デンライと暗黒騎士… そして、カナエと魔王(にせもの)
ギン! ギャン! ギギ……
「てめぇ…… テストプレイヤーか?」
デンライが暗黒騎士と大剣で、鍔ぜり合いしながら問い掛ける……
『ダトシタラ…… 何ダ?』
「スレイブの前王を知っているか?」
『クックックッ…… ヨ~ク、知ッテイル……【獣王】』
「なるほど…… てめぇが黒幕か」
『違ウナ…… 奴ガ、自身デ選ンダ事ダ』
「そう誘導したんだろうが!」
デンライが、暗黒騎士の顔を殴る!
暗黒騎士のフルフェイス型の兜のフェイスガードが、割れると!?
「てめぇは……【聖女の楯】!?」
割れたフェイスガードが現れた顔は…… 神国の最大クラン【救世主】のリーダー……【聖女の楯】こと【ランド】だった。
『!』
「くっ!」
【聖女の楯】の顔をした暗黒騎士が斬り掛かる!
「てめぇ…… 聖女の楯じゃねぇな? 何者だ!」
「くっくっくっ……【元】は同じだ…… 最近別れたけどな!」
「くっ!?」
暗黒騎士とデンライが互いに、大剣を振るい激突した!
・
・
・
~ カナエと魔王 ~
「久しぶり…… と言えば良いのかな? 私の偽者さん」
「マスターをどうした!」
「邪魔だから、結界に閉じ込めた」
「許さない!」
(あら? 私の偽者さんの回りに……)
魔王回りに【剣】が現れる。
「武具眷属化…… 私から【奪った】スキルだね」
「ふん、もはや…… 私の力。行け! お前達、アイツを切り裂け!」
「そう、上手くい(キュピーン!)…… わかったよ」
無数の剣が…… カナエ迫る!?
「任せるよ…… ゴル、ジル」
『『はっ!』』ガッキーン!
突然現れた二人の女性騎士が、カナエに迫る剣を切り裂く!
『随分と…… なまくらですね』
『ゴル、可哀想よ』
『そうだな、ジル…… 主が鍛え上げし我等に、そこいらの剣が敵うはずがない』
現れたのは、2体のヴァルキリーゴーレムの【ゴル】と【ジル】。
定期的に、カナエの改良を受けていた彼女達は…… 会話をする事が出来る様になり、対話を楽しみながら、飛び交うリビングソードを砕く!
「くっ、なめるな!」
魔王が、ライフルを構える!
「近接で、ライフルなど…… ふざけてるのですか?」
ドカッ!
ライフルを構えた魔王の懐に、せっちゃんが潜り込み、ライフルの銃身をはね除けて、魔王に腹パン!
「ゴフ!?」
「奪った。カナエ様のスキルを使おうとして、猿真似するから隙が出来るのですよ…… 貴女ごときが、我等の主の力を使いこなせると、思上がるのもいい加減にしないと、身を滅ぼしますよ…… 手遅れですが」
パン!
「ぎ、ぎゃあぁぁぁ!」
魔王の肩が吹き飛ぶ! 【はうりんぐ】の狙撃だ。
50キロメートルぐらい離れた【リボルバーサーモン】の甲板に、【機獣化】した【はうりんぐ】が口から銃口を出している。
(神国防衛軍を援護射撃しながら、魔王の肩を狙い撃ちしたみたいだね…… あっ、私が見てる事に気付いたかな? 尻尾振ってるし……)
ケルベロスキメラ型なので、振られてる尻尾の蛇が可哀想でした。
「姿とスキルを奪う為に、【人化】したのは…… 間違いですね。痛いでしょう? それが痛覚です」
「うぅ…… やる…… 殺して…… 殺してやる!」
「その姿で、喚かないで下さい。不愉快です」
魔王の姿は…… ゴスロリの私を模していた。
「まぁ…… 装備品は、真似できなかった様ですね」
せっちゃんに、はね除けられたライフルの銃身曲がりくねっている……
(安物か?)
「くっ!」
魔王が【魔石】と何かの【金属インゴット】を取り出した……【魔銃生成】か!?
「死ねぇ!」
魔王が、スキルで生成した2丁の拳銃型の魔銃を構えると【魔弾】を発砲!
「【弾道操作】!?」
発砲された魔弾が、曲がりながら私を狙う!
「奪ったスキルで、カナエ様を狙うとは…… 恥を知りなさい! ルーノ、スーノ!」
「「はい!【Fフィールド】展開!」」
私の髪飾りから、妖精の姫騎士が二人現れて魔弾を弾く!
「主さまは」「わたし達が」「「護る!」」
ルーノとスーノが、魔王の放つ魔弾を全て防ぐ!
「ならば……【淫魔召喚】!」
魔王が、召喚魔法を使った。
次々に現れる召喚された【者】に……
「違う! 私のスキルじゃないの! アグラのスキルなの!」
私の精神に痛恨の一撃! 効果は…… 抜群だ!
「行け!【淫魔】共!」
魔王は…… 私のスキルを使い、【インキュバス】や【サキュバス】に…… それ系の魔物を召喚!
余程Lvを上げたのか…… 触手型までいるよ。
「種族は…… キングローパー…… スキルは…… うん、女の敵だ」
キングローパーは…… 女性の天敵でした。
「はっはっはっ、魅了されて…… 快楽の中で死ねぃ!」
「ゴル、ジル、生ゴミの掃除を……」
『『はっ!』』
『『『ギシャアぁぁぁ……』』』
女性型とは言え…… ゴルとジルは、ゴーレム! 魅了される事は無く、淡々と淫魔を片付ける。
「くっ! ならば「私の姿で、変な事」!?」
「するな!」
【闇移動】で、魔王の背後に回り込で…… 背中を殴る!
ドッバーン!
「グァバ!?」
炸裂音と同時に、魔王の腹が吹き飛んだ!
「どう? 対貴女達用に作った……【ショットガングローブ】の味は?」
【ショットガングローブ】
殴った瞬間、仕込まれたショットガンシェルから散弾を相手に叩き込む…… 超接近銃撃武器。
「特製の散弾です…… 効くでしょう?」
「ぐふ…… ま、マスター……」
魔王が倒れ時…… 私の中で何かが解放されたのを…… 感じた。
ピコーン
〔呪いが解呪されました〕
ピコーン
〔特殊進化の条件が達成されました。進化しますか? はい/いいえ〕
私…… 進化出来る様です。
次は、あの人が帰って来る!?
ご意見、ご感想をお待ちしています。
後…
誤字脱字報告、文章とストーリーの評価も、お願いします。