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沼
覗き見てみる
内側を
忘れていた感覚
冷たく
深く
纏わり付くようで
滞り
留まる
鈍い沼のような
けれど
抗う気持ちもなく
ただ身を任せる
沈み埋もれても
そこにある自分だけは
感じられる
落ちて
沈む
絡みつくようで
詰り
止まる
昏い沼のような
けれど
呼吸はできるから
ただの幻が覚めるのを待つ
沈んでるようで
ここにある自分から
湧き出している
これは自分の中にある澱み
時がくれば
自然と纏わり付くものは
流れていくから
今はただ
自分の内を見る
そういう時なのだと
言い聞かせる
清らかだなんて思わない
けれど
本質が汚れているとも思わない
ただ、
取り込んで
侵されたものを
吐き出すだけ




