クエスト報酬とマリー様のその後…
~ 魔法国王城 宝物庫 ~
「この宝物庫に…… かつての私の愛機、ウィザードが眠っている」
「此処に…… でも、良いんですか? 主犯の第5王子に逃げられましたけど?」
巨大な魔物化して融合した。元第4王子、第3王妃、宰相を倒した後、私とせっちゃんに、エル、ラズリ、クマカジャーのメンバーは……
現魔法国の王と初代国王のゼロード様、マリー様にゼロード様付きのメイドのマリオンさんと、宝物庫に来ていた。
「その事だが、第5…… 元、第5王子のシュナイザーは…… 死亡した」
「「「「「「「!?」」」」」」」
「何故!?」
「実は…… めておんと仲間が自首して来てな…… 訳を聞くと、城から飛んだ魔物を魔法で射ち落としたらしい」
「それが、元第5王子だった訳だ……」
「めておんの魔法で塵と消えたが…… 蒼人の記録を見る物にシュナイザーの名が刻まれたらしい」
「そうですか…… 公爵は?」
「あやつは、捕らえて牢の中だ。先代公爵の死に関わった可能性が有るからの……」
どうやら、マリー様のお祖父様には…… 暗殺の疑いが有るらしい……
あの公爵…… 殴っとけば、良かったかな……
「そなた達には、多大な世話になった。好きな物を褒美として持って行くが良い」
「「「「「「「「おお!」」」」」」」」
国王様の言葉に、みんなが宝物の物色を始める。
「みんな! ちゃんと鑑定するんだよ!」
流石は…… 大国の宝物庫! 色とりどりの宝が山の様に有る。
しかし、これだけの宝が有ると…… 種々有るね…… あっ! 聖剣発見♪ 此方は…… いわく有りですね…… 解ります。
「そなたは…… 選ばんのか?」
「私は、ゼロード様の機神を貰う約束が有りますから♪」
「な!? 初代様! 国宝ですぞ!!」
「私の物を私がどうしようと勝手だろう?」
「しかしですね……」
「我愛機を朽ちる迄…… 此処に置くには、哀しすぎる…… ひさしぶりだな…… ウィザードよ」
「このこですか?」
「うむ…… 今は亡き、我友が作った…… 魔法攻撃特化型機神! ウィザードだ」
「なるほど…… このこは…… 複座式ですね?」
「ほぅ…… 解るか」
「このこ…… 空中都市で作りませんでした?」
「これまた懐かしい響きを…… 確かにウィザードが作られた時は、まだ空中に在った。今は…… 忌まわしき魔神と地の底だがな」
「なるほど…… 妖精の姉妹機でお姉さんですね」
「また懐かしい言葉が…… どうして知っている?」
「実は…… 今の妖精の持ち主は…… 私なんです」
「な!? あの空中城塞都市に行ったのか! あの外道は、どうなった?」
「倒しました。せっちゃん達が、ですけど…… アンデッド化してましたよ」
「私と同じか…… ならば、お主は我友の後継者だな。ウィザードを持つに相応しい」
「初代様!?」
「心配は要らない。ウィザードを基に簡易量産型魔導機神をダンジョンで作った。後で、配備して置く」
「ゼロード様、マリオンさんは、ひょっとして…… ウィザードのサポートユニットだったんじゃ?」
「気付いたか…… マリオンは、元はウィザードのサポートユニットで見た目も違う物だったが…… 亜神化してしまった私を心配した。妻のマリオンの遺言でな……」
「マリオン様の代わりに、マスターのお世話をするメイドロイドに換装しました。その時に、ウィザードのサポートユニットとしての機能が失われました」
「そうだったんですね…… ウィザードは、私が立派に生まれ変わらせます!」
「うむ、頼むぞ」
「よろしく、お願いいたします」
了解を得たので、ウィザードをストレージに入れながら……
「そう言えば…… マリー様はどうなるのですか?」
「仕方がないとは言え…… 王位継承の儀式を終えて、初代様と契約しているからの…… 王家に迎えようと思う」
「その必要は無い」
「しかし、初代様! マリーの唯一の血縁者で在る公爵は捕まり、マリーの保護する者が居りません。やはり、王家で……」
「マリーの両親は、生きている」
「何と!?」
「ダンジョンに逃げ込んで来てな。今は、眠っているが…… 近いうちに目覚めるだろう」
「では……」
「うむ…… お主もまだ若い。子にチャンスを与えなさい…… マリーの両親を公爵家の跡取りにし、マリーが大人になるまでは…… 待つ」
「はっ!」
「私の家に…… 子が訪ねて来るのを楽しみにな」
「はい! 初代様の御言葉…… 子供達に伝えます」
「訪ねられなかった時は?」
「マリーが女王だな」
「私が見た処では、3人の王子が協力すれば…… 直ぐですね」
「お主も、そう思うか?」
「ええ、3人とも良い方の様ですから」
「うむ、争わずに協力するのが…… ダンジョンの1番の攻略法だ」
とりあえず…… これ以上、マリー様が不幸にならない様に…… 釘を刺して置きますか♪
その後……
マリー様の回りには…… 常に仔犬と仔猫の様な顔をした小さな獣人の様な使い魔達が、彼女を護る姿が見られたと言う……
その使い魔の送り主について、彼女の契約者…… 初代魔法国国王ゼロード・フールは、こう言ったと言う……
とても素敵で愛らしく、母性に溢れた【もうじゅう】だと……
次は… たぶん、神国に入るかな?
ご意見、ご感想をお待ちしています。
後…
誤字脱字報告、文章とストーリーの評価も、お願いします。