桜吹雪に蝶の様に舞う… 魔王(にせもの)は殲滅だ! 知らない内に… 再会してました。
「刃妖一体!」
『『我等に斬れぬ物…… 無し!』』
私が【神格化】した事で【刀化】した巴にも、影響が……
巴の刀化が【聖魔刀 巴鬼桜】から……【神・聖魔刀 葵御前朱天巴桜】に変わってる!?
(葵御前に朱天って…… あおいちゃんとシュリちゃんの事かな?)
『マスター! 来ます!』
5メートル級の花魁魔王が斬り掛かって来る!
「はぁ…… チェスト!」
呼吸を整えて…… 一振り! 花魁魔王が打ち合った刀の切っ先からきれいに…… 縦に真っ二つになりました!?
「うっ…… 自分に似た姿が真っ二つ……」
鯵の開きみたいな感じになった…… 自分の姿の魔王に嫌悪感を感じながらも、二体目を斬る!
「斬った物が残ってる…… 吸収再生出来ないって事かな?」
『マスターの攻撃で発生した損壊が再生不能なのでしょう。敵、本体の縮小を確認…… 効いています』
う~ん…… 確かに効果的なんだろうけど…… 自分の姿の死体量産し続けるのは…… ヤダな。
はうりんぐで【ゴスロリタイプ】を射ち貫きながら、考えてると……
『マスター、マスターと巴姉さんの相手の欠損発生効果が私達の攻撃に反映されました。その事から、【刀華】の使用を提案します』
「【刀剣召喚】、【刀華羽翼】システム機動! 武装融合!」
『クローゼットオープン……【刀華ユニット】ドレスアップ!』
クローゼットから現れた【金属の華】が……【翼型ユニット】に変形して、フェアリエの背に【刀】の翼を与える。
そう…… その翼の羽は…… 刃! 羽の一枚一枚が形状変化を持つ【ソードビットユニット】で有る。
「舞え…… 千刃の風!」
『天翼風刃!』
「あたれぇ~!」
意思を持つ刃の羽が魔王に襲い掛かる!
『いぃぃやぁぁぁ!!! 私のお姉様達がぁぁぁ!!!』
『ヤバイぞ! 本体に当たるな! 分体で何でも出して盾にしろ!』
『ギャアァァァ!!?』
魔王達が刃の風に切り刻まれて塵と消える…
「残るは…… 本体のみ!」
分身体を出し過ぎたのかな? 20メートル以上有った巨大魔王は…… 8メートルまで縮んで補充の魔王も現れない? 打ち止めかな……
『ちょっと! 近付かないでよ!』
『せめぇんだから、しょうがねぇだろうが!』
『剣こわい剣こわい剣こわい剣……』
狭くなった魔王の中で、ストーカー達は仲良くケンカ中? 変態裸兜は精神崩壊してない?
『マスター、トドメを!』
フェアリエの言葉に私は…… 躊躇した。
下手な倒し方だと…… 魔王の死体が残る。つまり、8メートルの私の姿の死体が残る事になる…… それは絶対にヤダ!
「どうし…… おい、何のつもりだ……」
躊躇した私の目の前で…… 魔王の姿が変わった…… その姿は…… あの【スク水エプロン】姿のスク水無し…… つまり、【裸エプロン】だった!
ブッチン!
「塵も残さず…… 消えて無くなれ!」
光速で魔王の懐に潜り込んだフェアリエが…… 魔王の顎にサマーソルトキック!
魔王が空高く舞い上がる……
「逃がさない!」
神眼で聖女と帝国勇者の居場所を特定、切り離す!
「フェアリエ、はうりんぐ、【全力全開】!」
『アオゥーン!』
『了解!【フルブラスターモード】展開』
刀華ユニットが変形して、はうりんぐと合体。フェアリエの背に蝶の様なエナジーウィングが現れ…… フェアリエの倍の大きさになる。
合体してランチャーモードになった、はうりんぐの銃口に…… 桜吹雪や蝶に様に見えるエネルギーが螺旋を描きながら集まる!
「【銀の荊拘束】!」
心臓部を切り抜かれた魔王を銀の荊が縛り上げる!
『エレメントサーキット…… ファイナルロック解除!「【ゴッドフェアリーブレイカー】!!!」』
はうりんぐランチャーから放たれた閃光が魔王を包み込む…… フェアリエの蝶の様なエナジーウィングがさらに拡大してフェアリエが空中を踏み込む!?
「この世界から… 消えて無くなれぇぇぇ!!!」
閃光が広がり魔王は消滅した……
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「ちきしょうがぁ……」
「あん、お姉様❤」
「剣こわい妖精こわい獣こわいヒーローこわい……」
心臓部から、拘束されて引きずり出された聖女と帝国勇者と変態裸兜…… は再起不能かな?
「そりゃあ…… この短時間であれだけミンチされたらな」
行動不能から回復したデンライ君が…… 変態裸兜を見て呟く。
「何を他人事みたいに、一回目はお前だろうが」
飽きれ気味にジノさんがツッコむ。
「クソ! ログアウト出来ない!」
帝国勇者が暴れ出した…… ログアウトして逃げようとしたの?
「無駄ですよ」
「GMのお姉さん!?」
GMのお姉さんが現れた!?
「来たか」
「ご連絡ありがとうございます」
片手を上げるジノさんにGMのお姉さんが挨拶して、帝国勇者に向き直ると…… バッチーン!
GMのお姉さんが帝国勇者の頬に平手打ち!
拘束されたまま…… きり揉みしながら吹き飛ぶ!?
「ようやく見付けた…… よくも、私の【親友】を突き飛ばしてくれたな! この誘拐犯が!」
吹き飛んだ帝国勇者が顔面スライディングで着地する中……
「え…… 今…… 親友って…… うぐ!?」
困惑する私をGMのお姉さんが抱き締める。髪を伝って雫が落ちて来た…… 雨?
「ごめん…… ごめんね。【あの時】助けてくれたのに…… 助けられなくて……」
泣いてるの…… そうか…… 近くで見守っていたんだ……
気付いたら…… 私も、ちょっと【寝坊し過ぎた】内に泣き虫になった…… 親友の胸で泣いていた。
次は、後日談か… その頃のクマカジャー… かな?
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後…
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