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夢の時間
現実は決して夢ではないから
夢のような時間は
夢のように過ぎることなく
時の流れは無情なのだと
改めて思い知るだけで
夢であれば
覚めるまで
数時間を何日も
数時間で何年も
感じることがあるけれど
夢のような時間は
夢ではないから
過ぎ去るのは
あっという間で
夢ではないから
温かく感じて
夢ではないから
切なく感じて
今この時、この場所は
あなたの言葉で
包まれている
過ぎ去る時の感覚だけは
夢であればいいのに、と
幸せの海に身を沈めながら
この時をぎゅっと抱きしめる
幸せな時間は
目覚めることなく過ぎ去るけれど
幸せな時間を
忘れることなく感じていられる




