実は、けっこういました……
何時も、誤字脱字報告ありがとうございます。
最高神様達から聞いた。邪神になった光の眷属神の情報を、ジノさん達に話すと……
「話を聞いた感じだと……」
「たぶんな……」
「間違いないと思う……」
ジノさんとデンライ君、レオン王は、〝何か〟を確信した様に言った……
「邪神の王、光の眷属神になった勇者は……〝転生者〟だな」
「転生者……ですか?」
「ああ、有名な緑人やプレイヤーの一定数が持つ隠し称号の1つで、王国内の緑人にも数人いるよ」
「けっこう…… いるんですか?」
「プレイヤーの中には〝転移者〟って言う称号もあるし、一定の条件下で前世の記憶を思い出す事が起こる事で、称号が付く場合もあるみたいだ」
「転生者と転移者…… ですか……」
「一般的に緑人の場合は…… 幼い時から称号持ちだと、スキルが多かったり、一部ステータスの上がりが高かったりするらしい」
「一定の条件下で称号が付いた場合は?」
「その場合は、スキルが増えたり、ステータスの一部が変わる事もあるみたいだね」
「プレイヤー場合は、チュートリアルの後で称号が付いた通知が来て、設定してないスキルを覚えていたり、ステータスにボーナスが付くらしい」
「死にかけて、称号が付いたプレイヤーの話だと…… 戦闘職なのに薬剤師の知識が頭に浮かぶ様になって、調合系のスキルを覚えたらしい」
「アイツか? 確か…… 今は、攻略クランの戦闘隊長になってるはずだ」
最前線で…… 戦いながら、隊員に回復薬をバラ撒いている大人気隊長らしいです。
「転移者の場合は…… チュートリアル後に称号通知が来て、何かしらの神の加護とその神に関するスキルと成長ボーナスが付くらしいが……」
大概は、望んだボーナスが来ないので、死にスキルになる事が多く……
狙う人は少ないらしいです。
「成長ボーナスが狙った物なら強いが…… ガチャ以上にギャンブルだからな」
「それよりも、望んだ称号を取った方が速く成長するしねぇ……」
「現代知識を得ても…… 実際に新世界に転生や転移した訳では無いからなぁ……」
現代知識が欲しいなら、ログアウト中に調べられるから微妙らしいです。
「ちょっとだけ…… 魔法が効率的に打てるのと、武術系スキルが取りやすくなるぐらいかな?」
古代の緑人達の中なら英雄なんだろうけど…… プレイヤーの蒼人が増えた今では…… 種族の成長誤差くらいの差らしいです。
「まぁ…… 少なくても、邪神の王は〝現代人〟並みの思考をするって事だな」
「プレイヤーの様なボスキャラクターですか……」
「厄介な奴だな…… これは、ちゃんとした勇者を育てないと…… ヤバイかもな」
ジノさん達が…… たぶん?ラスボスの邪神を考える中……
私は……
(ひょっとして…… エンダーさん、転生者か転移者?)
フェアリエとブレイブの製作者の白衣の女性を思い出していた。
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~ フェアリーガーデン 機神プラント ~
「お姉様、〝この方達〟は…… いったい!?」
機神プラントの実験室で、〝ある物〟を製作中の私(エナと憑依合体中)の元に……
闇の眷属神から混沌の眷属神になった女神が〝ある者〟を抱きしめて現れた。
「お姉様呼びやめて~…… そして、巫女ちゃんを離しなさい!」
混沌の眷属神の胸には…… へばり付いた混沌族の巫女幼女がいた。
「むにゅむにゅの…… ぷりぷり……」
ぐったりしつつも…… 満足げな笑顔で親指を立てた巫女幼女は……
ガックン……
「巫女ちゃん…… 巫女ちゃん!?」
混沌の眷属神の胸に、顔を埋めて気を失いました……
その顔は…… 良い笑顔でした。
混沌の眷属神は、長い封印から解放された反動か…… 私を離さないので、可愛いベビー系眷属を身代り(生け贄)にして逃げていたら……
小さいけど、私と同じ様な姿になる巫女幼女ちゃんにロックオンしました。
「可愛いから、可愛がりたいのは解るけど…… 程々にね」
悲しそうに、シュンとした光の最高神と瓜二つの女神を叱りながら、巫女幼女ちゃんをレイに渡し…… 作業に戻る。
「それで…… おね、カナエさま、〝その方達〟は?」
「私が思う……〝勇者と仲間達〟を再現してみたよ」
「勇者と仲間達ですか…… あの…… 人サイズのゴーレムか機神にしか……」
「正解♪ 量産した警備アンドロイドを元に、一般的な勇者と仲間達の行動を再現したアンドロイドを作ってみたよ」
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「おい! 魔物に困ってる村は…… 此処か?」
「どちら様ですかな?」
「この辺りの魔物を倒している勇者御一行だ! 魔物を倒してやるから、報酬を寄越しな!」
「あの~……」
「何だ? 速くしないと、次の村に移動するぞ? がっははは」
「この辺りの魔物は…… 討伐されました」
「はあ!? 何だと?」
「ですから、この辺りの魔物は討伐されて…… いませんが」
「だぁ、誰がやった!?」
「旅のお方達です。最近、魔物が活性化したから倒していると……」
「またか…… 何処のどいつだ! 俺達のシマを荒らす奴は!?」
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~ 少し離れた山中 ~
フルメイルの騎士の様な姿をした者達が…… 魔物を打ち倒していた。
『目標を駆逐…… 辺りの索敵を継続……』
騎士達は…… 黙々と、魔物を殲滅して行く……
時に村で人々を助け、盗賊達に襲われてる馬車を助け……
騎士達は進む…… その歩みを止めずに……
それは…… まさに、人々が求める〝勇者〟の姿だった。
『脚部に…… 損傷……』
「はいはい♪ パーツの交換と魔導具の補充ね♪」
騎士達は〝その身〟を交換して、役目を果たす……
カナエが理想とした……〝無償なる勇者〟を体現する為に……
後に…… 噂になる〝正体不明のボランティア勇者パーティー〟の戦いは…… 始まったばかりだ。
次は、カナエが放ったロボット勇者が〝あの者達〟と…… かな?
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後……
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