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古代超巨大戦艦攻略イベント 魔王幼女マコとスレイヴの勇者達と狼魔王の心


何時も、誤字脱字報告ありがとうございます。




『敵モンスター…… 戦力低下』


重力魔法で砂漠に落とされた超巨大戦艦から、大量に湧いていたモンスターの放出が減って来た。


「モンスターは…… 打ち止めかな?」


「うちどめ?」


「あの中にいた悪いモンスター達は、もういないかも…… って事です」


「おわったの?」


「まだだよ。あの中の悪い人をどうにかしないとね」


外部のモンスター達が片付いたので、超巨大戦艦の内部の攻略が始まる様です。


『我等も、行くぞ!』


「お待ちなさい! ウー、貴方はマコさまを乗せて、後方ですよ」


「マコちゃんは、まだ走れないんだから、敵陣内での先行は危険だからね」


『敵陣へのルート確認…… 三ヵ所からの突入が可能です』


「モンスターが出て来た穴と戦艦の上の城塞の入口…… そして、上空ですね」


『上空からが速そうだが…… あの砲撃は面倒だ』


「ウーちゃん?」


『マコの安全が第一だからな……』


「ありがとう♪ ウーちゃんだいすき!」


『当たり前の事だ……』


お礼を言って首に抱き付くマコに、ウーが素っ気なく答えたが、尻尾は…… 千切れんばかりに全力で振れていた。


「フフ…… ウーも、ああ言っているからね。1番安全そうなルートで入ろうか?」


「「はい」」


『フン…… で、何処から入るのだ?』


「グリちゃん?」


『1番安全なルートは……』


 ・

 ・

 ・


 ~ スレイヴ首都 とあるクランハウス ~


「やってくれるな。この国の王様は、ようぉ!」


「国自体が戦艦とは…… 流石に、予想外だな」


「だけど、チャンスだよね」


「あん? どう言う事だ?」


「我々がスレイヴ側にいる事ですか? しかし、難易度設定のせいで私の家畜は…… ご覧の通りですよ?」


「モンスター達は、弱体化した…… けどね。ぼくら、プレイヤー達には関係無い」


「なるほど……」


「つまり、スレイヴ側のプレイヤーで…… この〝やさしい〟のサーバーにいるのは、15歳未満の【ぼく】がいる……」


「俺達…… スレイヴの勇者クラン【愉快犯】だけか…… お前の保護者設定をクラン単位にしていて正解だったな」


「ぼくらにとって、スレイヴほど自由な国は無いからね。スレイヴが、この世界を支配したら…… もっと、楽しめる♪ そう思うでしょ?」


「ああ……」


「ならば、私達は…… スレイヴの勇者として、この国を守る事にしましょう」


「よし、スレイヴの勇者クラン【愉快犯】出るぞ! ガキと初心者に、この世界の本質を教えてやりな」


犯罪者集団クラン【愉快犯】…… 自由度が売りの新世界で、犯罪行為に意義を見出だしたプレイヤー達のクランの中でも異質な存在感を放つ……


だた愉しそうだったから…… その一言で、始まる行為は…… 子供の悪戯Lvから~レイドボス戦中のクラン達を巻き込む自爆モンスターを送り込むなど、その犯罪行為の幅は広い。


その行為の中心人物には…… 常に発案者の少年とその兄達の姿があった。


「リアルじゃあ…… 出来ない犯罪こそが…… この新世界の〝愉しさ〟だと、教えてあげるよ。だれかが言うでしょ? 人が嫌がる事をやりなさい…… ってね♪」


少年と兄達、愉快犯のクランメンバー達が笑う。


「愉しい…… カーニバルの時間だ」


 ・

 ・

 ・


 ~ スレイヴ城塞内部の街 ~


「静かですね……」


「エリちゃん?」


マコ達は相談の結果、逃げ場の無さそうなモンスターを放出していた穴と砲撃が飛び交う上空を避けて…… 街の入口からスレイヴに入った。


「私達よりも、先に突入した人達がいたはずです…… その方達は、どうしたのでしょうか?」


『…… 見てる者達がいるな……』


視線を感じたウーが警戒している。


「この感じは…… そう、スレイヴにもいるのね……」


「カナちゃん?」


「マコちゃん…… ウー、どうやら…… マコちゃんと貴方の天敵がいるみたいよ」


『魔王種たる我とマコの天敵だと…… まさか!?』


「勇者がいるわ……」


『くっ!』


「ウーちゃん?」


ウーの動揺を感じて、マコが不安そうに声を掛ける。


『マコ……』


ウーの頭に、マコとの出逢いが浮かぶ…


自然発生型の魔王種【狼魔王フェンリル】のウーは…… ウルフの群れに生まれた。


生まれながらに魔王種のウーに、生んだ母ウルフと群れのボスだった父ウルフがひれ伏し…… ウルフの群れで、ウーは孤立した。


魔王種としての存在感が…… 周囲のモンスターにも伝わり、ウーをさらなる孤独に追いやる。


『つまらぬ……』


身体もあっという間に成長し…… ウーは孤独を紛らせる為に、自分にひれ伏すウルフの群れを離れた。


群れから離れて見た世界は…… ウーには、綺麗に見えたが……


すぐに色褪せる…… 好奇心のままに歩くウーに対し、ある者達は襲い掛かり…… また、ある者達は逃げ回った。


その様子を見ている内に……


魔王種のウーにとって…… 世界は〝襲って来る者〟と〝逃げる者〟の二つになっていた。


『つまらぬ……』


やがて…… 進む事に飽きたウーが深い森で遺跡を見付ける。


『此処ならば…… 弱き者が向かって来ぬか……』


ウーが遺跡をねぐらにしようと近付くと…… 不思議な者達を見た。


『人族か?』


幼き子供を抱き上げて歩く少女の姿が目に止まる……


『何故だ?』


抱き上げられた幼き子供のキラキラとした瞳に、引き寄せられた。


「あっ、大きないぬさん♪」


その幼き子供が…… マコだった。


 ・

 ・

 ・


「ウーちゃん?」


不安そうに、我を呼ぶマコの声がする……


『大丈夫だ。マコは、我が…… いや、我等が守るからな』


マコを独占出来んのがシャクだが…… マコの瞳が曇らぬ様に、新たな群れで守る!


我は、ウー…… マコを守る狼の魔王よ。


狼とは、群れる者だからな!




次は、スレイブ勇者達と戦闘… かな?


ご意見、ご感想をお待ちしています。


後…


誤字脱字報告と評価の星付けも、お願いします。



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― 新着の感想 ―
[一言] スレイブの勇者って時点で1000%おバカさんだと思ったが今度はクソガキか( :゜皿゜) そして狼魔王ウーお前は男や( ̄ヘ ̄メ)
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