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if then
もし…なら、と
想像するたび一喜一憂
条件分岐の条件式は
何も分かっていないのに
振り向いて欲しいと思うけど
言葉に換えて伝えられない
答えを聞くことが怖くて
手を伸ばして触れられない
いつも明るい振りをして
あなたと笑い合うけれど
本当はいつも私の鼓動は
壊れちゃいそうに早くなる
こっちを見て、と言えなくて
私を見て、と言えなくて
出来ることはさりげなく
冗談っぽく触れるだけ
嫌われたならどうしよう
会えなくなったらどうしよう
でも、私が一番怖いのは
受け止められた時のこと
もしもあなたが私の事を
受け入れてくれたなら
私はきっと今よりもっと
あなたを好きになってしまって
抜け出せなくなってしまいそうで
振り向いてほしいと思うけど
あなたのその手に触れられない
もし…なら、の
条件分岐の条件式を
驚く程に複雑化するのは
式の作り方が下手だから
勇気を出せばきっと単純
計算結果もきっと一瞬
知りたいけれど聞けない矛盾
気付けばloopの中にいて逡巡
疾走り始めたはずなのに
結果はいつまでも返ってこない
そんな粗悪なプログラムだから
心はいつも想いで溢れる(heap error)