61/153
向日葵
砂と土と少しの石と
そこに生きる小さな命
自分の体の半分ほどの
大きな大きな石を避け
今日の糧を求めるために
焦げた砂地を歩いて回る
無限にも見える広野の中に
ぴょこんと一つそびえる緑
生まれたてなのか、跳び跳ねる前か
背筋をぎゅっと大きく曲げて
砂に突き刺さった緑の穂先は
今にもはち切れそうにも見えた
これから伸びゆく先には青空
どこまでも遠くて
だけど近くて
命が育ち、いつの日か
新たな命を宿す頃には
あの空にある輝く光に
届くほどになるだろうか
その日を夢想するように
穂先に前足をかけて立ち上がる命は
やがて今日を生きるためにと
また焦げた砂地を歩き始めた
最後までお読みいただきありがとうございます




