新世界創世記 日の本版
海龍様に導かれて、日の本にある【海神島】に来ました。
そこは…… 巨大な石の鳥居があって、その先に石造りの巨大な神社がありました。
ホエール1を接岸させても、まだまだ余裕がある桟橋に降りると…… きれいな神主姿の女性が立っていた。
「先ほどは、ありがとうございました」
「え~っと…… 海龍様?」
「はい、この姿の時は、静と呼んで下さいね。我が子を奪われ反撃も出来ず…… 助けていただき、本当にありがとうございます」
「はい、静様。私はカナエです。お子さんが無事で良かったですね」
「様は不要ですよ。カナエさん。古の言葉に従い、貴女を我等が長の元へ案内致します。お連れ方も、どうぞこちらに」
静さんに案内されて、神社の本殿へ……
『よくぞ参られた…… 妖精の方よ。わしが日の本周辺の海域を守護する海龍達の長……【海神龍】である』
1000㍍級の海龍が居ました……
(すごく…… 大きい……!?)
『先ずは…… 礼を言わしておくれ。我等が同胞と新たな命を護っていただき、ありがとう。そして、古の言葉に従い、貴女の加護に付いてお教えしよう』
「私の加護?」
『そうだ…… 貴女を護る加護を教える為に、新世界の始まりについて語ろう……』
新世界になる前…… 何も無い空間に【創造者】は【闇の最高神】を作り、次に【光の最高神】を作り出した。
二人の最高神の元、眷属たる神々が生まれ、世界を形取り始めた。大地が生まれ、海が生まれ、星ぼしが生まれた。
一つの星に生命が生まれ、豊かな自然が生まれた時に創造者が再び現れて……
二人の最高神の兄妹神【妖精神】を連れて来た。
妖精神は…… 創造者と同じ【物】を持っていた。
妖精神は、最高神達の良き兄妹であり、時は母の様であった。
最高神達は、妖精神を大事にしていた。それを見た創造者が、もう一人創造者を連れて来て、新たに【風の最高神】【水の最高神】【火の最高神】【土の最高神】【魔の最高神】を作り出した。
創造者達と最高神達は、妖精神が寂しくない様にと、次々に新たな命を産み出していった。
やがて…… 獣が生まれ、人になり…… 文明を作り始めた時、創造者が【精霊神】を連れて来た。
妖精神と精霊神は、人々を愛し、新世界を愛して自分達の力を分け与え、妖精と精霊が産まれる。
しかし……
その後に起きた眷属神の反乱で…… 闇と光の最高神は大事な物が失われ……
新世界の各地にも悪影響が出てしまい…… 魔物が邪悪化。
邪悪を祓う為に、最高神達と妖精神、精霊神は力を獣に分け与えて邪悪な穢れの淀みを祓う【神獣】が産まれた。
『…… そうして、わし等は役目を受け継ぎ、闇と光の最高神は反乱で失われた物を、今も捜しているのだ…… 妖精方よ…… 貴女は、妖精神に愛されている』
「じゃあ、私に加護を付けたのは……」
『妖精神じゃ』
アバター製作の時に私を抱きしめたあの人は…… 神様でした。
「ロボットは? 機神は、何時生まれたんですか?」
『機神達は…… 反乱の時に邪悪化した魔物や魔神と戦う為、生まれたが…… 元は空の先から、もたらされたようじゃ』
「じゃあ……」
『すまぬが…… これ以上の事は解らんのじゃ。日の本は、反乱の激戦地でな…… 戦闘の傷跡で大陸が沈み。今は島国になって、すべて海の底。もはや…… 残っていまい。これ以上に知りたければ、大陸に残っているかもしれんが……』
「そうですか…… 残念です」
『反乱の影響で、季節も安定せずに特種な神も生まれたが…… すべてが良き神とは限らん。本土に行くならば、気を付けなされ』
「ご忠告ありがとうございます」
「「「「ありがとうございます」」」」
『うむ、新たな命の礼に、わしの脱け殻を好きなだけ持って行きなされ。本土では素材として、中々の人気だぞ?』
「あっ、ありがとうございます♪」
【海神龍の角】【海神龍の牙】【海神龍の爪】【海神龍の鱗】【海神龍の髭】【海神龍の革】をゲットしました! しかも、1000㍍級の物を10体分!
「素材ありがとうございます」
「じゃあ、俺達は、そろそろ行きます」
「「「お世話になりました」」」
『こっちこそ世話になった。また来なされ。歓迎しよう』
「カナエさん、皆さん…… 道中お気を付けて」
「はい、また会いましょう」
カナエ達は、ホエール1に乗り込み。海神島を後にして、日の本の本土を目指します。
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「見つけたぞ! 邪魔者の仲間! あの化け猫をだせ!」
日の本の港が見えて、マンタ君に乗り代えて上陸したら……
囲まれて、槍を突き付けられました……
「え~っと…… 人、いや、猫違いでは? 私達、着いたばかりなんで……」
「海龍退治の邪魔をしただろうが! ずっと港を見張っていたんだ。上陸したプレイヤーはお前達だけだ! 間違いねぇ!」
カナエ達を囲んだのは……
卵泥棒とその仲間でした。
次は…卵泥棒達と決着かな
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後…
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