何時の間にやら…… モナ、トイボックスのクラン入団試験を受ける事になり…… はじめての戦闘する!?
何時も、誤字脱字報告ありがとうございます。
今年最後の更新です……
今年は、いろいろとありすぎましたが……
読んでいただき、ありがとうございました。
来年は…… みなさんに、よいお年が来る様に♪
~ トイボックスの戦闘訓練所 ~
「え~っと…… 何で?」
エミリーとエナの指導を受けて、はじめての生産をしていたモナだったが……
「兄ちゃん達がいないうちは、私がトイボックスを守る!」
モナの前には……
ショートヘアーで和風鎧甲冑と袴姿の少女が……
刀を構えて立つ!
「何で…… こうなってるのぉ~!?」
・
・
・
~ 数時間前…… ~
生産を終えたモナが、冒険屋の一室に戻り廊下に出た時に……
「あなたが…… カノンの連れて来た人?」
「えっ? え~っと……」
「ちょっと、来て!」
「あっ? ちょっ、ちょっと!?」
見知らぬ少女に引き摺られ先の戦闘訓練所で……
モナは、戦闘装備で立たされていた……
「カノン達は、始めたばかりだから知らないだろうけど…… このトイボックスって、クランはねぇ…… 新世界では、知らない人がいないくらいに有名で、入りたい人がいっぱいなの」
「はぁ……」
「だからね…… リーダー達がいない時に、新しい人を入れる訳にはいかないのよ」
「あの……」
「でも、カノン達が連れて来た人だから…… 不用意にカノン達に近付かない様に…… 私が貴女にトイボックスの実力を教えてあげる!」
「え~っと……(どうしよう…… カノンって、人も知らないし…… トイボックスって、クランも知らないんだけど……)」
「さあ、カノンに近付かない様に…… 私の力を見せてあげる!」
・
・
・
『これはいったい…… 誰が彼女達に模擬戦の許可を? 止めなければ……』
戦闘訓練所に立つ、モナと少女の姿にコアが驚いて止めようとするが……
「あたしが許可を出した」
『エミリーとエナ、正気か? あの子は初心者だぞ!』
「確かに初心者ですが…… たぶん、大丈夫ですよ」
『エナ? そなたは常識的だと思っていたが……』
「おいおい…… あたしに常識が無いって、言うのか?」
『失礼…… 言葉使い以外では、常識的だったな』
「ほっとけぇ! 主は可愛いって、言ったんだから良いんだよ! それよりも、あの子…… モナの奴は…… おもしろいぞ」
『おもしろい?』
「見ていれば解りますよ。モナさんは、主様の様に……〝ユニークな発想力〟を持ってますから」
『〝カナエ〟の様に…… だと?』
二人と1体?の視線が訓練所に立つ二人に向けられた。
「さあ、始めようか?」
構えた刀の切っ先をモナに向けながら、少女が始めの合図を待っている。
(どうしよう…… 今度こそ死に戻りかな? それとも、訓練所だから大丈夫なのかな? 敗けたら……)
あれこれ考え始めたモナは、ある事に気付く。
(そうだ!〝あの子達〟を起動しよう)
モナが自身の胸部に付いた〝盾の様な円形の物体〟に触れると……
ブーン…… ビー♪
円形の物体から起動音と模擬戦開始のブザーが、ほぼ同時に鳴った!
「いくよ!」
「ひぃ『モナ、しゃがんで!』!?」
迫り来る少女の斬撃を、咄嗟に聞こえた声に反応したモナがしゃがんで避けると…… ボン!?
「な!?」
モナの両腕と腰と背中の五ヶ所の円形の物体から大量の煙が出て、モナの姿が消えた。
『煙幕か?』
「こっからは、モナのターンだな」
「アレは…… 今の【ツグミ】ちゃんでは、防げないでしょうね……」
コアにエミリーとエナが、煙幕で見えなくなった訓練所の様子を伺うと……
ドドドドド……!と、言う…… 道路工事等でする様な掘削音が響く。
「そこか!?」
音のする方に、侍少女【ツグミ】が切り込むが…… 背面から不意打ちが来て、刀で何とか防いだ。
「うしろから…… くっ! 今度は横から同時に!?」
煙幕の中で…… 多方面からの多重攻撃にツグミは困惑する。
「そんな…… 同時にいろんな方から攻撃が来る!? まるで〝たくさんの敵に囲まれてる様に〟……」
ツグミの感覚は…… 正解を示していた。
『ヌ、〝アレ〟は…… 何だ?』
様子を見ていたコアが、ツグミを攻撃している〝物〟に気付く。
「アレがモナの〝最初の作品〟にして、モナのサポートユニット達だ」
『あの形状は…… モナが装備していたアーマーか?』
「ええ、モナが〝小型スパイダー〟を再設計した【ミニダーズ】です」
モナの身体に付いていた〝円形の盾の様な物体〟……
その正体は、子犬ぐらいの〝小型スパイダー〟を見たモナが、子供時に助けてくれたスパイダーを父母に欲しい願った時に、母が作ってくれた平べったいぬいぐるみスパイダーを元に再設計して作る事にした……
【ミニスパイダーズ】事、小型可変スパイダー部隊【ミニダーズ】だった。
まだサポートユニットを持っていなかったモナは…… スパイダーの学習型サポートAIを搭載し、自身のサポートユニットとして登録したのだった。
「この!? いない…… くっ、またうしろから!?」
そんな事を知らない侍少女ツグミは…… 多方面からの多重攻撃にやがて、力尽きて倒れてしまう。
『終了! 勝者…… モナ!』
ツグミが倒れた事で、模擬戦闘の勝者となったモナだが…… その姿は、見当たらない。
ボゴ…… ズズズズ……
煙幕の晴れた訓練所に、地中から〝謎の球体〟が現れた。
完全に地上に球体が出ると…… 球体が消えて、モナの姿が現れた。
『地中でシェルターを張っていたのか? うむ…… 初手からモナは隠れていたのか?』
「ああ、ミニダーズは、モナの安全を最優先するからな」
「あの子達は、モナさんが望まない戦場に、モナさんを放置する事はありえませんから……」
「ねぇ、お姉さん達…… あのロボットって、「あの子が作ったの?」」
何時の間にか、モナとツグミの戦闘を見ていたカノンとカンナに質問されたエミリーとエナは……
「ああ……」
「はい、あの子が作った作品ですよ」
「へぇ……」
「すごいねぇ、カノン」
「そうだねぇ、カンナ」
とっても嬉しく、涙を浮かべた笑顔で双子の質問に答えた後……
「「おかえりなさい…… また会えるのを…… 心から、待ち望んでいました……」」
と、双子に聞こえないくらいに…… 小さく呟くのだった。
次は、書けたらですが…… 閑話になるかも? ですね。
ご意見、ご感想とレビューをお待ちしています。
後……
ブックマークに誤字脱字報告と、この下の広告の下にある評価の星付けも…… お願いします。