和食材と新世界の車窓から
「カナ姉さん、お魚がいっぱいです! 醤油と味噌が安いです!」
「あっ、大根…… おでん♪」
「お米も安いね。和食メニューが増えそうです」
食材の調査に、リンちゃん達を呼びました。
「お豆腐発見! 納豆と油揚げもあります!」
「昆布とわかめもあったよ。お味噌汁♪」
「山菜もあるのかな?」
「お客さん、ここには山菜は無いぞ。山菜が欲しいなら、山近くの街や村に行きな」
「山の近くなら、あるの?」
「あるぞ。ここは、港街だからな。どうしても、海産物と日持ちの良い乾物が食材として集まるが、山菜は季節物が多く、日持ちのしない物があるからな。山の近くなら、売ってるぞ」
季節物かぁ~。美味そうだね。温泉に着いたら探そう。
「移動はどうします? 鯨さんで行くの?」
「陸地だからね…… 道次第かな? どうだろう?」
「有名温泉ですからね。大きな道がありますよ」
「じゃあ、アレの出番かな?」
「「「「「アレ?」」」」」
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一度、私と冒険屋に戻るリンちゃん達で、ホエール1に戻りました。
「カナ姉さん! すごい! このこに乗るの?」
「うん、着いたら、リンちゃん達も、このこの転移陣で呼ぶね」
「「「「はぁい!」」」」
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陸地進むので、ホエール1も一度、フェアリーガーデンに帰還して貰います。
「では、カナエ様。道中お気を付けて」
「パール、ありがとう。帰ったら、みんなによろしくね」
「はっ! では、失礼します」
ホエール1を見送り、はうりんぐで港に戻る。
「じゃあ、火山温泉境に向かいます! おやつは300Gまで! 準備はいいですか?」
「はい!」
「はい! ラズリちゃん!」
「バナナは、おやつに入りますか?」
「お約束だけど、入りません!」
「はい! 手作りも入りますか?」
「入りません! 好きなだけ、テッシン君にあ~んして下さい!」
「ありがとう♪」
「恋する乙女は、強いな…… テッシン♪」
「ああ……(顔、真っ赤)」
「はい」
「はい! ジノさん!」
「移動はどうする?」
「徒歩か? 俺、馬車出すか?」
「それは、大丈夫! 行こう♪」
港街を出て、人目に付かない辺りまで歩く……
「やっぱり、歩くの?」
「この辺りなら、大丈夫かな?」
私は…… ストレージから、アレを取り出した。
「「「「「なっ!? き、汽車!?」」」」」
金色の熊の顔が付いた金色の汽車【ゴールドベアートレイン】
普通列車の3両車くらいの大きさで、中は空間魔法で広々です。
「さあ、乗って、行くよ♪」
眷属召喚で、トパーズを召喚!
「車掌のトパーズです。この度は、カナエ鉄道をご利用、ありがとうございます。この列車の終着駅は…… 火山温泉境です。お降りの際は、お忘れ物の無い様に、お気を付け下さい」
「えっ、あ、ご親切にどうも」
「すげぇ~…… テレビで見た高級寝台車みたいだ……」
「すごい広い! 個室がいっぱい! 本当に汽車の中?」
「それじゃ、出発進行!」
「当車両は、火山温泉境までの弾丸特急車両です。目的地まで止まりませんので、外の風景に驚愕しない様…… お願いします」
「「「「「えっ!?」」」」」
汽車が動き出す…… その先には、木々が生い茂る山々があった。
「ちょ、ちょっと、木! 森!! 突っ込む!?」
「「「「ぎぃぎゃぁぁぁ……」」」」
「……? 衝撃が来ない? なんで!?」
「木が…… 避けてる!?」
「空間魔法の応用だな。俺もバトラーでやるよ」
「人が悪いよ。カナエさん…… ビビったぁ~」
「ごめんごめん。後は、着くまでのんびりしてね♪」
車窓から外を覗く。茅葺き屋根の水車小屋と田んぼが見えた。
何処か懐かしい、日本の元風景にも似た風景を汽車が走る…
ドッゴーン! 汽車が温泉の近くの山々に入った時に前方で爆発が!?
「なんだ?」
「噴火か!?」
「あれを見て!」
イズナちゃんが指を指す……!?
「えっ? 人!?」
人と巨大な蛇が争っていた。
次は… 温泉地で、一騒動です。
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後…
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