子は…… 誕生日では、半年以上は歳上なのに自分よりも幼い見た目だった。
兄と妹の双子…… 同年代の子達に比べると…… 落ち着いた兄と、逆に可愛い見た目なのに誰よりも活発な妹の双子の友人。
「どうせ、カノンやトイボックス目当てのプレイヤーでしょ!」
侍の様な武装をした少女【ツグミ】が、カノンとカンナよりも先に新世界を始めたのは……
「はやく一緒に遊ぶつもりだったのに…… ああもう~!」
カノンとカンナよりも、新世界になれて良い格好をしたいと言う…… 子供らしい理由だったのだが、カノンとカンナが自分よりも先に、他のプレイヤーに会って連れて来た事に…… 苛立つ心が押さえられなかった。
「エンお兄ちゃん達がいない時に…… 絶対に追い返してやるんだから!」
侍少女ツグミは、父と兄が作ってくれた愛用の刀に誓う。
「人斬り鬼女と言われた…… お母さんとお義姉さんの様に」
ツグミの両親は…… 新世界では〝ドワーフ〟の父は【ガルジ】と〝鬼人〟の母の【千鶴】だった。
歳の離れた兄【テッシン】と父【ガルジ】が用意してくれた刀と、母【千鶴】とテッシンの嫁で義姉の【イズナ】が鍛えてくれた技に絶対の自信を持ったツグミ。
そのツグミは…… カノンとカンナが連れて来た少女【モナ】を引っ張る様にして、戦闘訓練場に向かう。
「カノンとカンナは…… 私が守る!」
その自信が砕けるまで…… 後…… 数時間だった。
次は、通常回に戻る…… かな?
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後……
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