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雨と私と歪む世界

雨が降る

冷たい雨


独りたたずみ

雨に打たれて

空を見上げる


空一面には灰色の雲

世界にはただ私一人

静かな雨音だけが

体を包み

心の中へと染み込んでいく


隔たれた世界

少し水色がかった

水に包まれた小さな世界


両の手のひらを見る

何も無い

ただの手のひら

何も無い

この手の中には

何も無い…


目を閉じて

息を潜め

両手を広げる


何も変わらない

世界には私と雨と静かな雨音

ただそれだけ


不意に雨が止む

ぱたぱたと雨音だけは響いていても

私の世界の雨が止む


両の手のひらをみる

何も無い

ただの手のひら

何も無い

その手を誰かが握り締めていた

何も無い…私の手を


隔たれた世界

少し水色がかった

その世界を

小さいけれど大きな何かが

優しく包み込んでいた


小さな世界の小さな空を

何かが遮り更に隔てる

雨は止み

世界には私と私の手を握る…誰か


不意に雨は止んでいた

何も無い手のひらが

誰かの温もりに包まれていた

いつの間にか傍にいた誰かは

私を見つめて微笑んでいた


世界が壊れた

隔たれた小さな世界

水色がかった

その世界を

何かが優しく包んで壊した


そうして世界は広がって

だけど世界はゆがんで見えて

温かな感触だけが私を支える


そうして、また…


雨が降る

温もりの雨


見上げればそこに

あなたの微笑み

最後までお読みいただきありがとうございます

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