ついに…… 奴等が動き出す!? 魔王クラン【魔王の夜会】登場!
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~ フェアリーガーデン 機神プラント内研究室 ~
「これは……〝魔法剣〟で、切断されたのかな?」
コールを受け、フェアリーガーデンに戻ったカナエは…… 勇者ロイド達が持ち帰った〝自爆した勇者ロイドの手足〟を調べて……
「驚いた…… こうも、見事に斬られるとは……」
カナエは…… 切断面と斬られた勇者ロイドのデータから、相手はプレイヤーの【魔王職】だと推測したが……
「魔王職…… しかも、二人かぁ……」
カナエが、悪徳勇者対策に放った勇者ロイドが…… よりにもよって、〝魔王〟を発見してしまうとは…… 頭を抱えたカナエが呟く。
「〝何か〟を運ぶモンスター集団に…… 現れた〝魔王二人〟…… これはもぉ~…… この付近に【魔王城】が在るって…… 確定じゃないの!?」
(最近は、勇者候補教育したりとかしているけど……)
本来ならば…… 魔王側の自分が、勇者を育て隠れた魔王の拠点を発見するなどの…… 勇者的な行動をしている事に考え込むカナエに、語りかける者がいた。
『マスター……』
「あっ、ごめんね! 直ぐに〝次の身体〟を用意するね」
語りかけたのは、自爆した勇者ロイドの学習型思考データだった。
「でも…… 今までの警備ロイドのカスタムボディでは、二の舞になるねぇ…… いっその事、今までのデータから……【真勇者ロイド】を作るか?」
『マスター…… その事について……〝私達〟から、提案……〝お願い〟がございます……』
「お願い? 私達?」
『はい…… 私達を……〝勇者パーティー〟にして下さい……』
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~ 商業連合小国の山中の奥深い魔境 ~
「何者かに見られたって!?」
「どうすんのよ!?」
「うるさいなぁ! 元はと言えば、【女帝】と【小悪魔】が門に拘るからだろう!」
「門の資材を運搬中に見付かったのかぁ……」
商業連合に所属する小国の山中…… 奥深い魔境に建つ城の中、五角形のテーブルを挟んで〝5人の魔王〟が話し合っていた。
「今のところ……【教祖】と【女帝】の結界に触れた者はいないが……」
「【才覚】さん、貴方の意見は?」
「【魔剣】さんと【教祖】さんの話だと…… 人サイズの機神が気になりますねぇ…… 私の情報網に、そんな物が存在する事すら上がって無いですから…… もしも、プレイヤーの作品ならば……」
「ならば?」
「私なら、報復するでしょうね」
「斬ったのは…… 失敗だったかぁ」
「しかし、魔剣さんの剣がダメになったんでしょ? その機神?って、なに製なの?」
「だからこそ、怖いのですよ。そんな貴重な存在を、惜し気も無く吹き飛ばした…… 人物が」
「まぁ…… 遅かれ早かれ、こうなる事態は解っていた事…… 信者達に任せた支部も、多数出来てきた…… いざとなれば、そちらに移れば良い」
「それに…… この【夜会城】は、噂の〝天空城〟にも負けていないからね」
「それについては…… 苦労しました~ ですが、此処が発見されるのも、時間の問題! 城の完成を優先しましょう」
「うむ、飾り付けは後回しだな」
「え~ もっと、かっこよくしたいのに~」
「しょうがないわねぇ…… その代わりに、後で、プライベートルームのランクアップしてよ」
「そこは…… 苦労して人数分以上に集めた〝アレ〟で、自分達でお願いしますよ」
「設定が面倒なのよ」
「わたしも♪」
「すまないが…… 俺も、頼む」
「間取りについては…… 専門外で……」
「仕方が無いですねぇ……」
こうして、魔境の奥深くで…… 魔王達による城の建設が、急ピッチで進むのであった。
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~ フェアリーガーデン 機神プラント内研究室 ~
「おね……カナエさま、〝この方達〟は?」
「この姿では〝初めまして〟…… 新たに作られた勇者ロイド…… 改め、【真勇者ロイド〝ユウ〟】です」
「勇者ロイド改め、【賢者ロイド〝マギ〟】です」
「同じく…… 勇者ロイド改め、【弓兵ロイド〝ヨイチ〟】です」
「私は、【聖騎士ロイド〝ローエン〟】です」
「守護と救護用のカオスロイド……【僧兵ロイド〝ナオ〟】です」
「えっ、人では無いのですか!?」
「正解、自爆で身体を失った勇者ロイドに、新しい身体を作る事にしたんだけど……」
「マスターに、〝成長強化出来る身体〟をお願い致しました」
魔王と遭遇した勇者ロイド5体は、魔王との戦闘データを解析し……〝新たな身体〟の原案をカナエに提案した。
「良いね! 作るよ♪」
こうして、カナエ達のアイディアも組み込まれて行き…… それぞれの専門分野に特化した、新たな〝勇者パーティー〟に生まれ変わったのだ。
「では…… さっそく、魔王の調査に……」
「あっ、待って~」
「どうしました? マスター?」
「ちょっとした実験…… かな? ロッテ、勇者ロイドが自爆した地点を中心に広範囲でスキャンして」
『了解しました』
勇者ロイドが自爆して出来たクレーターから…… さらに奥地に、カナエは〝違和感〟を感じた。
「そこかな? ロッテ、レールキャノン用意…… 撃て!」
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ドッゴォーン!!!
「うぎゃ~!?」
「な、何が!?」
「超高高度からの狙撃…… まさか!?」
「宇宙からか!?」
勇者ロイドを破壊された腹いせに…… 小妖精月から砲弾を撃ち込むカナエでした。
次は、魔王達と勇者達…… かな?
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後……
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