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終末の人々  作者: こっこ治郎
第一章 終末の科学者
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加賀見 冬雪(後)

『このメモを見ているということは私はもうこの世にいないでしょう……って1回でも言ってみたかったんだよな。書けて良かった〜。

 まあ真面目に書くとこのメモの置いてあった机の横に椅子があるだろ?その上に乗ってる白衣を着たシワッシワの死体か白骨化した死体があるはずだ。それが私の死体だ。


 なぜ映像ではなくメモなのかって?それはだな…映像のデータが吹っ飛んだんだ!

 ――なんてね。本当は映像なんかじゃなくて実際に会って、直接この話をしたかったからだ。だけど無理そうだからこのメモに残すことにした。


 さてまずは謝罪をしよう。私は、いや俺は君に3つの嘘をついた。俺は臆病者だった。


 1つ目の嘘だがこの世界の人口の話だ。この世界には1万人もいかないと言ったがあれが嘘だ。実際はもっと少ない。日本の人口も嘘だ。俺は正確な数を知っている。

 この世界には俺と君を含め14人しかいない。

 それも全てこの日本にいる。


 次に2つ目の嘘だが記憶がないってやつだ。あれも嘘だ。本当は君以外の13人は全て記憶があった。


 最後に3つ目の嘘だが…これは後で話す。


 さてじゃあこれからのことについて話をしよう。

 実はだな…車を用意しておいたんだよ。燃料も十分すぎるほどあるしその車でドライブに行くなんてどうだい?


 それが嫌ならそこの本棚に俺の秘蔵の書物を残しておいた。ほこりまみれだろうが内容は面白いぞ?俺が保証する。


 ……な~んちゃって君はそんな物に興味がないのは分かっていたよ。――だから俺は残りの12人に映像を残してもらった。

 君が生きてて良かったと思えるように。君が彼らのように夢と希望に満ち溢れるように。彼らに協力をしてもらった。


 そしてここからは真剣な話をしよう。


 実はな君も俺も人間ではない。いや正確に言えば体が人間ではないだな。君の体は機械。私たちは人造人間だ。

 人造人間と言っても強くないし、寿命が長いわけではない。食料がいらないのと体が機械だってこと以外は人間と何も変わらない。


 そしてそれを作ったのは私だ。作ってしまったのは私だ……

 君と私と、彼らが生きているのはこれが原因なんだ。人造人間としての生を得てしまったから君たちは消されても生きれた。


 ここからは私の話を少ししよう。世界が滅んだあとの話だ。

 私は目を開けると床に寝転がっていた。そしてあの声がした。世界を滅ぼしたあの声が。


「貴様のせいで生きている者が数人いる」

「だから貴様はその責任を取ってその者たちを殺せ」


 私は声にそう言われた。その言葉を聞いて私は絶望したよ。私が彼らを殺すことにではなく。私が彼らを生きながらせてしまったことにね。


 私は最初ちゃんと殺してあげようと思っていた。

 前に話した作曲家の兄妹が一番最初に目覚めたから私はその兄妹を殺そうとした。そしたらものの見事に返り討ちにされてね、話をしたんだ。


 そして彼らを見て考えが変わったんだ。

 俺のやるべきことは彼らを殺して贖罪にするのではなく、彼らをサポートし最後まで生を夢を謳歌させてあげることが私の役割だと思った。


 その後も続々と起きてきた。最終的には君以外の13人が集まった。そして私は彼らに話をした。君の話だ……


 これから君の知らない君のことを教えようと思う。めっちゃ衝撃的だから知りたくないんだったら読まなくてもいいだろう。ただ読んでくれたほうが私はうれしい。


 じゃあ書くぞ。君は……

 君は多分あの声の目なんだ。人類が全員滅んだか見るためのドローンと言ってもいいだろう。


 君は無自覚にあの声の人形にされている。だから私は君に夢を持ってもらいたかった。奴の人形なんかで君の生が終わってほしくなかった。


 だから君の生きがいを私たちで作った。君は今からあの車に乗って日本中を旅するんだ。

 日本中のどっかしらに映像が置いてある。それを探しに行くんだ。それが君の生きがい。それが君の生だと思ってやってほしい。


 私は君と直接会いたかった。会って直接話し合いたかった。笑いあいたかった。だからこれからは俺の夢も背負ってくれ。

 俺の夢は君を含めた13人が幸せに生を謳歌してくれることだ。


 そして実は私はこのメモで一つだけ嘘をついた。それが3つ目の嘘だから絶対に見つけれくれよな?ちゃんと読んでいれば不自然なポイントが見つかるはずだちゃんと読み返せよ〜。

 答えは書くのめんどくさいから自分で悩んで考え導き出すことにしてくれ。これに楽しんでくれたら俺も嬉しいしいろいろ考えたかいがあったもんだ。


 このメモもそろそろ終わりそうだな落書き用に使っていたメモがこんなにも役に立つなんて思いもよらなかった。


 さてこれが俺の本当に最後の言葉だ。

 

        自分の夢を持て!    加賀見 冬雪』

次から加賀見の物語パートです。

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