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君の名前
私達は「ヒト」です
髪の色が
瞳の色が
肌の色が
異なったとして
住んでいる地が
信じる神が
考え方が
異なったとして
それでも同じ「ヒト」なのです
君は誰、と問われた時に
僕は僕、と応えるために
君のためだけの名前があって
僕のためだけの名前があって
あれは何、と問われた時に
それはこれ、と応えるために
すべてのモノには呼び名があって
区別するための名前があって
たった1人の君というために
君の名前はつけられて
たった1人の君であるために
君の名前は考えられて
1人だけでは無いと言うために
違いを示す呼び名があって
1人だけでは無いと言うために
同じと言うための呼び名もあって
だから、君に名前が無いなら
僕が君に名前を付けよう
君が君であると言えるよう
僕が君の名を呼べるよう
例え君に名前が無くとも
君と僕とに違いはない
同じものであると呼ぶための
違いを示す呼び名はあるから
それでも君に名前が無いなら
僕は君に名前を付けよう
たった1人の君のために
僕と君とが繋がれるように
世界にたった一人しかいない君の名は
君が君であるようにと願いを込めてつけられた
私達は同じ「ヒト」で
私と君は違う「人」