強化合宿キャンプを観察中に…… 混沌神は祭をしていた!?
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~ フェアリーガーデンの中庭 神々の箱庭 世界樹の下で…… ~
空中に浮かんだ複数の操作パネル画面に…… 楽しそうだけど、ちょっと悪戦苦闘したりしている十神学園の生徒達の姿が映っていた。
「今のところ…… 大丈夫みたいね?」
「はい、デンライさんと王国騎士団も待機しているので」
今回の強化合宿キャンプは、生徒達の試験と騎士団の訓練を兼ねているんで……
基本的に、私達教員は生徒達の行動観察が今回の役目になる。
「王国の監理区域だからね…… プレイヤー達と協力した軍事訓練も兼ねてるね」
「プレイヤーさん達ならば、万が一の想定も可能ですからね」
プレイヤー達ならば〝死に戻り〟が可能だから、失敗しても人員的損害は無いからね。
「超小型スパイダーで映像記録も残してるから、やることが無いねぇ……」
「余程の緊急事態以外では、生徒達の自主性に任せる方針ですからね」
試験の採点の為に必要最低限な映像記憶と観察を、眷属達が役目を志願してくれたので……
カナエは、暇を持て余していた。
「そう言えば…… アグラさんから〝遺留品箱〟が溢れかえっていると報告がありましたよ」
「またなの? 懲りないプレイヤーさん達だねぇ……」
「繁華街エリアでは、借金代わりに所持品を置いて死に戻るプレイヤーさんもいる様です」
「何してんの!?」
「モフモフ村以外は、ボス戦をする以外の脱出手段がありませんので……」
「おう……」
私の設計ミスでした……
「遺留品とかの回収ついでに、ダンジョンの改修します……」
「お願いします」
戦利品の回収とダンジョンの改修をしに、カナエはダンジョンの設定を操作する。
その横の操作パネルの画面には……
『うわぁ~!?』
カタリナ(カナエ)先生に絡んだ〝あの問題児〟達が映っていた。
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~ 神魔の森 ~
「ゴホ、ゴホ……」
「ゴホ、何で燃えないのよ!」
「ゲホ、ゴホ、煙しか出ねぇ」
「もっと、火力を上げようぜ」
問題児の4人は、森の奥の泉で焚き火をしようとしていた。
キャンプの予備知識すら無い彼等は…… 只でさえ燃えにくい木材になる神魔の森の樹木の枝をへし折り、よく乾かしもせずに魔法で火を着けたのだ。
「あ~もう! 火はいいから、テントの用意してよ」
「ゴホ、わかったから、テントを出せよ」
「えっ!?」
「えって…… テント、持って来てるよな?」
「テント、持って無い……」
「女子が、テントなんか持ってる訳無いでしょ!」
「ば…… バカ野郎! 今は女子も、一人キャンプするんだぜ!」
「野郎じゃないわよ!」
「ちょっと待って…… この中の誰も、テントを持って無いの?」
「「「………………」」」
神魔の森の奥で…… テント無しでの夜営が確定した4人だった。
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「これでよしと……」
「終わりましたか?」
フェアリーガーデンの中庭の神々の箱庭で、ダンジョンの改修設定を終えたカナエが背伸びをすると、横で生徒達の観察をしていた【せつな】が話し掛ける。
「うん、歓楽街の手前と中間…… それにボス部屋手前に脱出用の転移陣を配置して、遺留品箱に溢れていたアイテムと戦利品を転送したよ」
「こちらにですか?」
「今回は、記録係でフルオートだからね…… ついでにストレージの整理もするよ♪」
「かなりの量ですが……」
ダンジョンから転送された遺留品と戦利品の山を見て、せつなが呟く……
「細かい分類は…… スパイダー達、お願い!」
カナエの声に反応して、数多くのスパイダー達が現れると…… 荷物類の分類と移送を始めた。
「スパイダー達がいると…… 結局、する事が無くなるねぇ……」
忙しなく動くスパイダー達を見ながら、カナエもストレージの整理を始めた。
必要なアイテムと入れぱなしの素材アイテムなどを分けながら、カナエが置くと……
スパイダー達が分類して、移送した。
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~ 数時間後…… ~
「だいたい…… 片付いたけど……」
「思ったよりも……〝くじ〟がありましたねぇ……」
スパイダー達の活躍により、遺留品と戦利品、カナエのストレージの中身は、整理整頓されたが……
カナエとせつなの前には……〝くじ〟の山が出来ていた。
「フェアリーガーデンやダンジョンを作ってからは、欲しい物は自給自足出来たからね…… 引く必要が無かったから、貯まる一方だったね」
カナエ自身が報酬で手に入れたくじの数も多く、ダンジョンに訪れたプレイヤー達が落として行ったくじと同じくらいにあった。
「どうしますか?」
「遺留品や戦利品はとにかくとして…… 引いちゃうか♪」
「良いのですか?」
「暇だし…… 思い立ったら吉日! くじ引き祭って事にして、引く事にします♪」
「わー(パチパチパチ……)」
せつなのやる気無さげな拍手を受けながら、カナエがくじを…… 引いた!
「うわぁ~!? 眩しい!」
カナエが引いたくじから、眩い光が溢れ出す!?
「この光は……」
「すごいレアな…… 気がする♪」
眩い光が集束し光が何かを形作り、カナエの手に落ちて来た。
「こ、これが…… レアアイテムですか?」
「た…… たぶん?」
「どう見ても…… アレにしか……」
「アレだよねぇ……」
「「たわし……」」
「だね……」
「ですね……」
カナエの手の上で、光の塊の光が徐々に消えると……
現れたのは……〝たわし〟だった。
次は、くじ引き祭の続き…… かな?
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後……
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