最終章 妖精少女の夢は月光に…… 新世界を優しく煌めき照らす編 邪悪な胎動
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「どうだ?」
「失われた下半身の機械化には成功した…… 拒絶も無い」
「ようやくね……」
「ああ…… 絶対なる神が、再び我等を導いて下さる時が目の前に」
「しかし…… 我等の神が絶対なる神になるには、懸念がある……」
「ああ…… この新たな器の元となりし……〝堕ちた聖人〟の傷…… 我等の力を用いても復元出来ぬ下半身…… それを付けし者か……」
「あの〝なりそこない〟が言っていた……〝妖精〟か?」
「神に傷を付ける者…… 神殺しの力を持つ者のか?」
「我等の神の敵だな……」
「計画を…… 進めましょう」
「ああ、我等が絶対なる神に、相応しい神座を……」
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魔神達が新たな動きをする中…… 帝国の玉座にて、幼い皇帝が笑う……
「もうすぐね」
「うん、ようやく会えますね♪〝父上〟」
「ええ…… 私達の可愛い〝ボウヤ〟……」
横に立つ妖艶な女性に、幼い皇帝は…… 長い時を〝そのままの姿〟で過ごして来た少年の顔で、無邪気に笑った。
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~ フェアリーガーデン ~
「とりあえず、地上のアバターアクセサリーをほぼ制覇したので……〝月〟に行きたいと思います!」
この処、アンからの依頼もあり…… アバターアクセサリーの収拾をしていたユメは…… 月に行こうとしていた。
「突然ですね。旦那様に許可をいただきましたか?」
「だいじょうぶ♪ 何故なら……」
「俺も、同行するから」
せつな達に対して、月行きを告げるユメの横にジノが現れた。
「今回は、出産前に新世界での新婚旅行の月旅行です♪ これが本当のハネムーンです♪」
「と…… まあ、そう言う訳なんだ」
現実での新婚旅行は、ユメ(カナエ)の体調を考慮し、リハビリを優先するはずが……
予想よりも早い妊娠をしてしまい、二人だけの新婚旅行は現実的にも不可能なので……
二人は、新世界での月旅行をする事にしたのだった。
「解りました…… そう言う事ならば、お任せ下さい」
ジノとユメ(カナエ)の事情を知るせつな達は…… 長い眠りの前の自分の動きが出来ずに、咄嗟の事に倒れたり疲れては苦しむあの姿を…… 現実の世界のメイドロイドの目から見ていたせつな達は……
「主様達に、素敵な旅を」
カナエの眷属達の心は…… 一つだった。
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~ 魔王の夜会 ~
「どうした? 王?」
「月か……」
夜会城から月を見上げる〝王の魔王〟は…… 月に何か言い知れぬ物を感じた。
「月ですか……」
「いいね…… そろそろ宇宙にも興味が出て来たからな」
「月だって、ぴょんちゃん♪」
「いい加減にしろぴょん! ぴょん…… 月で新たな魔物を仲間にしてやるぴょん!」
「月…… あの御方の手土産になる……」
こうして…… 魔王達も、月行きを決定した。
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~ 銀勇騎士団 ~
「月…… ですか?」
「そう、月だ。我が銀勇騎士団に月のサイボーグ勇者殿から指名で、模擬戦の依頼が来た…… 噂の〝獣人魔王に逃げられた弱い騎士勇者〟を鍛えてくれるそうだよ?」
「それは、随分と挑発的ですね……」
「家の処だけでは無く。勇者達を月に集めている様だ」
「他の勇者も……」
「で、君は…… 行くかい?」
「はい! 獣人魔王に逃げられた弱い騎士勇者の力…… その身に味合わせてやります!」
同じ頃…… 月の勇者により、勇者達も月に集まろうとしていた。
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~ 冒険屋 ~
「お月さま?」
「そう♪ お月さまに、お姉ちゃんとジノさんを影から護りに行きます!」
「影から? 何故だ?」
「今回、お姉ちゃんとジノさんは…… 旅行なの♪」
「「「「「旅行?」」」」」
「そう♪ 新婚旅行なのです♪」
「「「ああ……」」」
「しんこん…… なら、邪魔になるんじゃあ……」
「だからね♪ お邪魔にならない様に、お姉ちゃんとジノさんに新婚旅行を堪能して貰える様に……」
「先行して、月のモンスター達を倒すのか?」
「なら…… しょうがないわね♪」
「ええ…… 月に行くしかないわね♪」
「よし、何時も世話になってるからな。ジノさんとカナエさんの旅行を助けるぜ!」
「「「「「「おー!」」」」」」
こうして、それぞれの思惑が渦巻き…… 舞台は月に移るのだった。
次は、カナエ、月へ…… かな?
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後……
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