狂った欲望が… 動く
ヨクユウジャーのメンバーは、
ブルー(隼)がエルで、バイオレット(蝙蝠)がアーデ、グレー(梟)がラズリです。
『オマエラガ…… 戦隊ヒーロー……』
暗黒騎士が大剣を構え直しながら…… 此方を見てる。
「貴方は…… 何者?」
『サァ…… 何者ナンダロウ…… ナ!』
禍々しいヘルムの隙間から、不気味に目が光ると…… 斬り掛かって来た!
「この!」バッシュ…… ガン!
「弾かれた!?」
禍々しい鎧が魔法弾を弾きながら、暗黒騎士が迫る!
「対魔法装備!? 実体武器に切り換えて!」
「ラン! ファルケンモード!」
『らじゃー!』
ヨクユウブルーが、隼を型どる形になったランちゃんを構える!
「はぁ……! 『バーストランサー!』」
『グゥ!?』
ブルーの攻撃に暗黒騎士が、大剣でガード!
「今です!」
「行くよ! 二人とも、【バットグローブ】! 『『超振動突き!!』』」
バイオレットが、蝙蝠を型どる手甲で追撃を放った!
『クッ! オノレ!?』
「逃がさねぇ!【アウルロッド】、メタルフェザーアロー!」
梟を型どった杖を使ったグレーの追撃魔法が炸裂!
「金属の魔弾だ! 効くだろう?」
『…… ココ迄カ…… マダ…… コノ身体ヲ…… 失ウ訳ニハ…… イカン……』
ドボン……
「「「「!?」」」」
暗黒騎士が地面に溶けた!?
「逃げられたか…… 副司令、浄化を頼むね。(暗黒騎士…… あの感じは…… 蒼人かな……)」
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~ 神国首都の宿 ~
「すまない…… ジノさんとはぐれた」
神国首都で、デンライ君達と合流したが……
其処に、ジノさんの姿は…… 無かった。
「調査中に…… 例の合成獣が出まして…… ジノさんは、緑人達を逃がす為に……」
魔薬をばら蒔ながら迫る合成獣に、ジノさんが単騎で突入して…… 合成獣と閃光に消えたらしい……
「連絡は…… 無いの?」
「ああ…… ジノさんの事だから、大丈夫だと思う…… テストプレイの時にも、似た様な事が有ったからな……」
「カナエ様…… 浄化保護部隊に捜索の指示を出します」
「念の為にも…… おねがいね。それで……【魔王】の方は?」
ジノさんも、心配ですが…… この騒動と魔王の目撃情報が関係している気がするんだよね……
「それなんですが…… どうやら【聖域】に現れる様です」
「聖域?」
「神国の神獣が多く住む…… 霊峰……【マウントアストガル】です」
「日本の富士山みたいな山だけど…… 高さがヤバイ」
「頂上が…… 成層圏を超えるらしいです」
霊峰【マウントアストガル】……
頂上が宇宙空間迄届く山。多くの神獣が住み…… 天界へ続く道が有るらしい。
天界から天使族等が現れる事から、太古から神正視されている為に、入山は管理されている。
「例の合成獣の発生源は…… 霊峰?」
「アイツ等は…… 転移魔法で現れる」
「魔薬の霧と共に、突然現れるのです」
人々がいる場所に…… 突然現れる合成獣か…… 何かしらのマーカーが…… 在る?
「ねぇ、合成獣の中に騎士…… 暗黒騎士は…… いた?」
「暗黒騎士ですか? ……初めて知りますね」
「初情報だな…… ボスか?」
「蒼人…… プレイヤーだと思うよ」
「「「「「!?」」」」」
「カナエさん、確かですか?」
「確証は無いけどね……(なんて言うか…… 発想が、私達っぽいんだよね…… 身体を失うと言っていたけど…… ゴースト系かな?)」
「魔薬の製造者は判明しているが…… 一足遅かった様だ。救世主が突入した時には、もぬけの殻だったらしい」
「被害の状況は?」
「首都圏周辺の開拓地が狙われた様です。被害は首都圏に集中してます」
「神国の古い都市部は、結界で護られているからな…… クエストやプレイヤー達の開拓地が狙われたみたいだ」
神国は、救世主の活躍からか? 急激な人工増加に古くからの街並みが建ち並ぶ都市部は、パンク状態……
首都圏周辺の開拓クエストが多発した。
「魔導具の問題で…… 結界が張れない開拓地が多くて、被害が甚大になってる」
「まぁ…… 何処の国も首都圏に人が集中するものだけど…… ねぇ、聖域に入れるかな?」
「聖女の盾に聞いてみるか?」
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「オカエリ…… ソノ身体…… ドウダッタ?」
『中々イイナ…… アイツノ中ハ…… 不便ダッタカラナ……』
「ソウカ…… ナラバ…… 貴方モ、コノ世界デ自由ヲ手ニシタノダナ」
『ナルホド…… コレガ…… 俺ノ望ダッタノダナ…… 次ハ、貴様ノ番ダナ……』
「エエ…… 準備ハ整ッタ…… ヨウヤク…… 私ノ望ガ叶ウ…… オ姉サマ……」
暗黒騎士と骸骨顔の人物が、薄暗い研究所の様な場所の奥に目を向ける……
その奥には……
例の合成獣を始めとした…… 魔物の軍団が待機していた。
竜骨を素材に強化したスケルトンの竜牙兵に、強化スライム、強化ゾンビ兵など……
アンデッド系が多く、不気味な軍団がただ静かに戦いの時をまっていた。
「お待たせしました…… マスター」
ローブ姿の女性が現れた。
「準備…… 完了カ?」
「はい…… スキルの確認に手間取りましたが…… 熟知しました…… それに、あの方が現れた様です」
『デハ……』
「エエ…… 始メマショウ…… 神国崩シヲ」
『他国ノ牽制ハ?』
「帝国とスレイブが動いてくれますよ」
『ホォ…… 我等ノ計画ニ乗ッタカ……』
「マスターの目的は、国では無いですからね……」
「国ナド…… 私ノ望ノ為ナラ、イラナイ…… サァ…… 私達ノ、望ヲ…… 叶エマショウカ」
死神の姿をしたPKが、魔物達に手で合図を出す……
魔物達は… 神国の首都圏を目指して……
霊峰の麓から、ゆっくりと溢れ始めるのだった……
「待ッテイテ、オ姉サマ…… 今度コソハ…… 必ズヤ! 貴女ヲ……」
死神達も、神国に向かった。
次は… 神国でPKと決戦!… かな?
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後…
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