導きの闇
何を見て
何を感じるのか
闇に呑まれ
堕ちてゆき
消えてゆく
それが怖くて
呑まれぬように
あがこうとして
光を求めて
さ迷っていた
けれどどこまで行っても
変わらぬ事に気づいた時
はた、と立ち止まり
私は瞳を閉じてみる
そこには一面の闇
何も無く
静寂と暗闇だけが
そこにある
堕ちてゆくのは
感覚だけで
私は確かにここにいる
たとえどれだけ闇が濃く
全てを飲み込む程であっても
私は私のままでいる
何も変わりはしないだろうし
何も失ったりはしない
見えないことが
怖いだけで
闇は私を変えはしないと
そのとき初めて気がついた
受け入れてみたら
闇は私に安らぎをくれた
闇が変わったわけじゃない
変わったのは私だけ
闇は変わらずそこにある
光が生きる力なら
闇は力を癒すものだと
その時初めて気がついた
強すぎる光も
深すぎる闇も
自分以外の全てを消し去り
見えなくするのは同じ事
それでも私が光を求めたのは
何かが見える気がしていたから
けれど何も変わりはしない
強すぎる光も
深すぎる闇も
私を変えることは出来ない
私は変わらずここにいて
私は私のままでいる
そのことに気付けたから…
あなたが呑まれそうになったら
私はあなたを導きたい
私は変わらずここにいるから
光の中では安らぎの闇に
闇の中では生きる光に
あなたの手を引き導き
あなたの不安を消してあげたい
私はあなたを不安から救う
闇を抱いた一筋の光でありたい
最後までお読みいただきありがとうございます




