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終末の人々  作者: こっこ治郎
第一章 終末の科学者
1/3

加賀見 冬雪(前)

 この作品は最初に映像パートがありそれが終わり次第その映像で話してた人の終末世界での生き方、夢、葛藤を書いた人生パートを繰り返していきます。

 あんまり長くなる気はないので悪しからず。

『――これでいいのか?――ちゃんとできてるだろうか……まあ大丈夫だろう。


 えーこの映像を見ているそこの君、いや君たちか?……どっちでもいいか。今君は何が起きているのか分からないだろう。

 だから、まずは何が起きたのか、なぜこんな状況になったのかを少し説明しようか。


 ――っとその前に軽く自己紹介をしよう。会うのはこの映像だけかもしれないが、私は加賀見 冬雪と言う。書き方は加えるに伊賀の賀、あと見るで加賀見、あとは冬の雪で冬雪だ。

 女っぽい名前だろ?ただ映像を見たらわかる通り俺は男だしもう40前半のおっさんだ。


 私はこの世界で元々科学者をしていた。まあこれも白衣を来てるから言わないでも分かっていたのかもしれないね。

 ……今はこの世界で生き延びる君のような存在を助け、時折り助けられて生活している。


 ――まあ自己紹介はこのあたりで、そろそろ本題に入るとするか。


 今の地球の総人口は1万人もいない。日本は20人いるかいないかくらいだろう。文明も今はもうない。全てが壊されてしまった……科学者としては心苦しい限りだ。


 昔々…と言うには少し早すぎるかな。まあ約20年前のある日この世界で住んでいる全ての人類に天啓が……いや天啓と言うには恐ろしい声が全世界へと響いた。


 その声は私たちのいる世界を、文明を、生命を、滅ぼさんとした内容を口走っていた。まあ、最初の頃は私を含めたほぼすべての人々が誰かのいたずらだと思っていた。


 続けてその声はすべての国に対して国の地方で一番人が少ない場所から人を消すと脅迫めいた言葉を吐いた。それを戯言だと思っていた当初の政府は何もしなかった。

 しかし次の日になると本当に人が消えていた。


 人が消えて少しすると国中で暴動が頻発した。

 やれ「私の両親はどこいった」だの「なぜなんの対策もしなかったんだ」だの当時の政府への批判や愚痴が多く出回っていた。


 ……けど、そんな批判よりもさらに多く出回り、さらに多くの暴動を引き起こしていたのは自分たちの身の安全を求める救済の声と、自分たちはどうなるのかという不安と恐怖の声だった。


 まあ当然と言えば当然か。知らない人なんかより自分の身の安全のほうがよっぽど重要だ。そうして暴動が各地で広がり、それがさらに恐怖を伝染させ大きくなっていった。


 それから一週間経って暴動が収まりつつあった最中その元凶とも言えるあの声がまたやってきた。

 長ったらしくベラベラと偉そうに話を続けていた。もうちょっと簡潔にまとめられないものかと思ったよ。


 その内容を要約すると「人類を、人類の痕跡、人の生きた証を一片たりとも逃さず消滅させる」だった。……まあ今の現状を見てもらえばわかるが建造物は残ってるから実際は人類だけを消滅させたみたいだがね。


 ……その声が全世界中に響き渡り地球上の人間が阿鼻叫喚する――前に人類は消えた。そんな猶予もなかった。これがこの世界で、地球で起きた出来事らしい。


 ふむ。今「なぜ少し含みを込めて言うんだこいつ?」とか思っただろ?なぜなら俺はその時眠っていて後から知ったからな。というか、お前も寝てたやつの一人だろ――って言っても記憶がないから分からんか。


 ……今「なぜ記憶がないとわかったんだ」とか思っただろ。その理由はみんな記憶がないからだ。俺も、俺があったみんなも誰も彼もが記憶を失っていた。


 けど体に染み付いた習慣や特技、好きなこと、やりたいことを失っている人は誰一人としていなかった。

 それをやって、やって、やり尽くすためにみんなは旅に出た。そのための道具や移動手段は私が用意した。


 そして私のやりたいことは今の君の手助けになることだ。だから私はこの映像を残し君のこれからの人生の手助けになりたい。

 

 ――まあ最初はこんなのでいいか、容量もそろそろこいつは限界だろう。

 別の映像に少し楽しい話を残すつもりだから気になるのなら探してくれ。目印はちゃんと立てておこう。


 最後に、この世界は、私たちの世界は、地球は、終末世界と呼ぶにふさわしい白き世界ヘと変わってしまった。


 太陽の日が刺すように暑く、食料を調達するのは難しく、建物が植物で緑化し、火山灰によって町中白くなってしまった。


 君には夢があるかもしれない。けどその夢はもしかしたらこの世界ではすることができないかもしれない。科学がなく、文明がないからね。

 今まで当たり前だと思っていたことが当たり前でなくなるのはとても辛く不自由なことだ。


 科学がなくても大丈夫な夢ならばそれでいい。

 だが、もし科学の力がほしい。そう思ったら私のところに来るといい。他の人たちと同様に必ず君の力になると約束しよう。


 ただもしかしたら君はこの世界でやることがなかったり、生き甲斐がなかったり、夢がないかもしれない。

 そんなときはこの映像の続きを探すのを少しの間でいいから生き甲斐にしてほしい。


 ……私は、そんな君にこんな世界でも楽しめたと、十分だと思ってほしい。


 さて、日が昇ってきたな。では録画を終了する。

 ――もし会えたらその時は酒を酌み交わそう。幸運を祈る』

 映像パートはボイスみたいなもんだと思って自分で声を当てて読んでください。

 対戦よろしくお願いします。

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